明日のことは過去のこと 第一巻 第三章(6)

補助任務者のふたりは年はとっていましたが能力はすばらしかったので、
神が設計したものを一生懸命に作り、きょうはもう組み立てている状態でした。
地球時間で朝の8時でした。
夕方の5時には戻ってくる予定だったので、それまでには完成させなければなりません。
彼たちが一生懸命やったので、昼までにはほとんど完成しました。

「順調に組み立てが進みましたね!。管理者の設計は本当にすばらしい!。」
「そうですね!。もう少しで完成ですからがんばりましょう」
昼もとらないで続けて、一生懸命に組み立てたのでした。
1時過ぎにはすべて完成しました。
そして続けて機能の検査をしたのでした。
各パーツの機能から総合的な機能検査まですべてが終わったのは、
もう地球から二人が帰ってくる5時近くになっていました。

地球では神が彼女に泳ぎの特訓中でした。
彼女にはここに時々来たときに泳げなくては困るからと言い含め、
泳ぎを教えていたのでした。
午前中には基本的なことはほとんど教えました。
昼にはくだものをとるだけの簡単な食事にして、すぐに泳ぐ練習をしたのでした。
神も教え方がうまく、彼女も覚えがよく、水を怖がらなかったので順調に進んだのでした。
午後になると徐々に波が出てきたので、3時半過ぎには終わったのでした。

「よくがんばったね!」「1日でこんなに泳げるようになるとは思わなかったよ」
「私も初めてなのに、なんか遠い昔泳いだような気がしました」
それを聞いた神は言いました。
「きっと、記憶はなくなってしまったけれど、泳ぎ方は体が覚えていたのでしょう」
「そうかもしれませんね!」そう言うと「にこっ」と、笑ったのでした。

ふたりは、家に戻ってくると小川に向かいました。
海水を洗い流すのでした。
お互いの背中を水で洗い流したのです。
そして「バシャ、バシャ」と手で、水をお互いの体めがけて、かけ合ったのでした。
それから神は彼女に駆け寄り、抱きかかえるとそのまま家に戻ったのです。
家に戻ると彼女を仰向けに寝かせました。
彼女のからだについていた水はほとんどなくなっていたのですが、
残っていたからだについた水をきれいに、彼女の身体に唇を当て吸い取ったのでした。

地球の管理者としての神と、宇宙船の補助任務者としての彼女に戻る時間が来ました。
二人とも服を着て、宇宙船に戻る準備をしたのでした。
宇宙船から持ってきたものはすべて持ち帰らなければなりません。
今回は、カバン1つだけだったので問題ありませんでした。
ふたりは空が赤く染まりだしてきた頃に、乗ってきた宇宙船に戻ったのです。
地球時間のちょうど5時に彼ら二人がいる宇宙船に戻ったのでした。

宇宙船に戻ると彼ら二人が出迎えてくれました。
「どうでしたか地球での新婚旅行は!?」
「すばらしい天気がよかったので楽しく過ごせたでしょうねぇー?!」
ふたりとも神と彼女にニコニコしながら言ったのでした。

「おかげさまで楽しい時間を過ごすことができました。」
「おふたりのおかげです。ありがとうございました。」
そう神がふたりに礼を述べると彼女も言いました。
「ありがとうございました。」
「また、あしたから一生懸命やりますのでよろしくお願いします。」

補助管理者のひとりが言いました。
「改まった挨拶はこのくらいで」
「もう少しすると夕食の時間ですから久しぶりに4人で食べましょう」
神も言いました。「そうしましょう!」
彼女が言いました。「私が食事のしたくをしますから、できたらお呼びします」
「ではここは彼女に任せましょうか」神が言いました。
「ではお願いします」ふたりが答えました。
「わかりました!。」彼女はそう言うと、調理室へ向かったのでした。

3人でしばらく話した後、
神が宇宙船を留守にしたあいだのデータと、その処理の確認を、
夕食ができるまでに行うことになりました。
ほとんどがコンピュータでの作業なので時間は30分から40分あればじゅうぶんでした。
食事のあとに組み立てた機械、機能の最終チェックを神にしてもらうことになりました。
3人は、神の留守中のデータとその処理の確認を、
彼女の調理の進み具合に合わせておこなっていました。
確認をすべて終了すると、すぐに彼女が現れました。

「お食事のしたくができました。」
「お仕事のほうはどうでしょうか!?」
神が答えました。
「ちょうど終わったところです。」
「よかった。間に合って!」

ふたりもニコニコしながら言いました。
「ほんとに間に合ってよかったですね!」
そして4人で食堂に向かったのでした。


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