5.2 設立趣意書

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杉並師範館「設立趣意書」

(前略)古来、資源に乏しいわが国は、人によって国を成り立たしめることを命題とし、何よりも人間を大切にする気風と、社会に有為な人材を育成することを重視する伝統とを育んで来ました。今、教育体制の中にこの気風と伝統を取り戻すことこそが何よりも優先するべき責務と思います。それにはまず、その存在自体がより良い感化を生じる『気高い精神と卓越した指導力をもった教師の育成』こそが重要と考えます。

我々は「教育は人なり」を信条とし、真に教職を志す人を求め、ここに杉並師範館を設立します。ここでは、人が人を育てるという最も崇高な仕事に強い使命感を持ち、知識を教えるにとどまらず子どもの可能性を引き出し、人間性を育んでゆける人間力豊かな教師の育成に心血を注ぎます。

後の歴史において、重要な転換点として刻まれるであろうこの時代に、我々は、日本が衰退ではなく発展の方向へ歩み始める第一歩を、ここ杉並から踏み出すことを決意します。我々が志すこの杉並師範館が、必ずや杉並区の新しい学校づくりに寄与し、わが国の教育のあり方を変え、人づくりの礎となり、日本の未来を切り拓く重要な一歩になると信ずるものであります。平成17年5月23日

 

杉並師範館「教師心得(五則)

一.教師は、子どもの「学ぶ意欲」を引き出す。  学ぶ意欲とは生きる意欲である。

二.教師は、子どもの「人間性」をはぐくむ。  人間性とは人間ならではの真心である。

三.教師は、子どもの「社会性」を養う。  社会性とは他者に対する配慮である。

四.教師は、子どもの「規範」を確立する。  規範とは決断し断行する基である。

五.教師は、子どもの「資質の芽」を見つけ、認め、伸ばす。  資質とは全人格的人間力である。

高い志をもって教師を目指す塾生が、常に心に留めて修塾してほしい、まさしく教師心得の五か条です。杉並師範館で学んだ教師は、この五則を体得し、教師こそ天職と思える立派な教師として巣立って欲しいと願うもので、杉並師範館の教育内容の根本となるものです。

教わる子供中心の考え方である。教える教師側の原則が四項だけである。

態度中心の抽象的な内容である。全人格とは心身技能、知識、態度の総体である。

教員に対してプレッシャーを与える雰囲気である。それとは雰囲気の異なる米国軍の例を次に示す。

■現代的で上品な米国海軍教官マニュアル

 教えることは、技と科学の双方であると言われており、教育学は、何をしなければならないかを説明するのに役に立つ。教育学は、新しい教官が、教育技法を理解し、任務遂行に必要な知識を得るのに役に立つ。海軍の教官教育は、学習、動機、コミュニケーション、教育技法、目標、試験、習得方法など、諸原則に関する課目を含んでいる。また同様に、教官教育は、多くの教務実習と実習試験を含んでいる。これらは、初めての教官が、教育の基本的な技法を十分理解するのに役立つように計画されている。

 初めての教官が、これらの技法を学習するにつれて、教育技法を体得していくことができる。しかしながら、彼らが規則と教育技法を適用する場合、創造性を加えることによって、教育の経験を強化する全ての機会に接することができる。しかし、そうできるようになる前に、規則を知らなければならず、また、それらから適当に逸脱する場合もあることを知らなければならない。

貴官が教官として成功するためには、同僚等に専門家としての姿勢を示すことによって、学生から尊敬されなければならない。学生の人種、地理的な祖先、あるいは知能レベルにかかわらず、全ての学生に対して、誠実な態度を常に示すべきである。学生が貴官の立ち振舞いと教育環境の内外で見せた手本から、影響を受けていることを、いつも承知していなければならない。

 たいていの職務と同じように、教官は、学生の任務遂行に関する諸規定を、確実に守らなければならない。次は、貴官が従うべき勤務規則のいくつかである。

もし貴官が解答を知らないなら、それを認めなさい。

学生に対する貴官の発言は、適切かつ専門的なものにしなさい。

何事にも辛抱強く対応しなさい。

学生と一緒に調和を図りなさい。

敬意をもって学生を扱いなさい。

教官へ何かを要求するだけではなく、教官がどうすべきかを提供している。軍隊なら教官に対してプレッシャーを与えるだろうと誤解しがちだが、実際はこのように上品なのである。

区議会での議論から

補助教員と師範館について

学校現場で高い評価を受けている補助教員が来年度、23名から10名へとなぜ大幅に削減されるのか。(中略)

一方で、区は師範館で区費教員を養成している。その予算は卒塾後の人件費だけでも22年度は3億8000万円23年度には120名となり6億6000万円となる。莫大な税金をかけて師範館を継続するよりも、補助教員を増やし、一クラスを2人体制で見ることの方がより決め細やかな指導が可能になると考える。補助教員の増員と師範館の廃止を求める。すぐろ奈緒 会派:無所属年齢:31歳

 

杉並師範館「 研修概要・方針」

■多彩な教授陣による充実した講義 経済界はじめ多方面から講師を招聘し、広く社会のことを学びます。

■現場経験豊富な教授によるきめ細かな指導 ゼミ形式で実践指導。課題に応じ「指導のプロ」を講師に招きます。

■実際に教壇に立ち、子どもと触れ合う 杉並区で実際に指導力を養います。また、モデル授業を観察・分析します。

■絆を深め、社会性を養う 合宿では絆を深めます。企業就業体験等を通じ、社会人としての態度を身につけます。

●実践的指導力が身につきます  演習や教育実習を通して、第一線で活躍する人が親身になって指導します。

●人間としての幅を広げる場です  経験者や古典に学ぶ

■変化の激しい時代だからこそ…  困難に立ち向かっていけるたくましさ、柔軟な発想や対応力を養います。

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