内容紹介
1.陣地構築
2.猛爆又猛爆
3.食料欠乏と自給自足の生活
4.餓死、事故死
5.逃亡とコイコイ船
6.陣中友情の便り
7.家族宛の手紙
8.壮絶ミレー島警備指令、志賀正成大佐の自決
私の書評
歩兵第122連隊南洋第一支隊第一大隊内部隊の下士官(陸軍曹長)であった著者の、悪戦苦闘を綴った陣中日誌です。昭和19年9月13日より昭和20年10月13日まで(途中昭和20年1月1日より3月17日までは、爆撃により焼失。)の記録です。
太平洋戦争の南方戦線は、いずこも輸送途絶による食糧事情の悪化で毎日の食事にたいへん苦労されたそうですが、著者の日誌を読むと、多くの餓死者がでたうえに、食糧調達のために盗みが常に発生するなどという常軌を逸した生活をせざるを得なかったことが、ひしひしと伝わってきます。そういった中でも、戦争は最後に日本が勝つと信じて疑わずに上官、兵とともに行動した著者達を批判する事はできません。これが当時では当たり前だったと思います。
それにしても日誌は、ほとんど毎日の事を克明に記録されています。
これをのこした著者の几帳面さはもちろんですが、その真実の記録は貴重なものです。こういう記録を次世代に伝える事が、今一番必要なのではないでしょうか? 多くの人に読んでほしいと思います。
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