明日のことは過去のこと 第三巻 第三章(3)

「われわれは、何を手伝えばよいのでしょうか?!。」
そうハーンが訊きました。
「今現在地球に住んでいるものたちを、王や長老に命じて、
村ごとに集めますから、睡眠光線を宇宙船から発射し眠らせて、
この宇宙船に彼らを運んでほしいのです!。」
そう神が言うと、ハーンが、
「村の人数はどのくらいですか?!。」
と、訊きました。

「多くは1つの村で、200人から300人ぐらいですが、
それ以上いるところもあります!。」
「今現在地球に住んでいる者は、1万人ほどです。」
「そのうち妊娠している者が、50人ほどいます。」
「妊娠している者は村で大切に扱われています!。」
「村によって方法は違いますが、
妊娠初期の者がわかるようになっています!。」
「耳に輪をつけたもの。腕に輪をはめてある者。
首に輪をはめた者。などですがすぐわかります!。」
「それは、子供が生まれるまでつけているのです!。」
神がそう言い終わると、ナアムが言いました。

「妊娠している者の治療は危険だと思います!。」
「やめたほうがよいでしょう!。」
「子供が生まれてからあとで、治療すればよいと思います!。」
すると神が、
「そのとおりです!。」
「危険すぎるし、やっても時間ばかりかかるでしょう!。」
「あと子供の治療なのですが、
あなたの子供の医療用ロボットで試したところ、問題なくできました。」
「しかしこれも将来的に、突然変異が現れるかもしれません!。」
「未知数が多いのですが、医療用ロボットの身長以下の子供は、
今の時点では、治療しないことにしました。」
そう言ったのです。

「私もそれがよいと思います!。」
そうナアムは言うと微笑んだのでした。
そして神が続けて、

「面白いことに、このロボットの身長は、
地球の北の極と、南の極の真ん中の周囲の周長の、
ほぼ、4000万分の1の長さでした!。」
そう言ったのです。するとハーンが、
「確かに面白いことですね!。」
「われわれ船団が、この地球に来て、
遺伝子治療に係わることを、予知していたのでしょうか?!。」
そう言いました。すると、すぐナアムが、
「わたしは、医療室にある医療用ロボットの中から、
子供用のロボットを適当に選んだだけなのですが?!。」
と、苦笑いをして、そう言いました。
それを聞いた神とハーンは、ともに微笑んだのでした。

「治療に10分ほどかかります!。」
「治療者を交換する時間が、3分から5分と見込んでいます!。」
「実際にやってないので、あくまで予測の範囲です!。」
神がそう言うと、ハーンが、
「妊娠している者と、このロボットより身長が低い子供は、
全部で何人いるのですか?!。」
そう神に訊きました。

「申しわけありません!。補助任務者がいたときは、
データとして1年に1回。採っていたのですが、
今では、細かいデータをとっているのは、
惑星としての地球全体と、その気象観測だけです!。」
「地球に直接行かなくても採れる、データのみです!。」
と、すまなさそうな顔で答えました。

「では、われわれが連れてきた地球の者たちは、
これからの地球のデータの基礎になるんですね!。」
そうハーンが言うと、
「はい!。そのとおりです!。」
「利用するようで申しわけありませんが、
データを採る、ちょうどよい機会になります!。」
神はそう正直に答えました。

「わたしたち母星の者と、あなたたち母星の者のデータが、
いっしょに採れれば、ちょうど都合がよいと思います!。」
そうハーンが言いました。そして、
「ではこれから今後、どのようにするか、話し合いましょう!。」
「神のこれからの計画を、お話しください!。」
と、ハーンが言うと、
「ありがとうございます!。」
「先ほどの話の前にざっと、計算したのですが?!。」


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