ブログ小説　僕らは探検隊　Ⅰ

　　　　　　僕らは探検隊　Ⅰ　（１０）

「またあー！？」トコちゃんが言いました。
「またあー？！」シュンちゃんが言いました。
「ええー！」ユキちゃんが言いました。
「別にいいけど！」お兄さんが言いました。
「ヒロちゃんと来れるとこならいいけど！」シュンちゃんが言いました。
「俺も！」ユキちゃんが言いました。
「そうだよ！。今度はヒロちゃんもいっしょに来れるとこにしようよ！」
トコちゃんが言いました。

「じゃあ今度はそういうとこを探検するから！」
そう言ってお兄さんは少し考えると、
「今は思い浮かばないからまた考えとくよ！」
「さあほら穴を探検するかあ！！」といって立ち上がったのでした。

ほら穴の入り口から奥をのぞくと、真っ暗でした。
「これじゃあ！奥へはいけないよ！」トコちゃんが言いました。
「ほんとだ！中は真っ暗だ！。」シュンちゃんが言いました。
お兄さんは、自分のポケットからペンライトを取り出し、
「これでいけるとこまで行こう！」そう言ったのです。
そしてみんなでいけるとこまで行くことになりました。
入り口にも岩がごろごろ、ころがっていましたが、
中に入るとすきまなく岩がころがっていました。

入り口のあたりは、日が差し込んでいて見えるのですが、
少し奥にはいると徐々に暗くなっていきよく見えなくなりました。
お兄さんがペンライトで照らしていますが、
見えるのは、その周辺だけで遠くはよくわかりませんでした。
いりぐちから１０ｍほど進むと上から水滴が落ちてきました。
そのへんからは、岩が水でぬれていてすべるようになってきました。

「おーい！。このへんからぬれてるから、すべるぞ！。」
お兄さんが後ろを向いて言いました。
「だんだん、見えなくなってきたね！」ユキちゃんが言いました。
「お兄さん！先にいかないで照らしながらゆっくり行ってよ！」
トコちゃんが言いました。
「すごくすべるし、ぜんぜん見えなくなってきたよ！」シュンちゃんが言いました。
少し前を歩いていたお兄さんが、戻ってきました。

「わるい！。わるい！。」
「このペンライトの明かりじゃあ!、奥がどうなってるか、わからないや！」
「よーし！。これからは、ゆっくり前に進んでくからな！」
そう言うと、ペンライトで、３人の顔を照らしたのでした。
「もっと明るい強烈なのじゃあないと、足元がわからないよ！」
トコちゃんが言いました。
「だけどしょうがないよ！このペンライトしかないんだから！」
お兄さんが言いました。

「一番最初にほら穴に探検に行くって言ったら、
家にある懐中電灯を持ってきたのになあー」
シュンちゃんが言いました。
「そうだね！」「暗くて、すべるから危ないよ！」と、ユキちゃんも言いました。
「お前たちここから帰ってもいいんだぞ！。」
お兄さんが言いました。
「お兄さん！この奥はどうなっているの？！」
「行き止まり？！」トコちゃんが訊きました。

「一番奥はどうなってるか知らないけど！。」
「途中に天井があいていてそこから外に出られるようになってるんだ！。」
そうお兄さんが言うと、
「お兄さんは前にここに来たことがあるんだ？！」
トコちゃんが訊きました。
「１年ぐらい前に来たことがあるけど！」
「じゃあ！帰る道も知ってるね！」
「もちろんだ！そうじゃなきゃ連れてなんか来るもんか！。」
それを聞いて三人は安心したのでした。

「じゃあ！。そこの出口まで行こうよー！」ユキちゃんが言いました。
「そうだよ！。ここで引き返しても道がわからないもん！」
そう、シュンちゃんが言いました。
「そうだな！。お兄さんの言う天井の穴のとこまで行こう！」
トコちゃんが言いました。

「よーし！。じゃあ決まりだ！。」
「天上の穴のとこまで行こう！」
お兄さんは、そう言うとゆっくりと歩き、
ペンライトを前と、後ろとを交互に照らしながら、進んでいきました。

「すべるなあー！」「入り口の岩とぜんぜん違うよ！」
シュンちゃんが言いました。
「さっきよりもすべるようになったみたいだよ！。」
ユキちゃんが言いました。
「いてえー」「すべった！！。」トコちゃんが言いました。

お兄さんが声のしたほうにペンライトを向け言いました。
「だいじょうぶか？！」
「ちょっとすりむいたけど、大丈夫だよ！」トコちゃんが言いました。
「もう少しゆっくり行くからな！」
と、お兄さんが３人のほうを向いて言いました。

ちょうど振り向いたときに足を滑らせたのでした。
「いてえー」「おれもすべった！！」そう言ったときでした。
右手に持っていたペンライトを落としてしまったのです。

「おーい！ペンライトがどっかいっちゃった！」
「落としたの？！」ユキちゃんが訊きました。
「おおー」「どこにいったかわからねーや！？」
「やばいなあー」そうお兄さんが言ったときに、
「あそこだ！。」シュンちゃんが言いました。