明日のことは過去のこと 第三巻 第三章(4)

「地球にいる者を、10000人とすると、
遺伝子治療に10分。交換に5分。掛かるとすると、
1日を、24時間として計算して、
計算上は、96人。1日に遺伝子治療ができます!。」
「10000人全部治療し終わるには、
104日と、4時間掛かります!。」
「妊娠している者と、この医療用ロボットより身長が低い子供を除くので、
はっきりした数はわかりません!。」
「協力を要請いたします!。」そう神は言いました。

「神から、協力の要請がきたのでは、
断るわけにはいきません!。」
「しかし、神からの連絡が母船に来たときにはすでに、
指令室の勤務体制の時間割を、決めたばかりです!。」
「指令室勤務以外の者を、こちらの協力に参加させたいと思います。」
そう言って、しばらく考えると、
「ナアム!。今設計室の者と、製造関係の者たちは、
どういう体制になっていますか?!。」
「はい!。戦闘準備態勢のひとつ下の、
準備態勢で時間割を組んでありますが、それが?!。」
そうナアムはハーンに、答えました。

「ではそれを、通常体制の時間割に変更してください!。」
「それから。整備員の今の時間割は、どのようになっていますか?!。」
そうハーンがナアムに訊くと、
「今!。戦闘態勢。戦闘準備態勢。準備態勢。にはなっていないので、
通常体制の下の、休暇体制の時間割になっています。」
と、答えました。

「今、長期休暇の申請もしくは、
長期休暇に入っている者はいますか?!。」
ハーンがそう訊くと、
「いいえ!。誰もいません!。」
「宇宙船の飛行は、船団内のみ許可を与えています!。」
「ですので、長期休暇を申請する者は、今のところ、誰もいません!。」
ナアムはそう答えました。

「では、設計室の者と、製造関係の者たちを通常の時間割に戻せば、
整備員以外は、通常の時間割になるのですね!?。」
そうハーンが言うと、
「はい!。そうです!。」
「では整備員を、この協力に参加させるのですか?!。」
と、ナアムが言いました。
「はい!。医療器械のほうの完成はだいぶ遅れますが、
こちらのほうが将来を考えた場合、事は重大ですから!。」
そうハーンが言いました。

ふたりの会話を黙って聞いていた神は、
「申しわけありません!。勤務体制を変更させてしまって!。」
「それ以上に、医療器械の完成が遅れることを、
陳謝したいと思います!。」
そう言うと、お辞儀をしたのでした。

「いいえ!。その事はいいのです!。」
「ナアム!。」「はい!。」
「君に、追加勤務を命じます!。」
「3時間の医療器械の練習に加えて、
神への、全面的協力の指揮を執ることを!。」
そうハーンが言うと、
「わかりました!。」ナアムはそう言うと、会釈をしたのでした。

「神!。ではいったん母船に戻り、
100日程度の勤務体制の準備をしてきますので、地球時間で1日。」
「約24時間の猶予をいただきたいと、思います!。」
とハーンが言うと、
「ありがとうございます!。」
「では、設計のほうはおくれますが、レンゲによろしくお伝えください!。」
と神が言うと、
「神!。設計のほうは予定通り続けてください!。」
「レンゲも予定どおり、こちらに設計の手伝いにこらせます!。」
「神に設計を予定通り続けてもらう為に、準備をしに戻るのですから!。」
そうハーンが笑みを浮かべて言いました。

「遺伝子治療がうまくいかない者がでる確立は、
1000人にひとりでしょう!。」
「ナアムが異常がでたら知らせますから、
そのときに、神に立ち会ってもらえばよいでしょう!。」
「どうでしょうか?!。」と、ハーンが言いました。
「ええ!。ありがとうございます!。」
「ナアムなら!。信頼して任す事ができますから!。」
神は笑みを浮かべて、そう言いました。

ハーンは、
「では、24時間後に地球の軌道上で!。」
「また!。お会いしましょう!。」
そう言うと、お辞儀をしてから、
ナアムとともに、乗ってきた宇宙船に戻ったのでした。


戻る | |TOPへ | | 次へ 

(別ウインドウで表示しています。)
     


|HOME TOPへ |


Copyright © 2007 taazann007, All rights reserved.