3.6 教員訓練の事例:川越市

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「川越市立教育センター条例」

(設置)第一条 本市は、教育の充実及び振興を図るため、地方教育行政の組織及び運営に関する法律昭和三十一年法律第百六十二号第三十条の規定に基づき、川越市立教育センター以下センター」という。を川越市大字古谷上六千八十三番地十に設置する。

 センターに川越市立教育センター分室を川越市大字的場二千六百四十九番地一に設置する。

業務第二条 センターは、次に掲げる業務を行う。

一 教育に関する専門的事項及び技術的事項の調査研究に関すること。

二 教育関係職員の研修に関すること。

三 教育に関する資料の収集及び提供に関すること。

四 教育相談に関すること。

五 特別支援教育の推進並びに障害のある児童及び生徒の就学支援に関すること。

六 その他教育の充実及び振興を図るための必要な業務に関すること。

職員第三条 センターに所長その他必要な職員を置く。

委任第四条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

埼玉県総合教育センターに対して指摘した事項の多くが、川越市立教育センターにも当てはまる。職員教育課程を教育委員会が定めるのが先決であるし、センターは内部部門にすべきである。

職員教育(教員を含む)を市町村が担当するのは効率が悪い。県の教育委員会へ移管すべきである。ただし、正規教育課程になじまないことを講習と称して受け持つのは構わない。教育課程と講習とは明確に区分すべきだ。

川越市立教育センター処務規程

趣旨第一条 この規程は、川越市立教育センター以下「センター」という。の処務に関し、必要な事項を定めるものとする。

専決事項第二条 所長は、川越市教育委員会事務局処務規程平成元年教育委員会規程第二号第三条に規定する課長共通専決事項及び次に掲げる事項を専決することができる。

一 教育関係職員の研修計画の運営に関すること。

二 教育に関する調査研究の実施に関すること。

三 センターの維持管理に関すること。

研修計画の運営という言葉が法規用語としてはおかしい。

研修計画(教員教育課程)そのものは重要事項だから上位の教員教育規則として教育委員会が成文化すべきであり、専決事項にすべきではない。

研修計画の運営が「教員教育課程の実施の意味なら、教育センターの職務分掌として普通に規定すればよく、専決事項にするようなことではない。

  川越市立小・中学校 職員教育課程

川越市立小・中学校 初任者研修

 初任者研修は、教育公務員特例法第23条の規定により、現職研修の一環として、一年間の研修を実施し、教員としての実践的指導力と使命感を養うとともに、幅広い知見を得させることを目的として実施されるものです。

 平成23年度は、教育センターで行う25日間の機関研修と所属校で行う学校研修があります。

川越市立小・中学校 5年経験者研修

 5年経験者研修は、教職経験5年目の教員がこれまでの教育実践を基礎に、教育の基本的事項について研修し、専門的な知識・技能の充実を図ること目的としています。平成23年度の主な内容は、共通研修・社会貢献活動体験研修・選択研修による教育センター研修と授業研究による学校研修です。高い専門性を身に付けるとともに、より実践的な指導力の向上を目指しています

川越市立小・中学校 10年経験者研修

 10年経験者研修は、教育公務員特例法第24条に基づき、中堅教員としての指導力の向上を図ること目的として、実施しております。

 平成23年度の本研修は、教育センター研修と学校研修があります。教育センター研修では、様々な課題に対応できるように講義をはじめ、演習や社会体験、異校種体験研修など、受講者の専門性を一層高めるとともに、幅広い視野をもてるように計画しております。

川越市立学校 20年経験者研修

 20年経験者研修は、教職経験20年目の教員として、より一層専門的な知識や技能の充実を図り、学校運営に積極的に参加し、中核的リーダーとして活躍できる資質の向上を図ること目的として実施しております。平成23年度の主な内容は、教育センター研修(共通研修と異校種体験研修)と学校研修です。

職員教育の目的は職業能力の向上であり、養うのではなく職業を教育するのである。教育センター側の提供物や責任をあいまいにして、教員に努力させ奮起させようとする気持ちが感じられないでもない。そういう気持ちはないはずだが、読者はそう受け取ってしまいがちだ。

初任者に幅広い知見を求めるのは先輩の傲慢さである。実践的指導力の成績を向上させる教育をすれば、その副産物として使命感も自信も生れる。

県の教員教育課程を補うのではなく、県の教員教育課程を改定するように働きかけるべきである。そうすれば市が教員教育をするという税金の無駄遣いをなくせる。

教員教育課程は教育委員会が上位規則で規定すべきものであり、このように実施情報の位置づけにすべきではない。

書き方がばらばらである。目的、内容概要が区別されていない。

主語がセンター側であり、受講する教員を主語にすべきである。

科目概要や到達目標を記載するという現代教育学の定石が用いられていない。

教員に活動させる科目が多く、教育する側からの提供ノウハウが乏しい。

共通研修や選択研修の内容が明記されていない。

教育委員会責任の教育課程の定義と、センター責任の年度の実施通知とが分けられていない。

研修日程表に科目概要に類する情報があるのはよくない。教育課程と教育日程は区別すべきである。

研修内容は、職務明細や学校の規準・規則・規程・細則にも対応していないように思える。教育分析技法や教育設計技法によって導出したとは思えない。

5年以降の教育課程は、職務明細と全く対応していない。外部と交流するなら、各自の指導要領を発表する研究発表会や指導要領を相互に添削しあう講習会などでも、交流の目的は達成できる。

 川越市立教育センターの研究のあゆみ

昭和57年度 川越市における学校教育目標の実態調査他

昭和58〜62年度 学業不振の診断と指導

昭和62〜63年度 児童生徒の意識調査に関する調査・研究

昭和63〜平成6年度 学習指導におけるコンピュータ利用の研究〜第7次

平成7〜8年度 教育ソフトの研究と学習指導の実際

平成9〜15年度 インターネットを活用した学習指導の研究

平成11〜17年度 「総合的な学習の時間の指導計画及び実践の在り方

平成14〜18年度 環境教育の推進に関する調査・研究

平成15〜

教職員研修、初任者・教職経験者研修実施に係る研究

児童生徒の学力に関する調査・研究

小学校における英語活動の在り方に関する調査・研究

不登校対策に向けた効果的支援に関する研究

平成16〜17年度 通知表等における評価に関する研究

平成16〜18年度 効果的なネットワーク環境に関する研究

平成17〜 教育に関する3つの達成目標推進に関する調査・研究

平成20〜 教育の情報化及び情報モラル教育に関する調査・研究

平成15年度以外は、問題解決の研究や新規課題の研究がほとんどである。

平成15年度のような、普通の成績向上に真っ向から取り組むテーマがもっと多くあるべきだ。例えば、国語や算数は、児童のつまずく科目の代表であり、その成績向上策は永遠の課題だと思う。

研究という用語は教員独特であり、民間企業では改善運動などと称する。

教職員研修についても、職業能力の中核科目の成績を継続的に改善する運動をすることが推奨される。

研究報告が、個人的・断片的である。標準指導要領の改定や指導要領指針集のような集大成型の資料が望ましい。

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