僕らは探検隊 T (5)

一斗缶のところまで来るとお兄さんは”メンチュウ”を入れてから、
木の枝で、土に棒線を1本ひきました。
「捕まえた!」そう言ってトコちゃんがお兄さんと入れ替わりに、
一斗缶のところにに来ました。
続いてすぐにヒロちゃんとシュンちゃんが来ました。
ユキちゃんが上が乾いてる少し大きな石をどかすと、2匹いました。
砂ごと両手ですくったのですが、1匹しか捕まえることができませんでした。
「2匹見つけてすくったけど1匹逃げられた!」と大きな声で言いました。
それを聞くと、みんな一斉に少し大きな石をどかせ始めました。

「二匹捕った!」お兄さんが言いました。
「俺も二匹捕った!」シュンちゃんが言いました。
「俺も二匹捕った!」「俺も二匹捕った!」
続けてヒロちゃんと、トコちゃんが言いました。
「ちぇっ!また2匹見つけたのに1匹しか捕れなかった!」
そうユキちゃんが言ったので、みんなが笑いました。
最初は、水がほとんどないところの石を上げていたので簡単に捕ることができたのですが、
だんだんと水があるところの石を上げていくので、すぐ逃げられてしまうようになりました。

「もう無理だな!」
「おーい! 終わりにしよう!」そうお兄さんが言いました。
そして一斗缶の置いてあるところに来ました。
みんなは、その声を聞いたのですが、石をどかすと”メンチュウ”がいるので、
それを捕ろうとしてまだやっていました。
「もう手じゃあ、捕れないぞ!」
「細かい網じゃなきゃ!」そう言われるとみんなすぐ止めて、
1斗缶のところに集まってきました。

「すげえ、いるなあ!」うれしそうにシュンちゃんが言いました。
「ほんとだ!すげえいる!」ユキちゃんが言いました。
「やっぱ!お兄さんが1番か!」土のところを見てトコちゃんが言いました。
「やっぱ!ユキちゃんがビリか!」ヒロちゃんが言いました。
「1匹しか差がないじゃん!」「年が上なのにー!」
ユキちゃんがくやしそうに言いました。
「うるさい!。勝ちは勝ちだ!」ヒロちゃんが言いました。

「やめろ!」「こんなとこでけんかなんかしてられないぞ!」
「向こう岸に渡るんだからな!」
「えっ!向こう岸!」トコちゃんが言いました。
「渡しに乗るの?!」シュンちゃんが言いました。
「あの船頭のおやじたちおっかねえんだよ!」トコちゃんが言いました。
「なあー」シュンちゃんが言いました。
「ええー」ヒロちゃんと、ユキちゃんが顔を見合わせて言いました。

「お前たち!ふざけて船をゆらしたんだろ!」
「ゆらしたって言えばゆらしたかなあ!?」
「”セーノ”で、ふたりで一緒に船に乗ったんだけど!」
そうトコちゃんが言いました。
「そうだよな!」シュンちゃんが言いました。
「それだ!そのときお前たちはそんなにゆれたとは感じなかったかもしれないけど、
船頭はすごくゆれを感じたんじゃないか、きっと!。」
「きょうはおとなしく乗れよ!」と、お兄さんは言いました。
トコちゃんと、シュンちゃんは、「うん!」と、返事をしました。

「この”メンチュウ”どうする?。やっぱ逃がす?!」
シュンちゃんが言いました。
「ここにおいといて帰りにだれか持って帰ってもいいけど!」
お兄さんが言いました。
「いらないよなあ!」トコちゃんが言いました。
「いらない!」ユキちゃんが言いました。
「俺もいらない!」シュンちゃんが言いました。
「持って帰ってもいいけど!いつでも捕れるし、重たいからいらない!」
「お兄さんは?!」ヒロちゃんが言いました。

「遊びで捕ったんだからいらないよ!」
そう言うと、お兄さんは川に一斗缶を持って行きました。
そして、みんなはお兄さんについて行ったのです。
「よーし!。ここで放すか!。」
そうお兄さんが言うと、みんなでまわりを囲みました。
お兄さんがゆっくりと、一斗缶を斜めにたおしてゆくと、
メンチュウたちは、勢いよく川に戻っていきました。

空になった一斗缶を見てトコちゃんが言いました。
「これどうするの?!」
お兄さんが答えて言いました。
「これはあの草がはえてるとこに、缶の中に石を入れて置いておくんだ!」
「またこんど来たときに使えるからな!」
「もし水かさが多くなっても中に石が入ってればそんなに流されないから!」
「台風が来たらあきらめるさ!」
「じゃあ!みんな石を運んでくれ!」
そう言うとお兄さんは大きな石をひとつ川からとって入れると、
そのまま草のはえてるほうに歩いていきました。

みんなはてんでに川の石を拾ってお兄さんのあとを追いかけて行きました。
「よーし!。じゃあ、みんな持ってきた石を入れて!」
お兄さんがそう言うと、みんなは持ってきた石を入れたのでした。
「あれ!水が入ってるけどいいの?!」シュンちゃんが言いました。
「じゃあこんどはこのくらいの石を持ってきてくれ!」
そう言うと、3センチぐらいの石をみんなに見せたのでした。
みんなが川に取りに行き、戻ってきました。
それを缶に入れると少し山盛りになりました。

お兄さんはそれから細かい砂利と砂をいっしょにその上にかけたのでした。
一斗缶上の端を持つとゆっくりとゆらしたのでした。
そうすると、少し山盛りだったのが平らになり、
それが一斗缶の一番上よりも2〜3センチ低くなったのでした。
それを見たユキちゃんが言いました。

「あれ!スゲーなあー!」「こんなに低くなったぞ!」
「いいか!ゆするとどんどん下のほうに石と砂や砂利が入っていって、
隙間がなくなってくるからこうなるんだ!」
お兄さんが得意げに言いました。
「一斗缶がふくらんでる!」そうヒロちゃんが言いました。
「ほんとだ!。ふくらんでる!。」シュンちゃんが言いました。
「そんなこと知ってるよ!」トコちゃんが言いました。


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