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2008.12.27 (sat)  良いお年を☆
クリスマスの飾りつけ、リースとかツリーとかを片付けていたら
何となく、淋しくなっちゃって

『クリスマスが終わると、淋しいと思うのは、わたしだけかな』
って、海な彼氏にメールしたら

『これからさきもずっと一緒
クリスマスの後もずっとずっと何もなくならないから』

だって・・・何かウレシイね、ホッコリしちゃうね




今年も色々なことがありました

ステキな出逢いもありました

なにより、わたし自身、随分と今の生き方も落ち着いて
安定してきたのかなと思います



今年最後の今週末は、海な彼氏と過す予定です
その後、年末年始は、天使さんと娘たちと天使さんの実家へ
バレ無いように気をつけなきゃね
そんなわたしを楽しめるようになりました

良いお年を☆


来年もより良い年でありますように





 
 
2008.12.26 (fri)  「マヨネーズな想い出」 〜その7〜越冬 と 〜その8〜輪廻(最終話です)
わたしの学生の頃からのお話の続きです

その1 芽吹き は、→こちら
その2 若葉 は、→こちら
その3 花 は、→こちら
その4 果実 は、→こちら
その5 落葉 は、→こちら
その6 枯木 は、→こちら


これまで、ダラダラと書いてきましたが、今回の2話分で一応最後にします






「マヨネーズな想い出」 〜その7〜越冬


松ちゃんの結婚式は、遠く名古屋だった
初めての街で、一人、披露宴が行われるホテルを探した
大きくって、立派なホテルだった
緊張して受付を済ますと、何人か大学の頃の同級生の顔があった
けれど、だれもわたしには声をかけてこなかった

結婚式

披露宴の松ちゃんは、終始笑顔だった
そのお嫁さんも、笑顔だった
大学の時、付き合い始めた彼女だった
ゴールインしたんだね
二人とも、この世の幸せを独り占めしているような笑顔だった
「おめでとう、松ちゃん」
「ありがとうな、遠いトコ、ほんとありがとうな」
久しぶりに見た、わたしへの松ちゃんの笑顔だった
でも、この笑顔は、もうこのお嫁さんのものなんだね

オンナの人のお嫁さん
彼女は、普通に松ちゃんと恋愛をして、普通に結婚をした
そして、普通に手に入れた、松ちゃんの笑顔
それが、普通なんだよね

もし、わたしが、普通にオンナの人だったら
わたしも、普通に松ちゃんの笑顔と、ずっと一緒にいられたのかな

帰り道、ずっとそんな事を考えていた

普通なオンナの人
わたしも、その普通に一歩でも近づきたい
こんなわたし、こんなカラダは、もうイヤだ
そう考え出したら、もう止まらなかった
わたしの中で、ずっと押し殺して、追いやっていたものが湧き出して、それは、もう止めることが出来ないくらいに大きくなって行った



何日も、何日も、眠れなかった
どうしたらイイの・・・
真っ暗な、一人ぼっちの部屋の中
布団の中で丸くなりながら、アタマの中で思いだけがグルグル回って
松ちゃんの優しい笑顔、山の上から二人で見た景色、結局、わたしは松ちゃんと手もろくにつなげなかった
わたしが、普通だったら、オンナだったら・・・
こんな生活は、もう続けたくない
わたしは、もっとわたしらしいわたしで、生きてみたい
でも、それって・・・
全部投げ出して、これまでのわたしの人生全部リセットして
そうすれば、変えられるのかな
わたしのカラダも、生き方も

ホルモンをすればイイんだよね
それって、病院で、やってもらえるのかな
産婦人科に行けばイイのかな、それとも美容外科かな

そうしたら、NHになればイイんだよね
それって、新宿に行けばイイのかな

新宿に行って、何軒も病院に電話したり、尋ねていったり
働けるNHのお店も見つけた
ホルモンの相談にのってくれる病院も見つけた




でも・・・でもね、最後の扉を開けなかった、開けられなかった
悩みぬいた挙句に、闇の中で探し当てた最後の扉
その扉は、その時のわたしにとっては、とても重たくって、開ける力が、全てを投げ出しても開けてしまう程の、その勇気が、無かった


これまで、ずっと一人、憧れだった一人暮らし、確かに自由で干渉が無かったけれど
そこに目的を見失っていた、ココロに広がっていく虚無感
あの時、あの笑顔、松ちゃんと出会うことが出来た、彼が全てだった
でも・・・彼を失ったとき、そこにはやっぱり一人きりのわたしがいた
押し潰されそうな孤独感、それが耐えられない現実として突きつけられた
この先、これまでの人生をリセットして、たとえ女性として生きて行っても
結局は、わたしは一人っきりじゃないの・・・
一人が怖かった、もうこれ以上、一人では生きていけなかった

じゃあ・・・死ぬしかないね
こんなわたし、生きていても仕方ないもん
生きていたって、つまらない、満たされない
だから、死ぬしかないね

行き詰っていた、わたし自身がイヤで、わたしのカラダがイヤで、それでも一人っきりな自分もイヤで
死に方を探し始めていた

越冬








「マヨネーズな想い出」 〜その8〜輪廻


わたしが、全てに行き詰って、死にかたしか考えなくなっていた頃

何気なく、職場で、こんなわたしに、普通に明るく話しかけてくる女の子がいた
何故か、彼女とは、普通に話が出来た
なんでも、話せた
彼女と話していると、気が楽になった

