4.2 職員教育の事例:東京

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東京都組織規程

知事本局各部課の分掌事務第十九条 知事本局各部課の分掌事務は、次のとおりとする。

総務部

総務課

二 局の組織及び定数に関すること。

三 局所属職員の人事及び給与に関すること。

総務局各部課等の分掌事務第二十条 総務局各部課等の分掌事務は、次のとおりとする。

総務部

総務課

一 局部長会議その他都庁事務の連絡に関すること。

二 局の予算、決算及び会計に関すること。

三 局の組織及び定数に関すること。

四 局所属職員の人事及び給与に関すること。

最上位規則の代表なのに、規程という中位の規定の名称なのはおかしい。都議会が議決する条例であってもおかしくはない。細部のみを規程にすればよいのである。

最上位規則の代表なのに、東京都ウエブ例規集からはリンクされていない。

東京都全体の職員研修の計画と実施監督を取りまとめる部課は存在しない。

東京都職員研修規則

目的第一条 この規則は、地方公務員法昭和二十五年法律第二百六十一号第三十九条の規定に基づき、職員の勤務能率の発揮及び増進のために、知事が任命権者として行う研修に関し、必要な事項を定めることを目的とする。  

この規則は、東京都ウエブ例規集からはリンクされていない。

http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1010443001.html

リンクされている例規と上位アドレスは同じなので、ウエブサイトに登録したものの、リンクを貼り忘れているのではないだろうか。あるいは格下の扱いなのか。

この規則は任命権者の都知事が発行するものなので、規則名称を知事規則又は東京都規則とすべきである。第1条の条文に「知事が任命権者として行う研修に関し」とあるのは冗長である。

表題の「〜研修規則」に対して、内容概要は「研修」のみであり、もっと分解して語句を列挙すべきである。

「〜定めることを目的とする」というのもよくある間違い。

東京都職員研修規則

研修の目標第三条 研修は、職員に対し、都民全体の奉仕者としてふさわしい人格、教養を培わせるとともに、都行政の担当者として業務の遂行上必要な知識及び技能を習得し、もつて時代に即応する公務員たる資質を備えさせることを目標とする。平一六規則一三三・一部改正  

第1条で目的を定めているので、この条文は不要である。

公務員に対して奮起を促している気持ちの現れからも知れないが、この規則は研修を提供する側が奮起すべきことを定めるべきである。研修を受ける側の公務員を説教する文書であってはならない。

目的よりも具体的な用語が目標という言葉である。目標を規定すると実績を検証しなければならない。上位規則でこのような具体的な責任を宣言すべきではない。

東京都職員研修規則

研修の区分、実施機関及び内容

第四条 研修の区分は、次に掲げるとおりとする。

一 職場外研修  イ 中央研修  ロ 局研修

二 職場研修  三 自主研修

2 中央研修は、総務局人事部長以下「人事部長」という。が各局に所属する職員を対象に、都の職員として職務執行上必要な事項のうち、主として各局間に共通するものに関して行うものとし、その種目は、おおむね次に掲げるとおりとする。ただし、中央研修のうち、総務局長が特に指定する研修については、総務局長があらかじめ指定した局の長が行うものとする。

一 職層別研修  二 幹部研修  三 技術職員研修  四 実践力向上研修

五 専門研修  六 講師養成研修  七 派遣研修  八 海外研修

3 局研修は、局の長が当該局に所属する職員を対象に、主として当該局の業務遂行上特に必要な事項に関して行うものとし、その種目は、おおむね次の各号に掲げるとおりとする。

一 新任研修  二 現任研修  三 監督者研修  四 管理者研修  五 実務研修  六 派遣研修

4 職場研修は、部課の長が当該部課に所属する職員を対象に、当該部課における業務遂行上直接必要な事項に関して、主として日常の職務を通して行うものとする。

5 自主研修は、人事部長及び局の長が自己啓発に努める職員を対象に、その自主的な学習及び研究に関して、これを支援するために行うものとする。

研修規則の中心は、教育課程(カリキュラム、講座編成)であるべきなので、これでは抽象的過ぎる。時間数を明記するとともに、全科目でなくてもよいので、8割程度の中核講座編成(コアカリキュラム)を明記すべきである。そうでないと教育委員会が実施監督できない。

それぞれの研修を人事規則の職階のどれに対応するのか明記すべきである。

研修の実施者の表現は、人事部長どまりではなく、「職員訓練部」などと明記すべきである。

東京都職員研修センターを下位の外部部門にして、教育委員会の統治外にしているのが問題である。

局研修は、局講習という名称にして区別し、内容は局長以下が局内の規程で定めるように権限委譲すべきである。知事が局研修まで計画・実施監督する必要はない。

職場研修(OJTと思われる)は、業務管理の配下のことなので、上位の研修規則で定めるべきことではない。研修規則は監督者研修の配下にOJT指導法講座を設けるまでが責任範囲である。

  「自主研修は、人事部長及び局の長が自己啓発に努める職員を対象に」は限定的な厭味ともいえる表現なのでよくない。全職員が努力することを前提にすべきである。  

自主的な学習及び研究は、能率改善全般や担当主題の改革に必要な万能の手段なので、職員研修規則ではなく、職員服務規程などで、全職員に研究を勧奨し、組織が配慮することを記載すべきだ。

東京都職員研修規則

研修計画第五条 総務局長は、研修に関する基本方針を決定する。

2 人事部長は、毎年度、研修に関する基本計画を策定する。

3 人事部長及び前条第二項ただし書により指定された局の長は、毎年度、中央研修に関する実施計画を策定する。この場合において、局の長は、あらかじめ人事部長に協議しなければならない。

4 局の長は、毎年度、人事部長に協議の上、局研修に関する実施計画を策定する。  

研修規則自身が研修計画なのであるから、この条文はおかしい。

地方公務員法から修正すべきことではあるが、まず基本方針は教員委員会の頭の中や改善起案者の一時的な文書の中にあればよく、職員研修規則自身が計画(主に教育課程定義)の随一の文書であるべきだ。本規則自身が国家公務員法における研修の計画の樹立に相当するので、本文で改めて規定すべきものではない。

実施計画(教育日程)は基本計画(職員教育規則)と紛らわしいので、教育日程という表現が適切である。

第5条などの規定は、知事規則ではなくて総務局長が発行する規程にまかせるべきである。次のような項目である。

総務局長の責任は、もし必要なら教育課程に関する追加の規準を定めて、実施監督することである。

職員訓練部長(仮称、東京都職員研修センター長に相当)の責任は、教育課程(講座編成)を中核講座以外も含めて、講座ごとの時間数も含めて、職員訓練部規程として定めることである。

職員訓練室長(階層別教育などの区分別の管理職)の責任は、指導要領を定めることである。

教科書及び教具の開発或いは調達は、巨額のものが含まれるので、職員訓練部長の責任である。実質的な教科書執筆の責任者は職員訓練室長である。

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