明日のことは過去のこと 第三巻 第二章(7)

「そして、テレパシーを受ける能力を復活させる者、
削除する者を選ぶ基準を、どこにするかです!。」
そうハーンが言うと、
「しかし船団長!。われわれの母星で決めたことを、
変えてよいのでしょうか?!。」
そうナアムが言いました。

「われわれは、神の許可で流刑者を地球に受け入れてもらえるのです!。」
「これから、何百年、何千年続くかわかりません!。」
そう腕組みをして言いました。

「確かに今までは、神たち母星だけの流刑者を受け入れていました!。」
「これからは、たとえ流刑地は離れていても、
違う星から来た者たちです。」
「いつになるかわかりませんが、争いが起きるかもしれません!。」
「まるで予測はたちませんが、わたしたちが設ける基準で、
未来が大きく変化するでしょう!。」
「重大な事です!。」
そう苦渋の表情で、ハーンが言いました。

「やはり神の言うとおりにすべきでしょう!。」
「それは、刑罰の重い軽いに関係なく、過去の記憶の削除と、
テレパシーわざを使えなくすることです。」
「あとは、テレパシーを受ける能力を、どうするかでしょう!?。」
「これは神と、相談しなければなりません!。」
ハーンは今までに、ずーっと、考えててきましたが、心情的に、
なかなか決断がつかなかったのです。
過去の記憶を消し去ることを!!。

いっぽう会議室では、いろいろな案が出ていました。
指令室には通常、二人いなければならないという規定があったのです。
ですので、そこからすべての案は、始まっていたのでした。
「もう1時間経ったんだから、しぼっていかなきゃあー!?。」
「どんどんやろう!。どんどん!!。」と、アミダーが言いました。

するとミョウホーが、「とにかくみんなは!。」
「なるべく同じ相手とはやらない、ということでいいですね!。」
と、言いました。すると口々に、
「そうだよ!。」「そうね!。」「そうとも!。」
「そうよ!。」「そうだスウ!。」
と、言ったのでした。

「では!。それだと、六人で時間割を進めるので、
15パターンになります!。」
「ではこうなります!。」
そうミョウホーが言って、スクリーンに映し出したのでした。

するとすぐ、レンゲが言いました。
「これっていちばん最初の人がいちばん楽よねえー!。」
そう言うと、じーっと見ていたニョライが、
「レンゲ!。2番目の人が1番目の人よりいちばん最初は楽よ!。」
やはり女性のほうがしっかりしています。

今まで男3人で一生懸命に考えていたのに、
女性は三人で、途中からおしゃべりをし始めていたのでした。
にもかかわらず、最後はきっちり急所を押さえてくるのは、
女性の昔からの遺伝子のせいでしょうか?。
ほんとにしっかりしていると言うほかありません。

アマテラスが、
「しょうがないわねえー!!。」
「わたしたちふたりは、入ったばっかりだから、5番目と6番目ね!。」
そうあきらめたように言いました。
テンショウもあきらめた表情でした。

それを聞いていた、レンゲとニョライが、
「そうね!。」「しかたないわね!。」
そう、合図ちを打ちながら言ったのでした。

「てことは?!。わたしたちが3番目と4番目ね!。」
「ニョライどっちがいいの?!。」
そうレンゲが訊くと、
「わたしどっちでもいいわ!。」
スクリーンをジーっと見ていたニョライが言いました。

何にも考えてないレンゲは、
「じゃあ!。わたし、上の三番目!。」
そう言ったのでした。
「じゃあわたし、4番目でいいわ!。」
そうニョライが言いました。

残りはあと二人でした。
「じゃあ!。コインで決めようか?!。」
そうレンゲが言いました。
この船団で昔から伝わっていた方法でした。


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