オープンリール復刻図鑑


特殊用途・珍品のボックス


このページでは通常とちょっと異なる形状のボックスやサイズのテープを紹介します。
モチロン中身は通常のテープで再生可能です。カセットと違い様々なサイズが可能であったため、箱も用途に応じてバラエティーに富んでいます。

単なる物珍しさではなく、用途に趣向を凝らしたテープやボックスを見ると1960年代には、いかに多くオープンが利用されていたかがわかります。

録音用ワイヤー
●これは珍しい箱ではなく、録音媒体として戦後アメリカで普及した録音用ワイヤーです。
 いわゆる「テープ」ではなく針金のような金属リールに直接音声を記録する媒体でした。
 画像の上部の黒いリールに針金のような金属が巻き付けられているのが見えます。
 以下の「ソニー自叙伝」に記載のあるウェブスターのワイヤーのようです。
所蔵・画像提供:静岡県N様

『ワイヤーレコーダーは戦前から日本にあるもので、1940年には東北大学と安立電気の共同である程度のものを作っていたし、日電で多田正信を中心に研究を進め、製品化していた』−中略−
『ついで、ステンレスのワイヤーを使ったウエブスターのワイヤーレコーダーのキットを、盛田がアメリカ人の友人を通して入手した』

『』内文章出所:ワック滑ァ「ソニー自叙伝」 ソニー広報部著


重箱風ボックス(TDK)
●TDKのテープで管理人が興味を惹かれたのが上記の3号リールの箱です。
通常、箱は1辺がつながっているのですが、この箱は重箱のように完全に取り外しができる。
しかも上の箱の裏に上野の忍ばすの池のイラストが印刷されているのが印象的でした。輸出用にことさら和風を強調したのか?


SONYの用途別の化粧箱
●1960年代のSoniテープ・スーパーシリーズ(当時はテトロンベース採用)の用途別化粧箱です。当時のパンフレットによると6種類発売されており画像は『楽器・歌などのレッスン用』です。
 他に『クラシック用』『ジャズ・ポップス用』『邦楽用』『家庭・ビジネス記録用』『外国語の会話、練習用』それぞれに、「それらしき」イラストが印刷されたボックスになっています。

70年代のカセットではクラシック向き、ポピュラー向きといった音質を若干変えた用途別のテープが発売されましたが、このシリーズは、箱だけクラシック用、語学練習用などのイメージとして印刷されているだけで中身のテープは全く同じで、ほとんど意味が無いような気がします(^^;


ホワイトテープ(FUJI)

●名前どおり、磁性面の反対側が白く、タイトルなどの書き込みができるテープです。デザインはFUJIのトリアセテートベースのテープと同じです。

テープ自体の画像や用途は「録音テープのメンテナンスグッズ」をご覧下さい。

[素材]トリアセテート





丸形プラケース入り
●ナショナル・ゴールデンテープ3号プラケース入り。紙ケースに比べ高級感があります。SONYからは四角いケースをそのままプラスチックにしたものが発売されていました。
 対してナショナルは丸形ケースで対抗?丸いため縦置きができず、半透明のフタも若干凸型になっており重ねても置けない。
 したがってあまり普及したようには思えません。私も2回見ただけです。








デモテープ
●オープンリール用のデモテープです。60年代頃は、オープンリール・デッキを買うと、付属品としてついてきました。なぜかというと、殆どの用途は自家録音で、しかもFMやレコードのダビングですから、レコーデットテープが無いと録音機の本当の音質の良否がわからない。

 付属のデモテープを聴くと『あぁ、このデッキは、こんなに良い音なんだ、俺が録音したテープは元の音源が悪いからあまりいい音がしないんだ。』と納得させるため(^^;のものだったんでしょう。
郵送用2号テープの箱

●右画像は左の箱を分解したモノ。テープの箱の裏面が宛先、切手を貼り付けるようになっており、中に2号リールというカセットより小さいサイズのオープンを入れて、そのまま声の便りとして郵送できるようになっている。
詳細についてはこちらの記事をご覧下さい。



[MAIN] [TOP]