いつも彼女は、会社に、お弁当を作ってきていた
ある日、何気なく、わたしの分もお願いしてみたら、喜んでわたしの分のお弁当も作ってきてくれた
とっても美味しかった

そのお礼に、誘ったレストラン
彼女との初めてのデートだった

会社では、周りにとても明るく振舞っている彼女
でも、わたしの前では、ときにとても淋しそうな表情をする
彼女の、過去を聞いた
誰にも話していない、彼女の辛い過去
大好きだった彼氏と分かれてしまった彼女
彼女は、その彼氏を引きずっていた

そんな彼女、彼女の中にいる彼も含めて、この人と共にいたいと思った
この人となら、わたしもオトコとして生きてきてるような気がした
そして、わたしは一人という呪縛から逃れられる

オトコとして、初めてのコトを、彼女に対して、やってあげた
随分と、ぎこちなかったのかも知れない
彼女と別れてしまった前の彼氏と比べたら、おはなしにならなかったのかも知れない
けれど、わたしにとっては、ココまで生きてきて、全ては始めての経験だった
そんなわわたしを、彼女は、さりげなくリードしてくれた

わたしの中のオンナの子は、隠して、ココロの奥に仕舞い込んで
そんな彼女と結婚をした




松ちゃん、彼との出会い、彼に教えてもらった色々なこと
そして、忘れない彼の笑顔
もうその笑顔は、彼の奥さんと子供のためのもの
この先、決して彼と、わたしの人生の糸は、交差することは無いと思うけれど
わたしには、彼が残してくれた彼との想い出がある
それがあればこの先、生きていけると思う
それは、わたしにはかけがえの無い財産、かけがえの無い彼の笑顔
わたしのココロの中では、ずっとわたしに向けられているから
ただ悲しいのは、大切にココロの引き出しにしまったはずの彼との想い出が、思い出せなくなってきているコト
でも、きっとそれは、ここまでわたしが、まちがいなく歩んでこれた証なんだと思う

松ちゃん、結局、彼がわたしにキッカケを与えてくれたんだと思う
人生を諦めかけたけれど、そんな沈んだわたしだったから、彼女、いまのパートナー天使さんと出会えた
沈んだわたしでなければ、彼女のココロの灯りは感じ取れなかったし
彼女のココロの痛みも感じ取れなかった

運命なんて信じないけれど、全ては繋がっているのだと思う
人生に無駄なことなんて無いんだね
全て、繋がっている
どんなに辛いコトも、死んでしまいたいと思うようなことも
その先に続く物語には、必要なコトなんだね

今でも貰える、松ちゃんからの年賀状
そこにはすっかりパパの松ちゃんが写ってる
その陽だまりのような笑顔の瞳は、あの頃と変らない
わたしのココロの奥にしまってある変らない笑顔
その笑顔は、もう彼の奥さんや、娘さんたちのもの

彼の命が繋がっている、彼の遺伝子がつながれている
人の命が繋がるという美しく、過去から繋がれてきた普遍的なもの
松ちゃんが生まれ、わたしも生まれた、それを繋いでいく
それはかけがえの無い過去から未来へと繋ぐ人の、生命の営み
わたしもね、松ちゃん、ちゃんと遺伝子を繋いだんだよ、繋ぐことが出来たんだよ、こんなわたしでもちゃんとね

そして、いまのわたし、たくさんの想いを抱いて、たくさんのかけがえの無い人たちに囲まれて
愛すべき人、愛したい人、あの頃は伝えられなかった想いを伝えられる人

いまも、これから先も、ずっとあの笑顔と一緒に歩んで行く、ずっと、ずっとね


フライにマヨネーズやドレッシングをかけるたびに想い出す、松ちゃんのステキな笑顔
ありがとうね、松ちゃん

輪廻





最後まで、お付き合い頂いて、本当にありがとうございました

あれ以来、松ちゃんとは一度も会っていません
今のわたしを見たらどう思うだろうなんて、アタマをかすめますが
会うことは無いと思います
松ちゃんは、わたしのココロの中にいるから
その松ちゃんを大切にして生きたいと思います

meru









 
 
2008.12.25 (thu)  「波打ち際の蛍」
ココロに傷をもっていると、その分人に優しくなれる
その傷の分、人のココロの痛みが分るから

島本理生著「波打ち際の蛍」

ココロの中のトラウマ
近づきたいのにそれが出来ない
ココロの痛みが分るから、余計にカナシイ

蛍が言ってくれた事
『どうか自分の正しい価値を知り、自分自身に忠実であってください。
結局、俺たちが帰ることのできる場所はそこにしかないのだから。』
そうだよね


ココロとココロが響きあうコト
そんな関係を大切にしていきたい




天使さんが、読み終えたら、貸してねって
なんか、最近、わたしが読んでいる本に興味を示してくれるんだよね



 
 
2008.12.24 (wed)  Merry Christmas!
メリークリスマス☆

クリスマスイブですね♪

今年もお部屋で一人のイブな夜だけれど、何か淋しくは無いんだ
ココロがホッコリしているの

ココロの中には、天使さんや娘たち、母、お友達、それに海な彼氏・・・皆みんないてくれる
それを感じるコトができるから
だからなんか温ったかなんだよね

メリークリスマス☆


幸多き年が訪れますように

そしてシアワセが続きますように



 
 
