明日のことは過去のこと 第二巻 第二章(5)

先ほどの部屋とは入り口からして違っていました。
最初の部屋の入り口のドアは、ほとんど天井いっぱいまでの高さがあり、
幅もこの部屋の入り口の倍近くありました。

先ほどの部屋の天井には、
埋め込まれていた明かりしかありませんでしたが、
シャンデリア風の飾りのある明かりが、真ん中に大きなのがひとつ、
その周りに円盤状に光り輝いている明かりがありました。
「おお!。きれいですね!。」
と、思わず神は言いました。

「ありがとうございます!。」
「私のことを褒めていただきまして!。」
レンゲはニコッと笑って言いました。

神はそう言われたので、レンゲのほうを振り向きました。
確かにきれいでしたので、思わず
「この明かりより、あなたのほうが美しいと思います!。」
神もニコッと笑って言いました。
「ありがとうございます!。」
「神に褒められてとてもうれしいです!。」
レンゲは、少し顔を赤くして言いました。

「部屋の作りは先ほどの部屋と同じになります!。」
「ちょっと!、質問しても良いでしょうか?!。」
レンゲが神に訊きました。

「もちろんです!。」
「なんですか?!。改まって!。」
神がそう答えると、
「先ほどの部屋なんですが、左の入り口の中のトイレと、洗面所を
ご覧になりましたか?!。」
レンゲがそう訊きました。すると、
「いいえ!。見ていません!。」
そう神は言いました。
「そうですか!。では、まん中のシャワーとお風呂はどうですか?!」

「いいえ!。それも見ていません!。」
「ナアムが、右の入り口の部屋はベッドがあると説明したときに、
”少しのあいだ横になられたら良いと思います!”
と、彼が言ってくれたので、
そのままベッドの置いてある部屋に行きました!。」

「ですのでほかの部屋は見ていません!。」
「しかしベッドが大きくてびっくりしました。!」
それを聞くと、レンゲは大変申し訳なさそうに言いました。

「じつは、数年前まではこちらとほとんど同じつくりだったのですが、
異星人の体の大きな方の宇宙船と出会いまして、
そのかたの部屋として急きょ作った部屋です!。」
「第1来賓室から第5来賓室まですべて改造したのです!。」
「ですからそれまでの来賓室は、
すこし遠くに作らなければなりませんでした。」
「船団長が勘違いをされて、以前の呼び方で言ってしまったのです!。」
「大変申し訳ございませんでした!。」
そう言うと、レンゲは深々と頭を下げ、お辞儀をしたのでした。

「それでナアムから連絡を受けて来てくれたのですね!。」
「わかりました!。」
「ナアムが何か急いでいる感じで、
”これからあなたの宇宙船に、もって行くものを、
考えたいと思いますので、これで失礼します。”
と、言ってすぐに部屋を出て行った理由が!。」
「ナアムは、私を改造した部屋に通したので、
すぐにあなたをよこさせたのですね!。」
神がそうレンゲに訊くと、
「はい!。そのとおりです!。」
「気を悪くなさらないでください!。」
レンゲがそう言いました。

「とんでもない!。誰にでも間違いはありますから!。」
「あなたもかなりあわてたようでしたね!。」
神がそう言うと、
「はい!。正直言うと、びっくりしました!。」
「ですので、私たちのことばで連絡を入れてしまいました!。」
「ほんとに失礼いたしました!。」
そしてレンゲは、また深々と頭を下げたのでした。
神はレンゲに訊きました。


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