明日のことは過去のこと 第三巻 第三章(6)

「じつはこれなんです!。」
そう言うとナアムは、資料を二人に見せたのです。
ふたりとも、その資料を見て大笑いをしたのです。
「なんですか?。この任務者の方々の名前は?!。」
そうニコニコしながらアミダーが言うと、
「まったく困ったものです!。」
「30名の任務者は、整備員から出してもらうので、
整備長に任せたら、この様な構成になりました!。」
「船団長も、笑っておられました!。」
そうナアムが苦笑いしながら言ったのです。

ミョウホーもニコニコしながら、
「これじゃあー!。母船の任務者ですね!。」
「まあ気持ちはわかりますが?!。」
「みんな地球をそばで見たかったのでしょう!?。」
「宇宙船の中からですが、実際に地球に行けるのですから!。」
と、言いました。
「ほかにも頼みたいこととは、これなんです!。」
「その他の任務者なんですが!。」
そう言って指をさしてナアムは、説明したのです。

「万が一のために医療室から、
2名を確保するよう要請していたのですが、これです!。」
医療任務者確保2名。
医療長1名。副医療長1名。
「食堂に係わる人数として、
6名を確保するよう指示していたのですが、これです!。」
食堂任務者確保6名。
母船総料理長1名。母船副料理長3名。
食料船料理長1名。食料船副料理長1名。

「豪華絢爛たる人たちですね!。」
ミョウホーが笑いながらそう言いました。
「ミョウホー!。笑っている場合ではありません!。」
「アミダーも!。」
「とにかく、あなた方に任せますから、この人たちの交換要員も、
同じように二日たったら、よこしてください!。」
「いいですね!。」
「24時間体制で行わなければなりませんから!。」
そうナアムが言いました。

「わかりました!。」「わかりました。」
ふたりとも、そう答えたのです。
「ではよろしく!。」そう言って会釈をすると、
ナアムは、母船の宇宙船出入り口に向かいました。
ミョウホーとアミダーも、ナアムに向かって会釈をすると、
呼び出される前のところに、それぞれ戻ったのです。

ナアムが戻ると、すでに点呼も終わり、全員が2機の中型宇宙船に、
ふた手に分かれて、乗り込んでいました。
2機の中型宇宙船の搭乗口の前で
船団長と、整備長がナアムを待っていました。
「申しわけありません!。」そう言って、ナアムは、早足で来たのでした。
ナアムが来ると、整備長が、
「お手数をかけました!。」そう言って会釈をしたのです。
「気持ちはわかりますが?!。」
そう途中まで言うと、
「とにかく出かけましょう!。」そうナアムは言ったのでした。

1機のほうには、船団長と、整備長が乗り込みました。
もう1機のほうに、ナアムが乗り込みました。
ほぼ同時に母船を出発したのです。
しばらくすると、2機の中型宇宙船は、地球の軌道上にいました。
地球軌道上にいる神の宇宙船は、
ナアムのいる中型宇宙船に入ったのです。
ナアムのいる中型宇宙船は、空母型あるいは、母船型と呼ばれている、
いわゆる”葉巻のかたち”をした、宇宙船でした。

中型といっても円盤型の中型宇宙船より、
だいぶ大きく長く作られていました。
真ん中のいちばん幅が広いところに、ちょうど2機の中型の
円盤型宇宙船が格納できたのです。
ハーンと整備長が乗っている中型宇宙船は、円盤型のもので、
おもに長期の探査用に使っているものです。
定員500名。探査用中型宇宙船が5機格納できるものでした。

ハーンの乗った中型宇宙船も少し時間をおいてから、
ナアムが乗っている母船型の中型宇宙船に入ったのです。
予定の時刻の1時間前に到着しました。
円盤型宇宙船は到着すると、
すぐに、神のいる宇宙船まで歩いて行きました。
先に到着していた神の宇宙船に、
ナアムはすでに乗り込んでいて、打ち合わせをしていました。

これからの予定。時間割などこと細かく説明していたのです。
「ですので!。申しわけありませんが、
二日間ほどはこの人員で、対応いたしますので!。」
「3日目より順次、人員を入れ替えます!。」
「そういうことで、よろしくお願いいたします!。」
そう言うと、ナアムはすまなそうに、
深々と、お辞儀をしたのでした。


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