2008.12.22 (mon)  三者面談
上の子の学校へ
そう、会社をオサボリしてね
先生との三者面談だって

10:30からというコトで、教室には、まだ生徒さんたちがいて
上の子が、父ですと紹介してくれたけれど、お友達は母親だと思っていたようで
当然、オトコ仕様で行ったのだけれど
あの子的には、変った父親が自慢なようで
でもね、色々と気を使わせちゃってるね

学校


面接自体は問題なく

上の子の学校関係は、すっかりわたし担当なんだそうですw



 
 
2008.12.21 (sun)  娘たちな誕生日☆
20日、21日と連続での娘たちの誕生日で
毎年の事だけれども、続けてのケーキとご馳走で
それと、お誕生日プレゼントも
当然、クリスマスとは別なわけで

お財布もきつかったけれど、お腹にもキツイ週末で

親戚の子の2歳の誕生日ともダブりです


昼間は、上の子と一緒にショッピング♪
あの子がデートの時に着たい服のコーディネート
茶色のブーツに合わせるスカートはとか
白いダウンの中に着るトップスはとか
わたしの方が天使さんより真剣に相談に乗ってくれるって
やっぱりあの子も彼氏が出来ると、オンナの子らしいお洋服を選ぶようになるね

あとは、天使さんへのクリスマスプレゼントを一緒に選んで
カワイイリングのピアスを購入v
あの子のピアスと、下の子のネックレスも買いましたよん



さて、明日からダイエットねw ありゃ!





 
 
2008.12.19 (fri)  「マヨネーズな想い出」 〜その6〜 枯木
わたしの学生の頃からのお話の続きです

その1 芽吹き は、→こちら
その2 若葉 は、→こちら
その3 花 は、→こちら
その4 果実 は、→こちら
その5 落葉 は、→こちら






「マヨネーズな想い出」 〜その6〜枯木

一層、わたしは殻に閉じこもった
気付いたら、一人だった、一人ぼっちの自分がいた
入学して、まともに話を出来たのは、松ちゃんだけ、その彼がいなくなった世界は、ただ突然にわたしの前に現れた
彼が、そう松ちゃんが、そこにいてくれたらそれだけで良かった、そんな生活は突然に途絶えて、わたしは、ただ一人取り残された
もう、松ちゃんのクルマの助手席は、わたしの指定席では無いんだな・・・



松ちゃんとの溝は、ますます広くなって、松ちゃんとの会話も、日々少なくなって行った
松ちゃんは、修士課程に進むと言っている
わたしも、松ちゃんと一緒に修士課程に進もうと、考えていた
でも、あと2年以上も、松ちゃんと一緒にはいたくなかった、いられなかった
彼女と幸せそうな松ちゃん、その笑顔を、わたしは見ていられなかった

ただそれだけの理由で、突然、わたしは就職活動を始めた
遅れて始めた就職活動だったし、人と話すことの苦手なわたしは、ことごとく会社の面接を落とされた
教授にも
「君は、何故、修士に進まないのか」
と聞かれた
成績もよく、研究職希望のわたしは、修士に進んだ方が、よっぽど条件は良かったのは分っていた
けれど、松ちゃんと同じ修士には進みたくなかった
もう、松ちゃんの傍にはいられなかった

夏休みももう終わりと言う頃、ようやく一つの会社の内定がとれた



わたしは、大学を卒業して、松ちゃんは大学に残った
わたしは、一人、大学の卒業式に出席した
修士課程に進んだ松ちゃんは、当然そこにはいなかった
4年前、母と合格発表を見に来たキャンパスを、一人ぼっちのわたしが卒業した
笑顔の同級生の中、わたしは誰とも話す事も、声をかけられることも無く、その場を立ち去った



アパートを引き払う時、洗濯機を置いて行った
「これ、くたびれちゃったけど、置いて行くね」
「ありがとうな!あっちに行っても連絡くれや」
わたしに笑顔で言ってくれた
前と変らない笑顔、でもその笑顔の、その明るさの元はわたしではない
「松ちゃんも元気でね」
これで、松ちゃんの顔を見るのも最後なのだと思った
松ちゃんの笑顔が見たくって、最後だろう笑顔をココロ焼き付けておきたくって
わたしは、精一杯の笑顔を作った
最後の笑顔の瞳が光っていた、その瞳は、わたしのココロに、ココロの奥の引き出しにそっとしまった
『サヨウナラ、松ちゃん、ありがとうね、わたしにいろんな事、教えてくれて・・・』
それは、言えなかった
サヨウナラは、それだけはコトバにすることが出来なかった





会社に就職して、わたしは初め会社の寮に入ったけれど、自由が利かないし
プライベートも無かったので、早々にアパートを探して借りた
会社での生活は、馴染めなかった
職場でも、同僚とも
地獄のような現場の研修も終わり、希望通り、研究開発に配属された
研究職では、仕事に没頭した
実験、開発の日々
人と接するのは最小限で済んだ
ようやく会社での生活にも慣れたころ、結婚式の招待状が届いた
松ちゃんの結婚式だった
ようやく、松ちゃんのコト、思い出さなくってもよくなったのに・・・

迷ったのだけれど、わたしは、出席に丸をして返信をした
そして、礼服のスーツを初めて買った

枯木





で、またまた続いたりしちゃいます

続きは、

〜その7〜 越冬

です☆




 
 
