第4回 「お弁当を持って高原に」
 「う〜〜ん、いいお天気〜〜♪」
今日は可憐、亞里亞ちゃん、白雪ちゃん、そしてお兄ちゃんといっしょにお外でお弁当をしようということに
なっています♪
学校がお休みの日だけど、今日の可憐はいつもよりちょっと早い早起きさんです♪
朝ごはんを食べて簡単に支度を済ませたあとは、白雪ちゃんのお家に行って今日のお昼のお弁当作りです。
お弁当の材料は、昨日のうちにお買い物を済ませて、白雪ちゃんのお家に置かせてもらっています。
だから・・・あとは白雪ちゃんのお家に行って、みんなでお弁当作りです!

 そして、可憐は白雪ちゃんのお家までやってきました。
玄関のチャイムを鳴らそうとしたその時、白雪ちゃんのお家の前に一台の黒くて大きなお車が止まりました。
しばらくして、お車の中から降りてきたのは、亞里亞ちゃんとお付きのじいやさんでした。
可憐は、亞里亞ちゃんたちのほうに近づいて、朝のご挨拶をしました。
「亞里亞ちゃん、おはよう♪・・・じいやさん、おはようございます!」
すると、じいやさんも、
「これは、これは、可憐さま、おはようございます。・・・さ!亞里亞さまも!」
「・・・姉や・・・おはようございます・・・なの・・・・・・」
うふふっ、亞里亞ちゃん・・・まだ寝むたそう・・・。
きっと、亞里亞ちゃんも今日のことがとっても楽しみで、昨日の夜はなかなか眠れなかったのね♪
そして、可憐たちはいっしょに玄関まで歩いて、チャイムを鳴らしました。
すると少しして、中から玄関に駆け寄ってくる足音がかすかに・・・そしてだんだん大きくなってきました。
玄関の扉がパッと開かれて、
「お待ちしてましたですのー!」
という元気な声とともに、中からエプロン姿の白雪ちゃんが現れました。
白雪ちゃんにも朝のご挨拶を済ませて、可憐たちはお家に上がらせてもらいました。
でも、じいやさんはお家の中には上がらずに・・・
「可憐さま、白雪さま。それでは、亞里亞さまのことをよろしくお願いいたします。
私は、またのちほどお迎えにあがります」
と言われて、お車に乗って行かれました・・・。
そして、可憐たちもエプロンを身に付けてキッチンに入りました。
白雪ちゃんは、もうだいぶお料理の準備が進んでいる最中で・・・
「可憐ちゃん、亞里亞ちゃん。それでは、早速お弁当作りを始めるですの!!」
という白雪ちゃんの掛け声とともに、お料理を始めることになりました。

 今回のお弁当は、可憐に亞里亞ちゃん、そして白雪ちゃんでそれぞれ別々のお料理を作ることになりました。
でも、可憐・・・まだあんまりお料理が上手じゃなくて・・・・・・。
「あっ!あのっ!白雪ちゃん!!お酢の量って、これぐらいでいいのかな〜?」
「あーー!!可憐ちゃん!それじゃ多すぎるですの!」
可憐、やっぱり・・・まだ誰かに教わりながらでないと上手くできそうにないから・・・。
今日は白雪ちゃんたちといっしょにお弁当作りができて本当によかったです!
早くお兄ちゃんやみんなに心からおいしい!って言ってもらえるようなお料理が作れるといいな♪
・・・なんて・・・ね!・・・・・・えへへ
そういえば、亞里亞ちゃんはお料理どうしてるのかな?
「あーー!!亞里亞ちゃん!それじゃ塗りすぎですの!もう少し少なめにしないと垂れてしまうんですの!」
「くすん・・・。だって・・・亞里亞はね〜・・・たくさん・・・たくさん・・・甘いのが・・・だいすきなの!」
うふふっ、ひょっとしたら・・・亞里亞ちゃんも可憐と・・・いっしょかな?

