塾生を募集するのには教育課程の資料が必要だが、公表されていない。教育課程を示さずに入塾者を募集したのだろうか。 | |
閉館時に発行された「杉並師範塾の歩み」という資料で、教育課程がようやく分かった。 |
「杉並師範塾の歩み:第4期生(平成21年度)養成内容」 ■受講記録その1 『大学(Great Learing)』は、儒家思想の基本教典とされる四書五経の最初に位置づけられるものです。江戸時代まで、武家も町人も、学問の扉を叩くものがまず、出会うのが『大学』であったとのこと。かといって、けっして入門書であったわけではありません、初学の者から学者に至るまで、その時々に課題を胸に、何度でも読み込むことが出来る汎用性が『大学』の魅力でもあります。 授業は、全員での素読から始まります。寺子屋に集った学童よろしく、全員が声を揃えて、朗々と読み上げていきます。中国古典の多くは、素読を前提に書かれているのか、文章は韻を踏み、語調が整えられたリズミカルなものです。声を合わせるためには、他者のスピードや呼吸を計らねばならないので、受講者全体の協働作業でもあります。 |
本の黙読・朗読は効果のある教育方法の一つであるが、筆記試験などを併用しないと、本当に理解したのかどうかは分からない。 |
■受講記録その2 田口さん(注:講師)は言います。『大学』の大意は、冒頭の一言で言い尽くされている、と。大学の道は、明徳を明らかにするに存(あ)り、民に親しむに存り、至善に止まるに存り。いきなり結論を言い切っています。大いなる学びの道は、1)明徳を明らかにすること、2)民に親しむこと、3)至善に止まること、この三つの実践の中にある。(中略) 『大学』の冒頭部分は、次のように続いていきます。「止まるを知りて后(のち)定まる有り、定まりて后能(よ)く静かなり、静かにして后能く安し、安くして后能く慮り、慮りて后能く得(う)。物に本末あり、事に終始あり。先後する所を知れば則ち道に近し。自分を律し続けることで目標が定まる。目標が定まれば静謐な心を持てる、静謐な心は安定をもたらす。安定した人は他者に配慮が行き届く。他者に配慮すれば得るものも多い。全ての物事には全体像と順序がある。そのメカニズムを知ることで世の中の道理が見えてくる。」 「かくすれば、こうなる」という因果展開を繰り返す、中国古典ならではの心地よいリズムに乗りながら、最後の名調子に至ります。「物に本末あり、事に終始あり」この世の「物事」の本末と終始をわきまえること、つまり道理を形成するメカニズムを知ることが、Great
Learingのゴールだと結んでいるのです。 |
学ぶことが主題であり、学ぶ主題(subject)や教えることが希薄である。 | |
『大学』を読んで基本を修得しても、教育理論や教育方法論という橋渡しがないと、応用は勘と経験に頼ってしまう。教育学部の卒業生や会社員は教育理論や教育方法論をろくに学んでいないのである。 |
■その3 『大学』には、「三綱領」の下に、「八条目」と言われる八つのキーワードがあります。 「格物」「知致」
「誠意」「正心」
「修身」「斉家 」
「治国」「平天下」 物格(ただ)して知致る。知致りてのち意誠なり。意誠にしてのち心正し。心正しくしてのち身修まる。身修りてのち家斉(ととの)う。家斉ひてのち国治まる。国治まりてのち天下平らかなり。 「格物」とは、当事者意識をもって物事に向き合うこと。「知致」とは、人間の叡智を極めること。当事者意識をもって物事にあたれば、自ずと知恵が湧き出てくる。それが人間の叡智である。そんな意味になるでしょうか。「誠意」とは、こころの声に誠実になること。「正心」とは、こころの中に基軸を持つこと。「修身」とは、自身の身を修めること。叡智を極めていけば、おのずと自身のこころに誠実になれる。こころに誠実になれば、揺るぎない基軸が形成される。こころに基軸がある人は、自然と身も修まってくる。借りものの知識・理論に頼り過ぎず、当事者意識をもって事象に向き合い、叡智を絞って考え抜くことが、自分の内面を鍛え、価値観の形成に繋がっていくという『大学』の根本思想がよく伝わる文章だと思います。 |
児童のことは分かっても、教員がどうすべきかは分からない。患者のことは分かっても、医者がどうすべきかは分からないのと同じである。 | |
最終的に受講者は、「大学」の知識なり、それが教える態度成績を修了できたのか? | |
米国軍の教育体系開発(ISD)マニュアルや教官マニュアルの方が、グローバル標準の教育学術が結集されている。 |
米国国防総省教育体系開発(ISD)ハンドブック2001年版
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1.範囲 2.適用文書 3.定義及び略語 4.ISDの管理職向け要約 5.ISD計画プロセス 6.ISD分析プロセス 7.ISD設計プロセス 8.ISD開発プロセス 9.ISD実施プロセス 10.ISD評価プロセス (全体で283ページ) |
米国海軍教官マニュアル1992年版 |
1.海軍の訓練 2.海軍の教官 3.動機 4.学習の原理 5.効果的なコミュニケーション 6.教授方法 7.学習目標 8.試験 9.教材 10.教官評価 (全体で134ページ) |
2007/1/27「杉並師範塾の実態」杉並師範館は儒教道徳復古塾(個人ウエブサイト) ◆日曜日には「孟子」の講習 これを保護者に見せましたら、「えーっ」とびっくりしてましたが、「これ、いまの『師範館』の教官心得ですか」と。これを読むとですね、いかに時代錯誤の内容を杉並区は行おうとしているのか。 ◆「塾生」もぽろぽろと… とにかく行き当たりばったりで、全体がどう変わるかによって、変わっちゃうわけですよ。こんなあいまいなことをですね、見通しもはっきりしない、それを公然と採ったわけですよ。で、30人募集しまして29人採用しましたが、今現在はぽろぽろと歯が欠けてきています。 |
古いからといって良くないというわけではないが、「学ぶ」ことが大切なら、米国軍や国際通信連合ITUなどの代案も学ぶべきではないかと思ってしまう。 |