2008.12.17 (wed)  「マヨネーズな想い出」 〜その5〜 落葉
わたしの学生の頃からのお話の続きです

その1 芽吹き は、→こちら
その2 若葉 は、→こちら
その3 花 は、→こちら
その4 果実 は、→こちら



「マヨネーズな想い出」 〜その5〜 落葉


松ちゃん、彼の顔には傷がある
鼻の下から上唇にかけて、はっきりとそれと分る傷跡
彼も、その傷跡について何も言わなかったし、わたしもどうしてその傷が出来たのか、聞いた事が無かった
ただ、そんなこと聞く必要も感じたことは一度も無かった
そう、それは松ちゃんのオリジナリティーだから
それをあえて隠す必要も無いし、聞く必要もない
ずっとそう思っていた

松ちゃんは、わたしには、他の人に見せる怖い表情は決して向けなかったし
わたしに対しては、とても気を使ってくれたし、優しくしてくれた
いつしか、そんな彼に、わたしは、甘えてしまって我侭になっていたのかも知れない
けれど、そんな彼との関係は、ずっと続くものだと思っていた
卒業という日が、そう遠くはない、将来に来て
それで終わりかなとは、漠然と考えてはいたけれど、それは、ずっとずっと先のコトで
わたしと松ちゃんのこんな関係は、まだまだ続くものだと、ずっと思っていた
いや、ただそう思いたかっただけなのかも知れない


でも、卒業の随分と前に、その日は、やってきた
4年になって、同じ研究室に進み、研究室での実験が遅くまでかかり
夕食を、学食の食堂で取ることが多くなっていた
そんある日、いつものようにわたしと松ちゃん、二人で学食で夕食を食べていた
何気ない会話だったのだと思う
いつものように、わたしが話していると
突然、松ちゃんが怒り出した
「もう、ええ加減にせい!いつも、そうして皮肉ばっかりや!」
松ちゃんの顔は、これまで決してわたしには向けられる事の無かった怖い顔だった
彼の優しさ、気遣いに甘えすぎて、いつしかわたしは我侭で、ときに皮肉屋になっていたのかも知れない
「ご、ごめん」
わたしは、松ちゃんのその表情を見て、何も言えなくなっていた
その日は、一人、アパートまで歩いて帰った
ただただ脚を進め、アタマの中は真っ白だった
その道のりがひどく遠く感じられた
わたしに決して向けられることの無かった、怖い松ちゃんの顔がわたしのアタマから離れなかった



わたしは、既にそれに気づいていたのに、それをただ、感じたくなかったのかも知れない
それが、そう感じる事が、本当になってしまうのが怖かったのかも知れない
いつもと変らぬ松ちゃんの笑顔、でもその瞳の向こうに感じる影
優しく話しかけてくれるそのコトバの端々に感じる遠い言い回し
何気ない仕草に感じる何処と無い距離感
変ってきている松ちゃん
わたしと、松ちゃんの間に感じてしまう溝
それは微かだったのに、次第に感じたくないのに感じてしまう程のハッキリとした溝になっていった
だから、わたしはその溝を埋めたくって、ただ離れてしまうのが怖くって
余計に甘えて、素直になれなくって、ときに皮肉屋になってしまったのかも知れない



翌日、松ちゃんに笑顔で
「きのうは、悪かったな、俺が、言いすぎやった」
と謝られた
「ううん、わたしが、悪かったから」
松ちゃんとの会話は、何処かぎこちなかった

それから、もう松ちゃんのクルマで、大学へ行くことも無くなった
変らず、松ちゃんは、一緒に行こうと誘ってくれたのだけれど
わたしは、一緒に行く気にはなれなかった
彼の怖い顔を思い出してしまうと、何故か距離を置いてしまっていた
恐れていた松ちゃんとの距離感、それは否定できないハッキリとした溝となって
そこに、わたしと松ちゃんとの間に横たわっていた

ちょうどその頃、松ちゃんに彼女が出来たと言う、うわさを聞いた
実際に、松ちゃんからも、嬉しそうな笑顔で、彼女の話を聞かされた
「そう、よかったね」
その言葉とは、裏腹に、わたしのココロは淋しさでイッパイだった
ココロが張り裂ける、音を立てて破れてしまいそうな、でも、それを彼の前では表情に出せない
『素直になるから、もう甘えたりしないから・・・わたしからハナレナイで、イッテシマワナイで・・・』
言えなかったコトバ
アタマの中が真っ白になっていく、わたしのココロが壊れていく
どんなに、わたしがココロの中で叫んでも、泣きわめいても、それは松ちゃんには届きようもなく
また、届ける事もできなかった
二人の間の溝は、もう修復しようもなく、ハッキリと二人を分け隔ててしまったように感じた



落葉





で、またまた続いたりしちゃいます

続きは、

〜その6〜 枯木

です☆



 
 
2008.12.13 (sat)  杜なイルミネーション
もうこれで、杜なイルミネーションのトラウマは癒えたのかも

イルミのトラウマ

3年前、一人で歩いた光の並木道、降るような光が涙でかすんでいた
家族の事も、自分のコトも、全てがもう限界だったあの時
わたしには、凛とした冷たい空気の中で、キレイ過ぎる光の並木が、ただ眩しくって
周りの笑顔の中、わたしダケが孤立しているように感じちゃって
もう、この光の中でシアワセを感じる事など無いのだと思っていた

