明日のことは過去のこと 第一巻 第三章(7)

4人で食事をするのは久しぶりでした。
6日に1度は、全員で食事をするのでしたが、二人が地球に行っていたので
9日ぶりに4人全員揃ったのでした。
ふたりは地球での出来事を楽しそうに話したのでした。
補助任務者のふたりは、それを「ニコニコ」しながら聞いていました。
楽しい夕食が終わりました。
すると補助任務者のひとりが言いました。

「わたしたちがあとかたづけをしますので、
それが終わったら緊急脱出用宇宙船の機能の確認をお願いしたいのですが?」
「私はかまいません。彼女は疲れているでしょうからお願いします」
そう神が言うと、彼女が言いました。

「私は、休暇をじゅうぶんとったので大丈夫です。
あとかたづけは私がやりますから、お仕事を続けてください。」
「ありがとう。それでは私達は仕事を済ませてしまいましょう」
神がそう言うと、
「ありがとう。じゃあそうさせてもらいます」
ふたりの補助任務者は彼女にそう言いました。
そして3人で緊急脱出用宇宙船に向かったのでした。

彼ら3人が、機能の確認が終わるまで2時間はかかりませんでした。
ふたりが1度確認をしていたので早く済ませることができました。
「本当にありがとうございました。」
「これで準備はすべて完了できました。おふたりのおかげです」
と、神はふたりに礼を述べました。

「いいえ、わたしたちが元気で長生きできているのも、
あなたのおかげです。」
「わたしたちこそ、お礼を言わなければなりません」
と、二人は神に言いました。
「あともう少しですのでよろしくお願いします。」
そう神が言ったあと、3人でがっちりと握手をしたのでした。
それからそれぞれ自分の部屋に戻ったのでした。

彼女は、あとかたづけをした後、自分の部屋に戻っていました。
「まだ起きていますか?」
スピーカーから神の声が聞こえたのでした。
「はい!。どうぞ!」と答えるとドアが開きました。
神が部屋に入ってきてドアが閉まると彼女はいきなり抱きついたのでした。
「愛しています。抱きしめてください!。」
神は強く抱きしめて言いました。

「これから検査をします。30分ほどですみますから」
彼女は愛してくれると思っていたので、きょとんな顔をしました。
「何の検査ですか?」
「妊娠しているかどうかの検査です。」「医療室へ行きましょう」
そう言うと、彼女を両腕で抱きかかえて、医療室へ向かったのです。

彼女は、あっけにとられて神のなすがままにしていたのでした。
検査用ベッドに仰向けに寝かせると、
彼女に「すぐ済みますから」そう言ったあとに、
鼻の穴に綿棒のようなものを入れると彼女はすぐに眠ってしまいました。

神は受精しているのは最低でも4個、希望としては5個受精していればと思っていました。
データに基づいてはいましたが、
神自身、子供を作ったことがなかったので多少不安はありました。
6個の受精が確認できました。
受精がうまくできてもそのまま順調に育つとは限りません。

ここにある医療器械は人工保育機能がありません。
子供を作るという想定は宇宙船内ではありませんでした。
彼女にがんばって産んでもらうしかないのでした。
6個の受精は予想していませんでした。
彼女が目覚めると言いました。
「おめでとう!ママになるんだよ!」
彼女にはいくつ受精したかは言いませんでした。

「この医療器械では数値でしかわからないので、
この先順調に育っているかは、調べることができません」
「ある程度大きくなればわかりますが、またそのとき調べましょう」
「受精している場合は数値に5か6が表示されます」
「受精していない場合は2か1です。判定がはっきりしない場合は3か4が表示されます。」
神はそう言って数値を見せました。
彼女は「6」と言う数字を見たのでした。

「受精したのですね。あなたと私の子供を!」そういうと、
ベッドから降りて神にゆっくりと抱きついたのでした。
神はやさしく抱きしめ言いました。
「これからたいへんですががんばって産んでください!」
「ええ、もちろん!。元気な子を産みます!」
そして神は再び彼女を、両腕で抱きかかえると彼女の部屋へ戻ったのでした。

部屋に戻ってくるとベッドに彼女を座らせるとゆっくり服を脱がせたのでした。
「きょうはタオルを使えるんですね!」彼女がうれしそうに言いました。
「使ってもいいけど、私がタオルの代わりになって、
あなたの肌についた水滴を吸い取ってあげるよ!」
そう神が言いました。

それから自分も服を脱ぎ、シャワー室に二人で入ったのでした。
お互いのからだを石鹸を使い洗ったのです。
彼女がシャワー室を先に出ました。そのとき言いました。
「ほとんどタオルで拭きますから、でもあなたに吸い取ってほしいところは
残していてもいいですか?!」
「もちろんです!。喜んで吸い取ってあげますよ!」
シャワー室の中からそう答えたのでした。


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