明日のことは過去のこと 第三巻 第三章(5)

ふたりは、宇宙船に乗り込むと、
神の宇宙船を出発して、母船に戻ってきたのでした。
そして母船に入るとナアムは、船団の整備長に言い、
2機か3機の小型宇宙船を収納でき、
100日ほどの勤務ができる中型宇宙船2機と、
整備員30人の人員を確保をさせたのでした。
すべての宇宙船の整備と、食料の積み込み、医療品の確保など、
ほぼ戦闘準備態勢に近い準備を行いました。

ナアムのところに、この任務に係わるすべての資料が届いたのは、
もうすでに、20時間を過ぎていた頃でした。
その資料を見てナアムは驚いたのです。
そしてハーンに、
「船団長!。信頼して任せたら、こんな資料を持ってきました。」
「まったく、困ったものです!。」
そうあきれた顔で言い、ハーンに資料を見せたのです。

ナアムからその資料を受け取ると、
その資料を見たハーンは、おもわず笑みを浮かべたのです。
「船団長!。それでは、この船団に担当責任を任せる者が、
ほとんどいなくなってしまいます。」
「任務者の変更と、それに伴う時間割を考えなければなりません!。」
「余分な時間がかかってしまいます!。」
そうハーンにナアムは言いました。

資料の人員のところには、こう書かれていました。
整備員人数確保30名。
母船整備長1名。母船副整備長3名。
食料船整備長1名。食料船副整備長2名。
など、各宇宙船の整備長と、副整備長で
すべて構成されていたのです。

そして万が一のために医療室から、
2名を確保するよう要請していたのですが、
医療任務者確保2名。
医療長1名。副医療長1名。
そして、食堂に係わる人数として、
6名を確保するよう指示していたのですが、
そこの資料にはこう書かれていました。
食堂任務者確保6名。
母船総料理長1名。母船副料理長3名。
食料船料理長1名。食料船副料理長1名。

ハーンは苦笑いしながら、
「ナアム!。あなたの言うことはわかりますが、
せっかく集めたのですから、これでとりあえず出発しましょう!。」
「ミョウホーとアミダーに言って、
代わりの要員を確保するよう、連絡してください!。」
「交代要員は、どのような時間割になっているのですか?!。」
そうハーンはナアムに言うと、
「はい!。30名のうち最初に10名が10日後に交代します。」
「その次の10日後に10名。その10日後に次の10名。」
「それですべて入れ替わるように時間を組みましたが、
この名前を見ると、そういうわけにはいきません!。」
そう答えました。

「そうですね!。」
思わず笑いながらハーンは言いました。
「みんな地球という惑星を、すぐそばで見たかったのでしょう!。」
「気持ちは大変よくわかります!。」
「母船をわたしか、あなたが1日留守にすることはできませんから、
わたしは、何時間かしたら戻ります。」
「彼らには、二日ほど任務してもらっては!。どうでしょうか?!。」
「二日したら、10名の交代要員がきて、8時間後にまた10名がきて、
8時間したら10名がくる、というのではどうでしょうか?!。」
「まあ、時間のほうは、何時間でもかまわないと思いますが、
それはあなたに任せます!。」

「わかりました船団長!。」
「では!。ミョウホーとアミダーに会議室に来てもらい、
これからの日程を決めて、交代要員の確保を頼んできます!。」
そうナアムが言うと、
「そうですね!。まだ時間はありますから、
あとのことは、三人で決めてください!。」
そうハーンが答えると、ナアムは会釈をして、
会議室に向かったのです!。

ナアムから連絡を受けたミョウホーとアミダーは、
会議室に向かっていました。
ナアムが会議室に入ってしばらくすると、
ミョウホーとアミダーが続けて入ってきました。

「ご苦労様!。」
「急で悪いのだけれど!。各宇宙船の整備員から、
今度の任務に就くものを選んでほしいんです!。」
「二日後に10名。その8時間後に10名。その8時間後に10名。
の、計30名を確保してもらいたいのです!。」
「それから、30名のうち最初に10名が10日後に交代します。」
「その次の10日後に10名。その10日後に次の10名。」
「それですべて入れ替わるように、時間を組みたいのです!。」
「それは、今度の任務の整備員に関するものです!。」
ハーンはそう言ったあと続けて、
「ほかにも頼みたいことがあるのです!。」


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