でも、3年目のわたし
そこには、笑顔のわたしが、いられた
3年前とは違いスカートも、お化粧もしていなかったけれど、ココロから満たされたわたしがいた

天使さんと、娘たちと歩いた、光の並木道、杜なイルミネーション、光のページェント
純粋にキレイなものに感動し、それをみんなで感じ、素直に笑顔になっていた

光のページェント

来年も、また来ようねって言ってくれた
わたしの好きな街、杜の都
こうして、毎年、来れるとイイね



 
 
2008.12.12 (fri)  脚脱毛
ついに脚脱毛デビュー☆

それにしても、お高いのね
両脚のレーザー脱毛をやろうと思って
色々探してみたけれども、何処も高くって
たまに妙に安いクリニックがあったりしたけれど
安すぎるのも心配で、それなりのところで申し込んじゃった

それで今日は、その初日
ハ、平日ですね
この日しか、予約が取れなかったし、まぁ、会社はね何とでもなるし
すべては、わたしの脚優先というコトで

いや、都会の脱毛はすごいのね
3人がかりで、機械を2台使ってたよ
でも、やっぱり痛くって、脚がピクピクしてた
横にされたり、裏返されたり、人も機械も使って時間が掛っていたから高いわけだね

病院だったので、男性というコトで申し込んだけれど
担当は、女性限定がイイですねって気を使ってもらって
その担当さんに、脚が長くってキレイですねとか
メチャメチャ若く見えますねとか
まぁ、気分もよくなって
すっかり乗せられていたわたし
乾燥肌というところは、しっかりチェックされていたけれど

で、効果の程は・・・
あまり、変らないような、チョット不安だったり
ソイエくん、卒業できるのかしら
次回は、2ヵ月後だって


うちネコが可愛かったので、じゃれてみたり





 
 
2008.12.11 (thu)  「マヨネーズな想い出」 〜その4〜 果実
わたしの学生の頃からのお話の続きです

その1 芽吹き は、→こちら
その2 若葉 は、→こちら
その3 花 は、→こちら



「マヨネーズな想い出」 〜その4〜 果実



二人で一緒に、クルマの免許を取ることになって、というのも
2年生になって、松ちゃんに取ろうよって誘われたのだけれど
大学のキャンパスのあった街中のクルマの教習所へ、松ちゃんと二人で通いだした
松ちゃんは、すぐに次の教習課程に進むのに、わたしは、なかなか進めなかった
ここでも半クラッチ、アクセル、シフトレバーという複雑な動きに悩まされた
結局、免許が取れたのが、わたしの方が、2ヶ月くらい後になった

松ちゃんは、400ccのバイクを売ってしまい、安い中古の軽自動車を買った
わたしの赤いスクーターの出番は殆んど無くなっていった
そのかわり、松ちゃんの軽自動車の助手席が、わたしの指定席になった
ドアをトントンとたたき、「行くで〜」
それが、松ちゃんの朝、大学へ行くときの合図だった
それからわたしは、鏡の前で、服装をチェックしたり、髪を直したり、
だから、いつも、わたしは、松ちゃんの合図から2,3分してから、表に出て階段を下に降りて行った
いつも松ちゃんは、クルマの中でタバコを吸って待っている
「いつも、ごめんね〜」
「ほな行くで〜」
松ちゃんは、いつもわたしが待たせていることなど気にもとめていない様子だった



アパートの部屋は、1DKで、小さな台所があった
小さいながらも自分のお台所、それが嬉しかった
自分のキッチンに立って、誰かのためにお料理をするのが夢だった
わたしがまだ小学生の頃、母と一緒に台所で、お料理するのが楽しかった
けれど、ある日、オトコが台所に入るものじゃない!と父に一喝されてからは、台所は遠い存在となっていた

近くのスーパーに歩いて行って食材を買い込み
料理の本を片手に、色んな料理に挑戦するのが日課となった
スーパーで食材を選び、それを自分のキッチンでお料理する、食べてくれる人のコトを思いながら
そんな自分が、楽しかった
うまく出来ると、
「これ、あまったから、良かったら食べて」
って、松ちゃんのトコに、持って行った
一緒に食べようとは、何か恥かしくって言えなかった
そういえば、わたしの料理に、松ちゃんから、決して美味いなぁ〜という言葉は聞いたことが無かった
たしかに、殆んど初めて作るわたしの料理は、美味しいという代物ではなかったのかも知れない
ただ、松ちゃんは、料理の器を返してくれなかったので、わたしが、たまに回収に行く必要があったのだけれど

アパート



松ちゃんは、タバコをよく吸う
わたしも、吸ってみなくなって、吸った事があった、けれど
タバコは、気持ち悪くなって、ダメだった
ただ、松ちゃんのしているコトと同じ事をしたかった
そう、同じ世界の住人でいたかった
松ちゃんは、マージャンもした
わたしにも、教えるからやろうと誘われたのだけれど、これはしたくなかった
だって、松ちゃんと二人っきりでは無くなるから
だから、松ちゃんがマージャンに出かける日は、淋しかった



