サウンドファイルのデジタル編集
サウンド編集
WAVEとして取り込んだアナログ音源はLP10枚分で5〜6GBになるので、そのままではHDDの領域を侵略するだけです。実用的には音楽CDに焼いたりMP3などオーディオ圧縮をして保存することになります。

 ところが「トラック分割機能」を利用して録音したファイルを見ると「分割-1」「分割-2」と1曲がいくつにも分かれたり中には「サー」というノイズだけ1、2秒入っているだけのファイルもあります。

 レコードからのポップス系の録音ならうまくいくことも多いがFMなどからエアチェックしたライブでは、ほとんど上手く分割できません。。

さらに録音テープでは曲の最初と最後にプチっというクリッカブル・ノイズが発生しやすい。

 そこで変換後のWAVEファイルの編集が必要になります。編集はファイルの分割結合不要部分の切り取り、曲の頭と最終部分のフェイドイン・アウトが主な作業。それ以外のノイズフィルターや、エコーをかけたりする付加作業は必要に応じて行えばよいでしょう。

ここでは「用意するソフト・ハード」の頁で紹介したサウンド編集ソフトと分割結合ソフトを使用します。

POINT
■アナログ音源は録音全体がひとつのファイルになるので編集はほぼ必須の作業になる。
■分割・結合・カット・フェードが編集の中心になる。
■ファイル(曲)は最小単位に分割してからカットやフェードを行う方が楽。


編集の手順
1.うまく分割できなかった部分の分割

2.とぎれてしまった部分の結合

3.
不要部分・クリッカブルノイズのカット

4.曲の先頭のフェードイン、終了のフェードアウト

※必ずしも順番に行う必要はありませんが大きなファイルになるほどPCの負担が大きいので最小単位に分割してからその他の操作をおこなう方がやりやすい。

ファイルの分割結合
分割は取り込み時にソフトの機能で行っておけば一工程省略できます。
 ここでは分割がうまくいかないで2曲以上が1ファイルになった場合や音声録音で途中で適当な長さに切りたい場合の説明になります。

[必要なソフト・ハード構成]でとりあげた「WaveZ」を利用した例を取り上げました。

注意いずれもデフォルト設定では分割・結合前のファイルは残るので失敗した場合は何度でもやり直せます。反面、単純に倍の容量のHDDスペースが必要になる。



分割
「WaveZ」では分割は「Wave再生」→「Wave分割」の手順でおこないます。

1.起動後エクスプローラからWAVE ファイルをドラックして再生→分割したい位置でポーズしてInsertボタン(赤枠部分)を押す。分割したい部分でこの操作を繰り返す。
図1


2.「Wave分割」タブを表示すると図2の黄色枠に分割ファイルが表示される。このうち不要なものは削除する。ファイルを保存するディレクトリを指定(赤枠部分)して「実行ボタン」を押す。
図2


結合
結合タブのウインドにエクスプローラからWAVE ファイルをドラックしてOKするだけの極めて簡単な操作で高速に結合できます。(注:下記はタブ部分の拡大図です)
図3


不要部分の切り取り

1曲または1パートとして都合のよいファイルができたら、ファイルの先頭と最後の不必要な無音部分を切り取る。

この作業は「WaveZ」でも可能ですがファイルの波形を見て拡大縮小できる編集ソフトの方がやりやすい。ここではEasy CDに付属する「サウンド・エディタ」というソフトを使用する例で説明します。

図4は曲間の無音部分の例です。
画面の中央にテープ録音の際、誤った操作をしたため無音になっている(黄色の部分)が見られる。さらに、その中にクリックノイズ(赤丸部分)があったので無音部分(黄色)の波形をドラッグして再生チェック後「切り取る」とその前後の波形がつながる。
図4

※このソフトでは「切り取り」で「削除」コマンドはないので大きな波形の切り取りをするとクリップボードに取り込まれたままになってしまう。このままではWindowsの動作が遅くなったり動かなくなる事もあったので最後の切り取り後は「クリップボードビュワー」(下図)で中身を削除しておく。
 なお無音部分を切り取っておいてフェードでさらに波形を無音状態に圧縮して曲の先頭に貼付て曲間調整するという裏技的な使い方もあります。(音楽CDの項参照)



フェイドイン・アウト
録音テープで最後の部分が切れたり、FMでナレーションがだぶって入ったりしている場合はうまく曲の前後を小さくしていったり徐々に音量を上げていくように処理しないと聞きづらい。
サウンド編集ソフトには必ずある機能なので使用する場面が最も多い機能です。

「サウンド・クリエーター」では「エフェクト」→「フェード」で図5のウィンドを開き「フェードレベル」(黄色で囲んだ部分)で調整する。
図5



その他のソフトでのカット・フェード方法
フリーソフト「Sound Engine」では不要部分のカットはキーボードのDELキーを押すだけで削除でき、フェードも右クリックでコマンドを指定するだけと非常に使い勝手が良い。
 難点はコマンドを実行する都度ファイル処理による時間をとられる事。ファイルは小さい程処理時間が短いので最小に分割した後に処理する方がやりやすい。

編集ができたら、そのファイルを音楽CDとしてCD-Rへ焼いたりMP3などのオーディオ圧縮を試してみましょう
  Last Update 2003.6

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