ブログ小説 明日のことは過去のこと 第一巻 第三章(1)

神は毎朝彼女に薬を飲ませたあと、
必ず愛情込めて強く抱きしめるのが日課になっていました。
彼女は神が言った言葉を信じて薬を飲み続けていました。
3ヶ月経ちました。
神はふたりの補助任務者に三日間、宇宙船を任せると、
円盤型宇宙船で彼女と二人地球へと向かったのでした。
地球で一番神が好きな場所に、小さい簡単な家をつくっておいたのでした。

そこはたいへん暖かく、きれいな花が咲き、くだものなどがたわわに実り、
かわいい動物もいました。
海は波は穏やかで、海岸は真ん中には遠浅で白い砂浜が広がり、
さんご礁もあり両端は岬になっていて大きな岩や岩礁があり、
大きな海老や蟹、貝もたくさんいました。

「なんて、きれいなんでしょう!」
彼女は、あまりの美しさに感動し言いました。
宇宙から見る地球もきれいでしたが、ここはもっときれいでした。
彼女は、そこがたいへん気にいったようでした。

「ここにはわたしたちふたりしかいません」
「三日間過ごすので簡単な家を作っておきました。」
「案内しましょう」
神はそう言うと、彼女の手をとり家に向かったのでした。

太い竹を使い家の骨組みはできていました。
竹の葉や大きな葉っぱを使って家の屋根や壁を作っていました。
すべてその土地にあるものを利用して、
なんでも作るのが地球にいるときのルールであり、
管理者としての責任でした。
決して宇宙船で使っている物を地球に置き忘れない規則でした。

神は片手には少し大きなカバンを持っていました。
中身は、医薬品と通信機器が半分のスペースに入っていました。
半分は、あいていました。
神は医薬品の中からカプセル状のものを2個取り出し説明しました。

「これは、虫などから皮膚を保護する薬と紫外線などの除去の薬です」
「この薬を塗れば裸でも問題なく過ごせます。」
「これから3日間は裸で過ごすのです」
そう言うと宇宙服を脱ぎ裸になってしまいました。

彼女はびっくりして顔を赤らめ下を向き言いました。
「はずかしいです!」
神は、彼女を抱きしめ言いました。
「ふたりだけですごせる時間は三日間しかありません」
「お願いします」
彼女はうなずき、ちいさく「わかりました」と言い、服を脱いだのでした。

服を、あいているスペースに入れるとカバンを閉め、
ついているスイッチを入れました。
そのスイッチは、中のものを殺菌処理し、
センサーにより動物などを近づけない装置でした。

神はござのような草で編んだ敷物に彼女をうつ伏せに寝かせました。
さらっとしたクリーム状の2つの薬を頭の先の髪の毛から足の先まで、
丁寧にやさしく塗っていきました。
今度は仰向けにしました。
頭のほうから塗り始めました。
彼女は目を閉じて彼の塗り終わるのをじっと待っていましたが、
彼の手が身体の途中までくると、恥ずかしそうに顔全体を手で覆いました。

そして、彼女の足先まで丁寧に塗り終えたのでした。
次は彼女が神のからだに薬を塗ります。神がうつ伏せになりました。
彼女は丁寧に塗り終えました。
今度は、仰向けになりました。
彼女は頭の先の髪の毛から丁寧に塗っていきました。

おへそのあたりにくると塗るのを止めて言いました。
「ここからも私が塗るのですか?」
神は言いました。
「私達は、夫婦です。私は、あなたを愛しています。」
「あなたに塗ってほしいのです。」
「わかりました」と彼女は答えて、塗るのを続けましたがしかし、
宇宙船でのデータを見て知識としては理解していましたが、
実際に目の前で見るのは初めてだったので、その変化にびっくりしたのでした。
それから、彼女は足の先まで丁寧に塗り終えたのでした。

薬をカバンに戻すと、ふたりで一緒に芋を掘りに出かけました。
神が手をとり丁寧に途中で折れないように掘るコツを教えたのでした。
ふたりで石を集めてかまどを作ったのでした。
神が家を作ったときに一緒に作っておいた、
石で作った板状のものをかまどの上に置きました。
火の熾し方も熟しておいしいくだものの見分け方も彼女に教えたのでした。

昼は、熟したくだものを食べました。
彼女が火の熾し方を練習しているあいだにわらじのような物を作ったのでした。
その作り方も教えました。
とりあえず先にふたり分作りました。
家を作ったときに一緒につくっておいたヤギの皮でできた袋を持って、
海にひとりで出かけました。
そのあいだ彼女は、神が彼女用に作った見本を見て
わらじのような物を作る練習をしました。



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