アナログ音源再生計画 ★特集★
特集 両親の結婚披露宴の録音テープを1枚のCDに焼く

[0]両親の結婚記念日に披露宴のCDをプレゼントしよう
[1]昔の披露宴〜デジタル世代向け傾向と対策
[2]1枚のCDに収録するための編集テクニック
[3]プレゼントとしてのCDを演出する

全部の内容を1枚のCDに収録する
披露宴の録音をCDにするということは単なるデジタル化による永久保存的なものから一歩進んで「編集」というテクニックが必要になります。

披露宴を最初から最後まで完全収録すると2〜3時間にもなります。これに挙式まで入れるとさらに1時間加算されることになります。昔のオープンでは録音速度を落とせば1本で2時間以上収録する事ができたので、完全収録が可能でした。またカセットでは交換が簡単なので2本以上に分けて収録された場合もあるでしょう。

これをそのままCDにしたのでは聞く方は懐かしさよりかえって苦痛です(^^;CD化する場合は必ず1枚(80分以内)にまとめるべきです。とりわけカセットに録音されたものなら現在でも容易に聞くことができるのですから、これを単純にCDにしても劣化防止以外あまり意味がありません。

ここでは80分を超える録音を1枚の音楽CDにまとめるという事にポイントを置いて説明します。自分以外の者が録音した内容を、両親も驚き感激するように上手に編集できればもうあなたも一人前(^^;

必要なソフト
(1)録音ソフト
(2)波形編集ソフト
(3)分割結合ソフト
録音ソフトは当然ですが、今回は(2)(3)のデジタル編集ソフトを多用することになります。
フリーソフトでも必要十分な機能がありますので必ず揃えておきます。

大まかな流れとしては、披露宴全体を余すことなくデジタル録音した後、部分部分をカットして70分程度にして、最後に聴きやすく整形します。このページの最後にテープ交換の間のブランクの対処法も取り上げていますので参照下さい。

この項では主にピンポイントで削除範囲を設定する方法を説明します。ピンポイント分割の方法はライブ録音テープからの音楽CD作成方法の実践テクニックを参照下さい。、
カット(波形削除)の基本
ここでのカットは曲間のクリックノイズを取り除くなどの作業ではなく、会話と会話の中間部分を直接切り取ってしまう作業を多用することになるので、カットするポイントの設定が非常に難しくなります。
 単純なカットでは、削除したい波形部分をマウスでドラッグして選択後切り取るのが基本です。こちらは「サウンドファイルの編集」を参照の事。

ここではさらに時間を指定してカットする方法を使います。(ソフはSoundEngineを使用)
※SoundEngineでは再生速度を半分まで落とせるので(画像1の左上部分の0.5参照)低速で再生すると細かい時間まで指定しやすい。
画像1

@カットする部分の最後の秒数をメモする。(枠部分)
Aカットする部分の最初の部分にマウスカーソルをあててクリックすると線が表示される。
B編集→選択範囲→選択範囲を設定とたどってクリックすると画像1のウインドが表示される。
Cすでに選択範囲の開始時間が表示されている(部分)ので枠部分に終了時間を入力する。

DOKを押すと下記の画像2のように選択範囲が反転するので[DEL]キーを押す。


画像2
E選択部分がカットされるので再生して確認する。

難しいといっても、テープ録音時代は、オープンでは直接ハサミでテープを切って繋いだしカセットではダビングして編集してもどうしてもクリックノイズが入ってうまくいかなかった。それが今では瞬時にできて、失敗してもやり直しができる。マウスを使い慣れたデジタル世代なら案外簡単に慣れてしまうと思います。

編集手順
(1)先ず全体をデジタル化する−録音ソフトを使用
テープを聞きながら全体をチェックして、必要部分だけを録音するのではなく、まず収録テープの全てをデジタル変換します。これはデジタル化したファイルの全体を波形編集ソフトで確認した方が確実で、しかも速くチェックできるからです。
 テープの片面で45分とか60分収録されている場合でも途中で止めないで一気に1ファイルになるよう録音してしまいます。

注:分割は全体を録音した後で行うので、録音ソフトに無音分割機能がある場合でも、この機能は使わないこと。

(2)内容と披露宴の流れをチェック−波形編集ソフトを使用
宴の内容は波形編集ソフトで確認します。波形の谷間と谷間が大抵祝辞の切れ目です。全体がどのような構成になっているか媒酌人は誰か、来賓挨拶は何人かという事も両親に確認しなくてもわかります。

(3)ファイルを分割する−分割・結合ソフトを使用
おおよそ以下の内容の有無を参考に分割すれば良いと思います。仲人・来賓の挨拶と祝辞は各人ごとに分割します。その他の部分もセレモニーごとにできるだけ細かく分割しておいた方があとの編集の際、楽です。
 なお、分割後も元のオリジナルファイルは残しておきます。
仲人挨拶
来賓(主賓)挨拶と祝辞

乾杯〜祝宴〜新婦のお色直しによる退場
祝電
※ケーキ入刀
(余興)来賓祝辞・歌や寸劇
※キャンドルサービス
新郎新婦・親戚挨拶
※花束贈呈(両親へ、親戚の子供から、その他様々)
万歳三唱〜おひらき

