明日のことは過去のこと 第二巻 第一章(4)

神の管理する宇宙船に、しばらくすると到着しました。
神は、ハーンを特別室に通すと、”すぐ戻るから!”と言って、管理室に行き、
センサーで誰か進入したものがいないか調べました。
誰も進入したものはありませんでした。
ハーンの部下たちが、命令どおりにしていたことがわかりました。

特別室に戻ると神はハーンに言ったのです。
「疑ってはいませんでしたが、私の責務ですので、侵入者があったか調べました!。」
「当然のことだと思います!。」
ハーンは、少し笑みを浮かべてそう言ったのです。

二人は席に着くと、ハーンのほうが先に話し始めました。
「われわれは、6個の船団に分かれて、
それぞれの方向に旅立ちました。
わたしたちの船団は、この方角の宇宙の中で、
流刑地として住みやすい惑星を見つけに、旅に出て来たのです。」
「たとえ犯罪者であっても、あまりにも住みにくい惑星では困りますから!。」
「もうすでに彼らは、テレパシー技は使えなくしてあります。
しかし、記憶はまだ削除してありません!。」
そうハーンが言うと神は尋ねました。

「では、テレパシーを受ける能力はどうですか?!」
「それは、削除してある者と、ない者とがいます。
犯罪の履歴によって異なります!。」
ハーンはそう答えました。

「ではテレパシーによる管理を、すべての人におこなうことはできませんね!。」
神がそう言うと、
「地球を管理している、あなたの立場は理解できますが、
どこまでテレパシーによる管理ができるか、疑問を持っています。」
「すべてあなたにおまかせするつもりですので、
記憶の削除についてはそのようにしたいと思います。」

「高度な文明の記憶は、悪い使い方をすれば、非常に危険です!。
あなた方の判断は、正しいと思います。」
「これからこの先なん千年も地球で暮らしていくには、
われわれのほうが犯罪者に対して、甘さがあったようです!。」
と、ハーンが言いました。

「これからは私なりに、これから先、何千年ものことをよく考えて、
対処していきたいと思います。」
「貴重なご意見、ありがとうございました。」
と、神はハーンに対して、礼を述べました。
「では細かなルールを決めたいとおもいますがどうでしょう!?」

神がそう言ってハーンに意見を促すと、
「いいえ!。とんでもありません!!。」
「われわれは、地球を管理しているあなたにお願いをして、
われわれの受刑者の流刑地として、許可していただけただけで十分です!。」
「すべてあなたにお任せいたします!。」
「よろしくお願いいたします!。」
そう言うと、ハーンは頭を下げたのです。

「あなたがそう言ってくださるなら、わたしもこれからは、
受刑者をテレパシーによる強制的な管理から、
彼らの自主的な行いを尊重する管理に変えていきたいと思います。」
そう言うと、ハーンと同じように頭を下げたのでした。

「ではさっそく、あなた方の宇宙船に行き、
医療器械を見せていただきたいと思いますが、いかがでしょう?!。」
神がハーンにそう言うと、
「喜んでご案内しましょう!!。」
「船団員たちも、このように高度な文明を持っている、
異星人に会うのは初めてでしょうから、きっと歓迎すると思います!!!。」
ハーンはうれしそうに、笑みを浮かべてそう言ったのです。

「あなた方の宇宙船は、大変大型なのでこの小惑星郡に近づくのは危険でしょう!。
あなたが乗ってきた小型の宇宙船で、
船団の中のあなたの管理している宇宙船まで行きましょう!。」
神はそう言いました。それを聞いたハーンは、
「わたしは、あなたが管理しているこの宇宙船で行くものと思っていました!?。」
「あなたがそう希望するのであれば、わたしはかまいません!。」
そういうとハーンは椅子から立ち上がりました。
それを見て神は言いました。

「大変申し訳ありませんが、地球のデータをとる時間と重なってしまうので、
コンピュータに命令しなければならない作業があり、
地球時間で30分ほど時間をいただきたいのですが?!。」
ハーンは神のことばを聞くと、
「ではわたしは、乗ってきた小型宇宙船で待っていますから!。」
と言って、自分が乗ってきた小型宇宙船の搭乗口に向かったのでした。


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