ブログ小説 明日のことは過去のこと 第二巻 第二章(1)

「ところで医療室に勤務する専任者ですが?!。」
「もし希望するものがいればそれが一番よいのですが?!。」
「君たちの中でぜひ医療室の専任者を、
やらせてほしいと希望するものは申し出てください!。」
「どうですか?!。」
そう言って5人の幹部の一人一人を見つめたハーンでした。

「希望するものはいないようですね。」
「もし治療に失敗すればその人間は廃人になってしまいます!。」
「犯罪者とはいえ、普通に生きていく権利があります。」
「彼らは、流刑地への流刑と言う罰に服するのです。」

「われわれは、神の協力のもとに、
地球を流刑地とすることが承認されました。」
「テレパシーわざは、使えなくしてありますので、
あとはできるだけ知能を落とさずに記憶を抹消して、
地球に送るのが、われわれの責務なのです!。」
「この任務は非常に責任の重い任務です!。」
「私はナアムが一番適任だと思います!。」

「誰か意見のあるものはいますか?!。」
ハーンはそう言うと一人一人を見つめました。
「意見はないようですね!。」
「では、ナアムを医療室の専任者として任命します!。」
「もちろん肩書きは、副船団長のままです!。」
「流刑者の処理がすめば、また副船団長の任務についてもらいます!。」
「以上で医療室の専任者の任命を終わります!。」

「では、ナアム以外の人たちは、通常の任務についてください!。」
「”ニョライ”。君はきょう休みだったのに、呼び出してすまなかったね!。」
「いいえ!。船団長!。」
「きょうは貴重な体験をさせていただきましてありがとうございました。」
「”神”にも会うことができました。!。」
そういうと笑みを浮かべて神のほうを見て、会釈をしたのです。
ほかの3人も神のほうを見て会釈をしました。

ミョウホーと、アミダーと、レンゲの3人は指令室に戻り、
ニョライは自分の部屋に戻っていきました。
「きょうは、任命式まで立ち会っていただきまして、
ありがとうございました!。」
ハーンは神に深々と頭を下げそう言ったのです。

「これからは、神に大変お世話になると思います!。」
「細かな注意点などをお聞かせ願いたいと思いますので、
よろしくお願いいたします!。」
こんどは、ナアムが深々と頭を下げ言いました。

「神よ!。一番最初の治療の時には、
ぜひ立ち会っていただきたいのですが、
ご都合のほうはどうでしょうか?!」
と、ナアムが神に尋ねました。

「今は、コンピュータ制御にしてあるので、何か不都合ができたら、
警告のメッセージが送られてきます。」
「それまでは、問題ありません!。」
そう神が答えると、
「それはよかった!。」
ナアムは少し安心したように言いました。

「船団長!。神にしばらくのあいだ、この船に滞在してもらって、
細かな注意することなどをいろいろ教えてもらいたいのですが、
よろしいでしょうか!?。」
ナアムがハーンに訊きました。
「もちろんです!。重大な任務ですのであなたのやりやすい方法で、
すべて進めてください!。」
ハーンはそう、ナアムに言ったのです。
そして、神にハーンは言いました。

「神よ!。あなたのご協力に感謝します!。」
「わたしはこれから、ほかの船に定時連絡をしなければなりません!。」
「もちろん。船団内だけに届く電波を使います!。」
「長距離に届く電波は使わないようほかの船に指示は出してあります!。」
「われわれも、この地球という惑星を、
侵入する者から護らなければなりません!。」
「細心の注意を払っていきますのでどうかご安心ください!。」
と、神に述べ、会釈をすると指令室に戻ったのです。



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