明日のことは過去のこと 第三巻 第三章(7)

神は少し笑みを浮かべ、
「気持ちは大変よくわかります!。」
「限られた人たちしか、そばで地球を見ていないのですから!?。」
「わたしとしては、とにかく予定通りに遺伝子治療ができ、
事故や緊急事態がないように、したいと思っています!。」
「それだけですので、すべてあなた方に人員のことは任せてあるので、
別にそんなに気にしなくてもいいんですよ!。」
ナアムを気づかい、そう言いました。

ハーンが降りたあと、整備長たちはすぐに、
中型宇宙船が格納されるところから、
けが人などを自動搬送する装置を出し、自動搬送の準備をしていました。
ハーンは、神とナアムの話が終わるのを察知すると、
準備を進めていた整備長たちと、その他の任務者全員を、
神の宇宙船の前まで集めたのでした。

「ありがとうございます!。」
「神にそう言っていただいて、少し気が楽になりました!。」
「ではもうそろそろ、全員が集まっていると思いますので、
まいりましょう!。」
「お先にどうぞ!。」ナアムはそう言うと、会釈をしたのです。
「わかりました!。」神はそう言うと会釈をし、
ナアムより先に、宇宙船を降りたのです。

神が降りてハーンの前まで来るとくると、ハーンがお辞儀をしました。
すると全員が一斉にお辞儀をしたのでした。
それを見た神は、同じようにお辞儀をしたのです。
「きょうはありがとうございます!。」
「皆さんのご協力に感謝します!。」
「これから任務が24時間体制になりますが、
体調にじゅうぶん気をつけて、よろしくお願いします!。」
そう言うと、会釈をしたのです。
そして全員が、神に向かって会釈をしました。

「ではこれから準備に取り掛かります!。」
「担当者はそれぞれの配置につき、任務を遂行してください!。」
「ではこれより開始いたします!。」
そうナアムは言うと、右手を高々と上げたのでした。
それを合図に、みんなそれぞれの配置について、動き始めたのです。
「ではこれから地球に行き、打ち合わせどおりに、
遺伝子治療する者たちを連れてきます!。」
ナアムはそう言って、足早に歩いて円盤型宇宙船に乗り込み、
地球に向かったのです。

「あなた方の乗組員は優秀ですね!。」
「本当に感謝いたします!。」
ハーンに向かって、そう神は言いました。
「ありがとうございます!。」
「ナアムから聞いたと思いますが、
みんなの気持ちを汲んでいただき、ありがとうございました。」
「二日間は、この人員ですすめますのでよろしくお願いします。」
ハーンがそう言うと、
「皆さんよっぽど、地球を近くで見たかったのですね!。」
そううれしそうに、神が言いました。

「そのようです!。」
と、ハーンもうれしそうに、答えたのです。
「じきにナアムも戻ってくると思いますが、
ナアムも実際に治療はまだやっていませんので、
わたしもしばらくは、医療器械が予定通りの時間でできるか、
心配なので立ち会います!。」
そう神が言いました。

神の宇宙船と、中型宇宙船とを結び、治療する者と治療した者を送る、
自動搬送装置が完成しました。
機能が問題なくおこなえるか、任務者たちが実際にベッドに横になり、
搬送装置を試しました。
すべての機能を試し終わった時、
ナアムの乗った中型宇宙船が戻ってきました。
入り口が開くと、すぐに宇宙船の搬送装置と、
完成した搬送装置がつなげられました。
ナアムはすぐに、神の宇宙船まで、足早に歩いて来たのです。

中型宇宙船から、神の宇宙船までの搬送時間は、3分でした。
最初の治療者が運び込まれたのが、予定開始時間の5分前でした。
通常の検査がおこなわれ5分ほどで終了ました。
すべてのデータがコンピュータに入ったのです。
それからすぐ、遺伝子治療がおこなわれました。
治療がおこなわれている間に、
次の治療者の通常検査がおこなわれ、
コンピュータにすべてのデータが入力されたのです。

いちばん最初の者は、神が検査をしました。
遺伝子データが書き換えられたのを確認しました。
遺伝子治療に成功したのです。
神とナアムそれにハーンの三人は、共に喜びました。
神は涙さえ浮かべていました。
続けてもうふたり、神が検査をしたのです。
遺伝子データが書き換えられたのを確認しました。
そして、次からはナアムに確認の検査を任せたのです。


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