 そうして、ちょうどお弁当ができたころに、玄関のチャイムが鳴りました。
どうやら、お兄ちゃんが来てくれたみたいです♪
「みんな!おはよう!もう、用意は出来てる?」
先に玄関先に向かった白雪ちゃんは、
「あ〜ん、にいさまー!おはようございますですのー!お弁当でしたら、すっかり用意はできているんですのよ!」
その後に可憐と亞里亞ちゃんも白雪ちゃんのあとについていって、
「お兄ちゃん、おはようございます。出かける準備はもう出来てますよ!」
「兄や〜、おはようございますなの〜。亞里亞も・・・準備・・・出来てます」
すっかりお出かけの準備ができた可憐たちを見たお兄ちゃんは、
「よ〜し!それじゃあ、出かけようか!・・・あ!その大きな荷物は・・・お弁当だね!それなら僕が持つよ!」
「いいんですの?にいさま!それじゃあ、お言葉に甘えて、よろしくお願いしますですの!」
うふふっ、やっぱりお兄ちゃんって優しくて頼りになるな〜♪
お兄ちゃんが可憐たちのお兄ちゃんでよかったな〜♪と可憐は改めて思っちゃいました・・・。

 今、可憐たちは亞里亞ちゃん家のお車の中です。
最初は、みんなでお弁当を食べる場所に行くまではどうしようか迷っていた可憐たちでしたが、そのことを
聞いたじいやさんが、
「そういうことでしたら、車を出しますよ!」
と言ってくれたんです。
だから・・・可憐たちは、じいやさんのそのお言葉に甘えて、お車に乗せてもらっています♪
それに外から見ても大きなお車だけど、中も広くて・・・きれいで・・・いろんなものがあって・・・・・・。
可憐・・・すっごくビックリです!!向かい合わせで4人で座ってもとっても楽々で、ジュースを飲んだりおしゃべり
したりして、とても楽しい車中になりました♪

 お車に乗って1時間ほどすると、山あいのとてもすがすがしい高原に着きました。
可憐たちはみんなお車から降りて、おいしい空気をスゥ−っと吸いました。
ここでみんなでお弁当を食べたら、とってもおいしそうです!
でも、じいやさんは・・・
「せっかくの兄妹水入らずなんですから、私はあそこにある喫茶店にしばらくいることにします。
また少し時間がたった頃にお迎えにあがります」
と言われて、サァーとお車を走らせていっちゃいました。
そのあと可憐たちは、ここから見えるあのちょっと小高いところまで歩いていくことにしました。
その間もまたお兄ちゃんがお弁当を持ってくれて・・・・・・ありがとう、お兄ちゃん♪とっても頼りにしています!

 そして、待ちに待ったお弁当のお時間です。
包みをほどいたお弁当箱は、少し大きめの三段のお重になっています。
実は・・・それぞれの段には、可憐が作ったのと、亞里亞ちゃんが作ったのと、白雪ちゃんが作ったのが別々の
お重に入っているんです。
まずは最初に、お兄ちゃんにお味を見てほしいな〜と思って、
「お兄ちゃん、どのお重から食べてみますか?」
って聞いてみました。
すると白雪ちゃんや亞里亞ちゃんも・・・
「さあ〜、にいさま!どのお重から食べていただけるんですの?」
「兄や〜・・・亞里亞もがんばったの・・・食べてみてくれますか?」
うふふっ、なんだかお兄ちゃん・・・ちょっと困ってるみたい♪
「ど、どうしようかな?・・・それじゃあ・・・・・・」

@一段目のお重からもらうね」A「二段目のお重からもらうね」B「三段目のお重からもらうね」
(『お兄ちゃんは、どのお重から食べてみますか?』)
(まえがき)今回は、可憐ちゃん、亞里亞ちゃん、白雪ちゃんの妹たち3人とお兄ちゃん(&じいやさん)が、
      天気のいいお休みの日に、高原にお出かけしてお弁当会を・・・というお話です。
      今回も原作版(G’s連載)をベースにしていて、視点は基本的に可憐ちゃんになっていますが、
      でも、途中で・・・・・・(それは、まだ秘密(笑)
      それでは、どうぞお楽しみください!!