僕らは探検隊 T (3)

「お兄さんが作ったこの仕掛けと、残りのハリスのついた釣針どうする?」
ヒロちゃんがみんなに言いました。
「うーん。」「そうだ!。ミミズの入ってるこの缶に入れてどこかに秘密に隠そうか!」
トコちゃんが言いました。
「今お兄さんは、”くろかん”だったけどほかに何か釣れるかもしれないから、
もう一度もっと沖に投げて釣ろうよ!」
と、ユキちゃんが言いました。

「うん!そうしよう!。」シュンちゃんが言いました。
「だれがやる?」「やっぱ、トコちゃんかな!?」ヒロちゃんが言いました。
「うんいいよ!」「俺もそれでいいよ!」
シュンちゃんとユキちゃんが言いました。

トコちゃんが、さっきお兄さんがやった仕掛けを使って、釣ることになりました。
拾った板に道糸の一番端をしっかりと結んでありました。
その板に真ん中より先にぐるぐる巻きに道糸を巻いてありました。
釣針にミミズをつけて、「じゃあ!。投げるぞ!」そう言うと、
トコちゃんは、左手で板の糸が巻いてないほうを握って、
右手でオモリを持って沖めがけて投げ込みました。
板に巻いてあった道糸が気持ちよく出て行きました。

「よーし!、このくらい沖なら何か釣れるだろう!」とトコちゃんが言いました。
「あれ!流されてる!」シュンちゃんが言いました。
「ほんとだ!」そう言ってすぐに、「あ!、止まった!。」
トコちゃんが言いました。
引き潮になってきているので、沖は流れが速かったのでした。

しばらく待っていると、道糸が少し”するり”と出て行ったのでした。
トコちゃんはそれも見ると、右手で道糸をたぐって合わせたのでした。
「よーし!。きた!」そう言うと、
ヒロちゃんに持っていた板をわたして言いました。
「ヒロちゃん捲いて!」
「うん!」そうヒロちゃんは言うと、道糸を捲き始めました。

「けっこうでかいぞ!」と、トコちゃんが言うと、
「ボラかな!、マルタかな?!」シュンちゃんが言いました。
「ウナギだったらいいのにね!」ユキちゃんが言いました。

20mほど下流に先にいって日向ぼっこをしながら、
足を乾かしていたお兄さんがこっちを見ていて言いました。
「なにか釣れたのか?!」
「けっこう大きいよ!」シュンちゃんが答えました。
お兄さんは裸足のまま走ってきました。
「マルタだ!」と、大きな声でトコちゃんが言いました。
それを走ってくる途中で聞いたお兄さんは、途中で走るのをやめて、
歩いてこっちに来ました。

「けっこう大きいな!」トコちゃんはうれしそうに言いました。
「うん!。25センチぐらいあるよ!」シュンちゃんもうれしそうに言いました。
「すげえ!やったあ!」ユキちゃんが言いました。
「すげえ!」ヒロちゃんも言いました。

そこにお兄さんが来ました。
「なんだ!たいしたことないじゃないか!」
「マルタなら30センチないと大きいとは言わないからな!」
「もうすぐ”そこ”だから、隠れてる石が出てくるから、”メンチュウ”が、
いっぱい取れるぞきっと!」
「みんなで缶を用意しとけよ!俺はもう見つけてあるから!」
そう言うと、戻っていったのでした。

「じゃあ!この仕掛けを早く隠さなきゃ!」トコちゃんがそう言うと、
マルタを針からはずして川に投げ込みました。
「あああ!、もっと釣りやりたかったのにな!」ユキちゃんが言いました。
「みんなひとりっつ、釣りができたのに!」そうシュンちゃんが言いました。
「しょうがないよ!もうすぐ”そこ”だから!」
「早くしないと!」そうトコちゃんが言いました。
「だけど、どこに隠す?!」ヒロちゃんが言いました。
そして、みんなで辺りを見まわしました。

「あそこの少し大きな石の下は!?」ユキちゃんが言いました。
「だめだよ!あのぐらいの石なら、大人が簡単に動かせるもん!」
「そうだ!。あそこの杭のところから2歩ぐらいのとこに埋めようよ!」
と、トコちゃんが言いました。
ちょうど新しい堤防と古い堤防のところの境に杭が打ってありました。
「あそこならよくわかるから、間違えないよ!」シュンちゃんが言いました。

「でもなぜ!?。2歩のところ?」ヒロちゃんがトコちゃんに訊きました。
「適当!」と、トコちゃんが答えました。
「いいよ!それで!。」ユキちゃんが言いました。
「みんなそれでいい?!。」トコちゃんが言いました。
「うん!」みんなで答えました。
そして、みんなでそこめがけて走って行きました。

杭が打ってあるところに来ると、トコちゃんが大股で、
「いーち。にーい。」と言って測ったところに、
30センチぐらいの丸を、落ちていた木のきれはしで書きました。
「よーし!ここを掘ろうぜ!」シュンちゃんが言いました。
土手は雑草が生えていていろんな根っこがあって簡単には掘れませんでした。
トコちゃんがコンクリートの破片のようなものを見つけて来ました。

「あっち側にあるから!」そう言って指差しました。
川側とは反対の土手のところにけっこう落ちていました。
ほかの三人もそれを使って根っこを切りながら穴を掘りました。
「このぐらい掘ればいいよね!」ヒロちゃんが言いました。


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