大学の研究室、松ちゃんとわたしは、同じ研究室に進む事を決めていた
その研究室に入る前の夏、研究室で合宿があるというので、まだ3年のわたしたちも
行かされる事になった
大学から少し離れた高原で、テニスをやると言う
わたしはそれまで、テニスなんてやった事が無かったから
松ちゃんに教えてもらった
彼は何でも上手に出来た
わたしは、ラケットにボールが当たらないか、当たっても何処か見当違いのところにボールが飛んで行ってしまった
わたしは、ほとほと運動音痴だった

合宿当日、その高原へは、松ちゃんの軽自動車で、わたしと松ちゃんと二人で行った
高原への坂道、松ちゃんのクルマは、止まりそうな速度で、坂道をノロノロと登って行った
「登りきれるかな」
「きっちぃな〜、もうアクセルべた踏みじゃ!」
「止まったらどうしよ」
「そしたら、俺が降りて押すから、自分、ハンドル握ってくれや」
「え〜わたしが押すよ」
「ムリだろ自分、押したってクルマ進まへんじゃろ」
「あ〜そうだね」
わたしの貧弱さは、言わずとも分ってくれている
合宿は、大学の高原にある寮で行われる事になっていて、なんとかそこまで辿り着いた
さっそく、わたし達は、泊まる部屋に通された
そこは部屋と言うより、大きな広間だった

合宿のテニスは、わたしにとって、退屈極まりないものだった
何しろ、わたしとやるとまるでボールのラリーが続かず、だれも相手にしてくれなかったのだから
そんなわたしは一人、ぼうっと、他の人がやっているテニスを見ていた
そんなわたしに、松ちゃんが
「自分、暇そうじゃな、ちょっとドライブでも行こか」
「え、でもまだ先輩達テニスしているよ」
「かまへん」
そう言いながら、松ちゃんは、先輩達に見つからないよう、そうっとテニスコートから抜け出し
わたしをドライブに連れて行ってくれた
松ちゃんは、その高原より更に標高の高い、山の上を目指した
ノロノロとあえぎながら、松ちゃんのクルマは山の頂上に登った
頂上の駐車場に着くと
「気持ちええなぁ」
「うん」
「あそこ、山頂やろ、あそこまで行こうや」
松ちゃんは、駐車場から見える山の頂上を指差していた
歩き出した松ちゃんの後ろを、ただ付いて歩いた
瓦礫の山道は、歩き難かったし、空気が薄く感じられ、息が切れてきた
「松ちゃん、ちょっと待ってよ、疲れた」
「よわいなぁ、ほな、ココで少し休憩しよか」
ぬけるような青空だった
下界が遥か遠く見渡せた
登山道脇の岩の上で、松ちゃんと二人、ずっとその景色を眺めていた
駐車場で買ってきた缶ジュースがまだ少し冷たくって、乾いたノドにしみた
今頃は、まだ、先輩達みんなテニスをしているのだろうか
わたし達が抜け出したということが、見つかって騒ぎになっていないだろうか
でも、松ちゃんとこうして二人でいられれば、それでイイと思った
ずっと、ずっと、この時間が続けばイイと思った
二人の足元に広がる、遥か遠くに見える世界
それは、ここからは限りなく遠い別の世界のようで、この大きな空の下、そんな限りなく小さな世界での出来事など、もうどうでもイイ些細なコトの様に思えた
二人、何も話さず、その景色に圧倒されていた
明るく、際限なく降り注ぐ太陽の光が、眩しいくらいに松ちゃんとわたしを照らしていた
二人の世界が、下界から切り離され、そこに流れる時間は止まったように二人をずっと包んでいた

隔絶された世界

結局、そこから山頂は目指さず、引き返すことにした
わたしが体力的にムリだろうと、松ちゃんが考えてのことだった


果実





で、またまた続いたりしちゃいます

続きは、

〜その5〜 落葉

です☆


 
 
2008.12.10 (wed)  送別会 de
あまりにもあっけなかった
もう、自分でも驚くくらいに

一番可愛がっていた、同じ職場のオトコの子
この職場で、唯一わたしのコトを知っている子

異動の話が突然だったし、あまりにもあっけなくいなくなっちゃった

今日で、その子は、こちらの職場に出社最後

だから今日、あの子は、挨拶に回っていた
最後に、わたしのところにもきて挨拶をしていった
「お世話になりました」
「あっちでも頑張ってね」
ありきたりの挨拶
なんか、淋しいね
そういえば、メアドを交換していなかったねって
メアドの交換をした
たまには、連絡頂戴ね!



昨日の送別会も、あっけなかったね
普通に、淡々と
他のみんなの手前、変に悲しむわけにもいかないしね


そうそう、その、送別会で
おトイレに、行ったのだけれど
そのお店、男子用、女子用が、それぞれ一人分しかなくって
わたしが、男子用のトイレのドアを開けて入ろうとしたら
後ろから、他のオトコのお客さんに睨まれちゃった
どうやらその人も、おトイレに入りたかったらしくって
おトイレで、お化粧直しとかもしたかったのに、早々に出てきちゃった
出てくると、そのオトコの人、ドアの目の前で仁王立ちで立っていて
すみませんって頭下げたんだけれど、また睨まれちゃって
レディースの服装で、普段の会社メークもしていたから、どちらに入るか迷ったのだけれど
会社の人もいるし、男子用に入ったの・・・
男子トイレで、驚かれたりするのは慣れていたけれど、睨まれたのは初めて

ま、あの子の送別会には、関係のない話だったんだけどね


おトイレ困った!




