明日のことは過去のこと 第二巻 第一章(6)

「止まってしばらくすると次の部屋に入るドアが開きます。」
「そこには、最初の部屋と同じ4つのボックスがおいてあります!。」
「服のボックスを開けて服を身に着けてください!。」
「かごも同じボックスに入っていますから、取り出してこんどは、
植物のボックスを開けて果物を取り出して、
そのかごに入れればすべて終了となります!。」
ハーンはそう説明すると、
「よろしくお願いします!。」と言って、お辞儀をしたのでした。

「わかりました!。では検疫を受けましょう!。」
神はそう言うと、次の部屋に入っていき検疫を受けたのです。
ハーンの言ったとおりにおこない、すべて順調にいきました。
最後の部屋で服を着て、竹かごを取り出し、くだものの入ったボックスから、
りんごとバナナも取り出し、竹かごに入れ、
そして次の部屋でハーンが来るのを待っていました。

20分ほど待っていると、ハーンが現れたのです。
「お待たせしました!。
これから、私が船団の指揮を執る、司令室へ案内しましょう!。」
ハーンはそう言うと、検疫室の出口と思われるドアの前に立つと、
自動でドアが開きました。

二人はドアを出ると一人の体のがっちりした、身長は神と同じぐらいで、
ハーンと同じ種族と見受けられる人物が笑みを浮かべて、立っています。
「お帰りなさい!。船団長!。」と言うと、
頭を軽く下げまた元に戻しました。会釈をしたのです。

「私が留守中はご苦労でした!。なにか問題がありましたか?!」
そうハーンが彼に訊きました。
「いいえ!。何も問題はありませんでした!。」と、彼が言いました。
「そうですか!。それはなによりです!。」
ハーンはそう言うと、続けて神を紹介したのです。

「このかたが、連絡のときに話した、
この青い星”地球”を管理されている”神”。
”アッダム”さんです!。」
そう言って神をハーンが紹介すると、
「地球を管理しているものを神と呼んでいます!。」
「”神”と呼んでいただければそれでよいと思います!。」
「これからいろいろと協議しなければならないことがありますので、
よろしくお願いします。!」
そう神は言うと、会釈をしたのです!。

「彼がこの間少しお話した。副船団長の”ナアム”です!。」
ハーンがナアムを紹介すると彼が言いました。
「船団長からの報告を受けて、われわれ船団の者全員が喜んでいます!!。」
「ありがとうごさいます!。」
「これから大変お世話になると思いますが、よろしくお願いします!。」
ナアムはそう言うと、深々と頭を下げ、お辞儀をしたのでした。

神は、ナアムの行動を見て自分がした会釈は簡単な挨拶で、
正式に丁寧な挨拶は、ナアムのようにしなければいけないのだと、
気づいたのでした。
「申し訳ありません!。挨拶の仕方を間違えてしまって!。」
神はそう照れて言いました!。

「いいえ!。とんでもない!。」
「私こそ、あなた方の挨拶の仕方がわからないので、
われわれがいつもする挨拶をしたまでです!。」
そう、ナアムが答えると3人で笑ったのでした。

「では、先にナアムに船内を案内させましょう!。」
「私は、船長室に一旦戻りますから!。」
ハーンはそう言うと、お辞儀を済ませて船長室に向かったのでした。
神も同じようにお辞儀をしました。

「どこかみたいところはありますか?!」
ナアムが神に尋ねました。
「ええ!。一番最初に医療室と、医療器械を見たいのですが?!。」
神はそう答えました。
「わかりました。さっそくご案内しましょう!!。」

医療室に向かうまでの道すがら、ナアムは船内の説明をしながら、
歩いていきました。
医療室の前に立つと自動で大きくドアが開いたのです。
「ここが医療室です!。」
かなり大きな部屋でした。
中に入るとナアムが説明を始めました。

「このように入り口の左右に受付があります。」
「基本的にどちらで受付をしてもかまいません!。」
「受付を済ませないと中には入れません!。」
「では、受付を済ませてしまいましょう!。」
「こちらへどうぞ!。」「ちょっとお待ちください!。」
ナアムはそう言うと、右の受け付けにと行ったのです!。

受付の者とナアムは話をしていました。
すぐに終わりましたが申し訳なさそうに言いました。
「すいません!。船長のお客さんだと言ったのですが、
規定で、はじめてこの医療室に入る者は、
センサーによる身体検査を受けなければなりません!。」
「例外は認められないのです!。」
「よろしいでしょうか?!。」


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