明日のことは過去のこと 第二巻 第一章(3)

「もうしばらくすれば、見えてくるでしょう!?」
神がそう言ったとたん、青く輝く星が見えてきました。
「あれが地球ですね!。」
「おお!。なんて美しい星なんでしょう!。」
ハーンは目を輝かせて言いました。

神はこのことばを聞いて、初めて地球を見て同じように言った、
イーブのことばを思い出しました。
二人は、北のほうの土地からはじめは、見ていくことにしました。

「あの動物は何という名前ですか?!」
ちょうど集団で走っていた馬を見て訊いたのです。
「あれは地球に住んでいる受刑者たちの一部のものたちが、
”ホース”と呼んでいますが、
あなた方の言いやすい名前をつけて呼んでかまいません。」
そう神に言われたハーンは、
「ありがとうございます。しかしそれは、
ここに連れてこられた受刑者たちが、考えることですから。」
そう神に言ったのです。

「そうでした。あなたの言うとおりです。
私は、テレパシ−技を使い、彼らを争いのない人間にしようと試みたのですが、
それは間違っていました。」
「これからはすべてを、彼らにゆだねましょう!。」
そう言うと、センサーを使い温度、湿度、動物、植物の種類など
すべてのデータをコンピュータに新たに記憶させたのでした。

「この辺の土地のデータは、10年に1度地球のデータとして、
調べることになっていました。
これからはあなた方の受刑者の住む場所になりますから、
同じようにデータをとりましょうか?!」

神にそう言われたハーンは、
「いいえ!。この辺の土地の詳細のデータはとらなくても結構です。
あなた方が、地球のデータとして調べることはかまいません。
受刑者たちに気づかれないという条件がつきますが、どうでしょうか?!」
と、ハーンは逆に条件を提示したのです。すると、
「わたしは、地球のデータを定期的にとらなければなりません!。」
「いままでも、受刑者たちに気づかれないように、
データをとってきましたので、そのまま続けましょう!。」

神はそう言ったあと、
「ほかに見たいところは、ありますか?!」
と、ハーンに訊いたのです。

「地球に観光に来たのであれば、あなたにいろいろな、
すばらしい土地を紹介してもらうのですが、
残念ながらそうではありませんので、
われわれの、流刑地の土地のデータを、とっていただいただけでも、
ありがたいと思っています。」
「もしよろしければ一旦!。あなたの管理されている宇宙船に戻って、
細かいことを取り決めたいと思いますがどうでしょう!?。」
と、神に言ったのです。

「わかりました。一旦戻ることにしましょう!。」
「今度はあなたの宇宙船の医療器械を見せてもらいましょう!。」
神はそう言うと、小型宇宙船を、
ハーンと会談した位置にある母船に向けて、進路をとったのです。

神は、ハーンに言われて自分があまりにも流刑者たちの生活にまで、
テレパシー技を使い、介入いていたことを、反省していたのです。
もちろんハーンは、神の考えていることは、わかっていましたが、
何も言いませんでした。

いっぽう神も、ハーンが地球のいろんなとこを見たい気持ちが、
手に取るように理解していたので、”ほかに見たいところは?”
と、訊いたのでしたが、彼が自分の気持ちよりも、
これからの受刑者の処理のことを、
優先したのがよく理解できたのでした。

「あなた方の宇宙船はとても大きなものですが、
一番大きなものはどのくらいの大きさがありますか?!。」
「それから、内部に格納されているものも含めて、全部で何隻ですか?!」
神がハーンに訊きました。

「わたしは、いままであなたに、すべて正直に話してきました。」
「われわれのすべてのことを、お話ししなければならないと思っています。」
「われわれ船団は、私の率いる船団だけではないのです!。」
「このことは帰ってから説明しようと思いましたが?!。
重要なことなので!。」
そうハーンは答えました。
「そうですか!?。では、戻ってから話を聞きましょう!。」


戻る | |TOPへ | | 次へ 

(別ウインドウで表示しています。)
     


|HOME TOPへ |


Copyright © 2007 taazann007, All rights reserved.