この中でキャンドルサービスというのはホテルでの披露宴ではかなり古くからあったと言われますが60年代の録音では収録されていません。ケーキ入刀や両親への花束贈呈なども時代によりますし、お色直しなども式場の演出ですので無い場合も。。。
 上記に太字で記載してある部分は60年代〜70年代に共通している内容ではないかと思います。

(4)カットする部分を決める
1枚のCDに収録できる時間以上の録音テープがある場合、内容の取捨選択が最大のポイントになります。全ての内容を録音してある場合は全体のセレモニーの流れが音だけでわかるような編集をしなければなりません。

カットは上記で分割したファイル単位で完全にカットしてしまう方法と挨拶や歌の内容の一部をカットするやりかたがあります。前者の方法が簡単ですが全体の流れの一部分が途切れてしまいますので、面倒ですが少しずつ細かくカットする方法をとります。
ひとつのファイルの部分部分をカットしていく場合、注意する事は分割ファイルの頭と最後は絶対にカットしない事。最後にCDにする時につながりが変になってしまうからです。

カットで最も重要な事は、テクニックではなく、披露宴というコンテンツを両親が聴いて満足するかどうかです。
 子供の立場から聞くと延々と続く仲人の挨拶は退屈であり、余興の歌や演奏の方が面白く思われるでしょうが仲人挨拶は新郎新婦の履歴・なりそめなど非常に重要な?部分になりますので絶対にカットできません。
 また祝電披露も誰からもらったか覚えている親はまず、いないと思いますので、カットできない部分です。

逆に祝宴でざわついているだけの箇所は積極的にカットします。この部分は全体で80分以内で収まるテープ録音しか無い場合でも必要最小限を残してカットすべきでしょう。
 会場のざわつき部分をカットしても1枚のCDに収まらない場合は「絵になる」セレモニー部分、すなわちケーキ入刀やキャンドルサービス、花束贈呈がある場合、最初と最後のマイクでの紹介を中心に最低限の部分を残してカットします。これらは写真で残っているのが普通ですので録音での重要度は下がります。

これでも収まりきれない場合は、余興の冗長な部分をカットします。客のヘタクソな(^^;歌は1番かワンフレーズ残して削除。逆に祝辞はできるだけ残しておくのが良い。
 披露宴はその名のとおり宴会ですからアルコールが入ってからの余興部分がかなりの時間を占めますので、この部分を上手に編集すれば大抵1枚のCDに収まります。

(5)全体が連続するよう整形する
取捨選択と部分的なカットができたら、それぞれのファイルが最後まで連続するよう整形します。披露宴のような長時間録音では必ずテープは両面録音になるか別テープに交換されるので途中が分断されます。当時テクニックがあった方が録音したテープならフェードアウトで終わっている場合もあるかも知れませんが、宴の途中ではフェードを使わない方が良い。

なおファイルは細かく分割すると20とか30になることもあるでしょうが、短い時間だからと他のファイルと結合する必要は無い。各人の挨拶・余興の歌など、その内容の都度頭出し出きるのがテープとの大きな違いなので、プレゼントの際その利便性を強調するためにも細かく分割すべきです。

 自分がその場に居合わせたもので無い録音内容を編集し、その場に居合わせた人に聴いてもらって満足させるというのは非常に難しい事ですが、その「原因」があって結果として「自分」が存在するわけですから(^^;厳粛な気持ちで取り組みたいものです(笑)

補足−話しの途中でテープが切れた場合
テープ交換(AB面入替)の何秒間かだけ収録されないで会話がつながる場合は最初からファイル自体を結合してしまいます。その後波形編集ソフトで結合前後の会話内容を聴きながら上手く脈絡がつながるようカットします

SIDE:A 会話前半 CUT SIDE:B 会話前半
全体を1ファイルに結合後、結合前後部分をカット

一方、テープ交換して再生すると、話は終わっていたか意図的に録音されていない、つまり中途半端に途切れる場合があります。この場合のテクニックは非常に難しい。
話しのつじつまが合わないのは仕方ないがせめて全体のつながりが妙にならないようにしたいものです。

 こうした状況では仕方ないので『ヤラセ』をします(^^;。つまり適当な部分の「拍手」を他のファイルからコピペして、尻切れファイルの最後にくっつけます(又は分割結合ソフトで結合する)。下記@が尻切れファイル、Aが拍手部分です。次に@のファイルにフェードアウトをかけて尻切れ部分が徐々に声が小さくなるよう編集。適当な範囲を選んで「クロスフェード」をかけます。(いずれも「編集」からコマンドを選択)

クロスフェードを選択するとそのまま処理が始まって選択範囲がクロスされます。@の波形は2回フェードされるため効果がきつい場合はクロスフェードだけにしておきます。

拍手部分は、次のファイルとのつながりも計算に入れておきます。EasyCDのように焼くときにクロスフェードできるソフトを使うと非常に便利ですが、そうした機能のない焼きソフトと利用するときは、拍手部分も一旦フェードをかけて最後は無音で終わるようにすることも考えておきましょう。


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(C)Fukutaro 2003.11