 
 
2008.12.09 (tue)  海な街の笑顔の残像
先週末、海な街で、彼に、「じゃあ、またね!」って言ったとき
「夕食でも、一緒に食べようか」って、誘われたけれど
「遅くなるから」って、帰ってきちゃった
本当は、ずっと、一緒にいたかったのにね

笑顔で手をふってくれた彼、わたしも精一杯の笑顔でこたえた
ここで、じゃあまたって言いたくない
ずっと、一緒にいたい
そんなコトバを、ココロの奥にしまって

海な彼の、海の街
初めは、海が近くで、磯の香りがして
緑が多くって、太陽が近い街だなって思っていたけれど

何回か行くうちに、そこのスーパーでお買い物をしたり
街の中をゆっくり歩いたり
この街の、空気、生活の雰囲気を感じてくると
この街に、愛着を感じてくるのは何故だろう
あたたかいものを感じてしまうのは何故だろう

海な彼のマンションからの眺め
海が見えて、山の緑が見えて
そこには、海な街の景色がしっかりとあって
あたたかい街、彼の街の中にいるコトを、感じられた

海な街


ずっと、ココにいたい
ココで暮らしてみたい
そうしたら、もう充電なんていらない
笑顔の残像をココロに焼き付けることもいらない

・・・そんなこと、思っただけ
彼の部屋からの景色を眺めながら
ココロの中で、思っただけ、そう、ただそれだけ




 
 
2008.12.08 (mon)  「リトル・バイ・リトル」
どんなに外側から見たら苦しい状況でも、
人と人が一緒にいてお互いに楽しく生きようと思うことで、十分に幸せになれること

島本理生著「リトル・バイ・リトル」


前を向いて、生きる
楽しく生きようとする
本当にそうだよね、それだけでシアワセになれるよね

過去の想い出に拘らず、この先の楽しいコト、それをココロに刻んで生きて行く
お互いに楽しく生きようと思いながら、少しづつ進めたのならそれでイイんだよね

まだ、物語は始まったばかりなのだから





 
 
2008.12.07 (sun)  元気の充電
金曜の夜から、さっきまで、まる二日間、海な彼と一緒だった

海な彼とその子くんと3人で、今シーズン始めての、スキーに行ってきたの

かわるがわる運転して、白い世界まで
夜中じゅう、彼とドライブ
その子くんは、後ろの席で、グッスリ
見えるのはライトに照らされた高速道路だけ
運転席と助手席の、彼とわたし、そこは二人だけの世界だね
たくさんお話できたね
たまに、わたしが助手席で、寝ちゃって、でも安心できる
わたしが、運転しているとき、彼が寝ちゃっても、なんか、あったかになる
疲れた彼が、隣で寝息をたてている、たくさん休んでね、わたしも安まるから

スキー場は、白銀の世界
12月初旬にしては、コンディションが良すぎるくらい
3人で一緒にリフトに乗って、3人で一緒に滑って、3人で一緒にゲレ食でお食事して

ゲレンデは、吹雪いてて寒かったけれど
彼と一緒にいれて、ただそれだけで良かった
わたしが、手が冷たいって言ったら、彼のウエアのポケットでわたしの手を暖めてくれた
ポケットの中で、握られた手、彼の温もり
伝えられた彼の体温、ココロまで温かくなったよ

彼との思い出、たくさん作って、たくさん充電できた
今度、会えるときまでの元気
それが、切れてしまわないように

彼に、「じゃあ、またね」って精一杯の笑顔で言った後の、帰りのクルマの中
もう、彼に会いたくなっているわたしがいる

白銀の世界



最近のわたし、海な彼から一日メールが来ないだけで、すごく不安になる
送ったメールを何度も見直したりして
ただ、お仕事で忙しいだけなのにね
心待ちにしていた彼からのメール、読みながら涙が流れていることもあるのに
彼には、平気なフリをしている
こんなに淋しかったのにね

こんどは、何時、彼と会えるのだろう
元気の充電が、切れてしまわないうちに





 
 
2008.12.04 (thu)  「マヨネーズな想い出」 〜その3〜 花
わたしの学生の頃からのお話の続きです

その1 芽吹き は、→こちら
その2 若葉 は、→こちら



「マヨネーズな想い出」 〜その3〜 花




午後のまどろみの中、いつものように松ちゃんの部屋で、わたしは、地元の情報誌を見ていた
何もしない午後、こうして松ちゃんと二人、松ちゃんの部屋でマッタリしているのが居心地が良い
情報誌には、美味しそうな食べ物屋さんの写真がたくさんのっていた
そこに高さ3、40cmもあるパフェの写真が出ていた
「これ大きいね、食べてみたいな」
「おう、どれ、隣町やないか、ほな、ちょっと行って見るか」
「え、これから行くの」
「イイやん、暇やし、バイクでツーリングがてら」
そうこうしているうちに、ヘルメットを持って出ようとしている松ちゃん
わたしは、あわてて追いかけた
松ちゃんの400ccのバイクを、わたしの赤いスクーターが追いかけた
松ちゃんは、わたしのスクーターと走る時は、いつもゆっくり走ってくれた
松ちゃんは、いつもわたしに合わせてくれた

