明日のことは過去のこと 第三巻 第二章(4)

「はい!。ハーンです!。」
「船団長!。レンゲです!。」
「みんなに伝え終わりました!。」
そうレンゲが言いました。するとハーンが、
「ちょっと待ってください!。」そう言うと、
「神!。二人だけで話すことはまだありますか?!。」
そう神に訊いたのです。
「いいえ!。特にふたりだけで話すことはありませんが、
あなたにまだ、頼みたいことがあります!。」
そう神は答えました。

ハーンは笑みを浮かべ、「レンゲを、中に入れてもいいですか?!。」
神にそう訊くと、
「わたしはかまいません!。」そう答えたので、
「では、中に入れましょう!。」と、言ったのです。

インターホンを使い、
「レンゲ!。もうふたりだけの話は、済みました!。」
「中に入ってください!。」
そう言うと、ロックを解除したのです。

会議室の入り口のドアが開き、レンゲが、
「失礼します!。」と言って、中に入ってきました。
ハーンは、「ご苦労様!。」そう言うと、笑みを浮かべました。

そして、自分の席に戻ったのです。
神とハーンが、対面して座っていたので、ハーンは、
「神!。レンゲをあなたの隣の席に、座らせてもよいですか?!。」
そう訊くと神は、
「はい!。」と、答えました。

「レンゲ!。神の横に座ってください!。」
そうハーンが言うと、
「わかりました!。」
そうレンゲは言うと、うれしそうに、神の右側の席に座ったのです。

レンゲが座ると、ハーンが神に訊きました。
「先ほど頼みたいことがあると言いましたが何でしょう!。」
「わたしにできることですか?!。」
すると神が、
「ええ!。あなたにしか頼めないことです!。」と、言いました。

「じつは、レンゲにはそれとなく話したのですが!?。」
「先ほどお話したように、わたし一人では、設計に時間がかかります!。」
「レンゲが休みのときに、わたしの宇宙船に来て、
設計の手伝いと、主に翻訳のことをやってもらいたいのです!。」

「今回、ナアムが設計を手伝ってくれましたので、助かりました!。」
「設計と組み立てに関してで、注意事項の翻訳がいちばん難しいのです!。」
「そしてそのことが、重要です!。」
「レンゲには負担がかかりますが?!。」
「ぜひ許可願いたいのです!。」
神はそう、正直に言ったのです。

「わたしも、ナアムが指令室にいなくなったので、
優秀な二人を、指令室勤務にしました!。」
「それが、テンショウと、アマテラスです!。」
「今までナアムに任せておけばよかったことを、
わたしがやらなければならなくなったので!。」
「私も歳をとりました!。」
そうハーンは言うと、笑みを浮かべました。

「これから医療器械ができれば、
ナアムがひとりでやらなければなりません!。」
「神に負担は掛けられませんので!。」
「勤務時間の割り振りを変えようと思っていたところです!。」
「何人か交代で、あなたの宇宙船に行かせましょう!。」
「そして設計の補助と、翻訳をやらせましょう!。」
そうハーンが、気を利かせて言いました。

そのことばを聞いた神は、
「せっかくの申し出は、うれしいのですが!?。」
「本来設計というのは、誰が見てもわかるようにしなければなりません!。」
「しかしどうしても、その人のやりやすい描き方になってしまいます!。」
「いくつも数を設計すればするほど、個性が出ます!。」
「できればひとりですべて設計すれば、改良や修正があった場合、
ひとりのほうが、対応しやすいのです!。」
「翻訳のほうも同じです!。」
「もちろん責任は重大ですが!。」
と、神は正直に言いました。

「わかりました!。」
「しかし、休みの日というのは、レンゲに負担がかかります!。」
「いずれにしろ、遅くとも医療器械が出来上がるまでに、
指令室勤務の者の、時間の割り振りを考えます!。」
「では、それまでのあいだレンゲには、三日に一度。
そちらの宇宙船に通うよう命令書を出しましょう!。」
「二日に一度だと、こちらの負担が増えてしまうので!。」
と、ハーンが言いました。
それを聞いた神は、・・・


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