その喫茶店に着くと、松ちゃんは、コーヒーだけ注文した
わたしだけ、大きなチョコレートパフェを注文した
「え、松ちゃんは、パフェ食べないの」
「俺は、いいんや」
そのパフェは、小さなオモチャの汽車に乗って出てきた
「え〜、食べきれない」
想像より大きなパフェだった
結局、二人でパフェをつついて食べた
オトコ二人でパフェを食べているのは、他にはいなかったけれど
松ちゃんは、そんなこと、一切気にしていないようだった
「美味しいね」
わたしは、そのパフェが美味しいというより、
一つのパフェを二人で食べているという、どことない恥かしさ、その何とも言いようの無い、不思議なシアワセという感覚に満たされていった
そんな、自分がよく分らなかったけれど、ただ、嬉しかった

松ちゃんには、いろんなところに連れて行ってもらった
その殆んどが、わたしには、初めてのトコロばかりだった
生まれて初めて、パチンコ屋さんにも連れて行ってもらった
「自分、パチンコ初めてなん」
「うん、行った事ない」
「ほな、教えたるから」
松ちゃんについて、パチンコを打った
たまにフィーバーするのが面白かった
けど、なんか、怖い雰囲気だねって言ったら
その後は、パチンコには行かなくなった
松ちゃんは、わたしがイヤということは、決してしない人だった

オトナな雑誌や、マンガ、ビデオも、初めて、松ちゃんのところで見た
「すごいの借りてきたで、一緒に見ようや」
「う、うん」
ビデオはおろか、テレビさえ、わたしの下宿には、無かったので、松ちゃんの部屋でもっぱら見ていた
こういうの初めて、とも言えず、知っているそぶりでわたしも、見ていた
オンナの人が、オトコの人に抱かれて、全てさらけ出してあえいでいた
「うわ、えぐいなぁ〜」
「・・・」
ただ気持ち悪い、わたしは、そう思っただけだった

バイクや、バイト、オトナな経験も、ただ、わたしは松ちゃんと同じコトをしていたかったから
松ちゃんの後を追って、何でもやってみようと思っていた
同じことをして、同じ喜びや楽しみを味わいたい、その感動や感激を分かち合いたい、共有したい
そう、ただ、それだけだったような気がする

1年生も終わると、2年生からは、教養部から専門学部へ移るので、電車で2時間近くかかる街へと引越しが必要だった
松ちゃんとわたしは、同じアパートの2部屋を借りることを決めていた
「アパート探し、どないするん」
「そうだね、そろそろ始めないといけないね」
「俺のバイクに一緒に乗って行こか」
「え、いいの」
「自分、電車で行っても、あっちで足がないやろ」
「うん、バイクがあれば、便利だけど、、、」
「ほな、一緒に乗って行こうや」
松ちゃんのバイクの後ろに乗って行く、順調に行って一時間半はかかるかな
松ちゃんのバイクの後ろに乗るのは初めてだった
なんか、胸がドキドキした
前の晩は、ヘルメットの中にニオイがこもらないよう、デオドラントスプレーをヘルメットに吹きまくっていた
そして、まるで遠足前の子供のように、なかなか寝付けなかった

アパートを探しに行く当日、心配していた雨はなく、何とかお天気は持ちそうだった
松ちゃんのバイクの後ろに座り、ココに足をかけてと言われた所に足を乗せた
不安定だったので、手を遠慮がちに松ちゃんの腰にあてた
そうしたら、わたしの手を持って、松ちゃんのお腹の前まで引っ張られた
「ココで、しっかり握って、バイクの動きに合わせて、荷物のようにしといてな」
「う、うん」
ヘルメットを通したこもった声が聞こえた
手を松ちゃんのお腹の前で握っていたので、わたしが松ちゃんの背中に抱き付いているような格好になった
恥かしかったから、なるべくカラダを離したけれど、どうしても、背中についてしまう
松ちゃんの背中がとても広く感じられた
松ちゃんの匂い、温もり、松ちゃんにオトコの大人の人を感じた
目的の街まで、ただ、バイクのエンジンの響きと、風を切る音だけが、二人の世界を支配していた

何件か不動産屋さんを回って、隣同士で借りれる部屋を探した
大学から、街とは反対方向だったけれど、比較的新しくって、並びで2部屋が空いているアパートが見つかった
家賃が安かったこともあって、そこに即決した

引越しというほどの荷物もなく、家のクルマで充分の引越しで済んだ
アパートに来てから、新しく洗濯機と冷蔵庫を買い揃えた
外階段を上がって、手前が松ちゃんの部屋、そして奥がわたしの部屋
特に話し合ったわけでも無いのに、何となくそうなった
洗濯機は外に置くようになっていた
わたしが洗濯機を買ったので、松ちゃんは、わたしの洗濯機を借りて使いようになった
「洗濯機借りるで〜」
そいうと、ガラガラと洗濯機が回る音がした

花





で、またまた続いたりしちゃいます

続きは、

〜その4〜 果実

です☆




 
 
2008.12.03 (wed)  いなくなっちゃう…
わたしの今の職場で、唯一わたしの事情を知っているオトコの子
その子がね、異動なんだって

来週から、いなくなっちゃう

なんか、淋しい

仕事の出来る子だったから、仕方ないね
応援してあげなきゃ



でも、でもね、また、会社へ行きたく無くなっちゃいそう ほぇ


雪の季節





 
 

日々日記 by Small Ocean