3.5 市教育委員会の事例:川越市

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 市区町村の教育委員会の例として、川越市を選んだ。行ったことのある市という理由であって他意はない。

「川越市教育委員会の定義」

◇教育委員会
 教育委員会とは、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に基づき設置された合議制の執行機関です。
 川越市の教育委員会は5人の教育委員により組織されており、その権限に属する事務を処理させるために事務局を設置し、学校教育や社会教育に関する事務を一体的に行っています。
◇教育委員会の構成
定員 5人 
任命 市長の被選挙権を持ち、教育に関して識見を持つ人の中から、市長が議会の同意を得て任命します。 
任期 4年、再任されることもあります。 
◇教育委員長
 教育委員長は、教育委員の中から選任され、教育委員会の会議を主催し、教育委員会を代表します。
◇教育長
 教育長は、教育委員の中から教育委員会が任命します。教育委員会の指揮監督のもと教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどり、事務局の事務を総括し、所属職員を指揮監督します。
◇教育委員会会議
 教育委員会の会議には定例会と臨時会があり、定例会は毎月開かれます。
 会議では、教育関係の各種審議会等の委員の委嘱や各種規則等の制定などのほか、教育行政のあり方や教育行政に係る予算などが話し合われます。

問題点は県教育委員会と同様であるので、解説は省略する。

「川越市教育委員会事務委任規則」 

(事務の委任)
第二条 教育委員会は、次に掲げる事項を除き、その権限に属する教育事務を教育長に委任する。
一 市の教育行政の基本方針を定めること。
二 市立の学校その他の教育機関の設置及び廃止に関すること。
三 教科書の採択に関すること。
四 人事の基本方針を定めること。
五 教育委員会及び教育委員会の所管に属する学校その他の教育機関の職員(県費負担教職員を除く。)の懲戒及び任免その他の人事に関すること。
六 県費負担教職員の懲戒及び任免その他の人事について埼玉県教育委員会に内申すること。
七 県費負担教職員の服務の監督に関する基本方針を定めること。
八 一件三千万円以上の工事の計画を策定すること。
九 教育委員会規則その他教育委員会の規程の制定又は改廃を行うこと。
十 教育に関する予算その他議会の議決を経るべき議案の原案を決定すること。
十一 社会教育委員その他の附属機関の委員の任免を行うこと。
十二 校長、教員その他の教育関係職員の研修の基本方針を定めること。
十三 市立の小・中学校の通学区域を定めること。
十四 市指定文化財を指定し、及び解除すること。
十五 教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価に関すること。

 

「川越市教育委員会の組織及び主な事務」

教育委員会事務局
 教育委員会の事務を処理するため、教育長の統括のもとに事務局がおかれます。現在、教育総務部と学校教育部の2部7課で構成されています。各課室の主な事務は下記のとおりです。
■教育総務部
◇教育総務課 教育委員会の会議、職員(教職員除く)の人事・給与・福利厚生、規則の制定及び改廃、育英制度、教育行政に関する相談、教育委員会の基本計画、教育の調査統計、教育要覧の発刊、教育広報の発行 
◇教育財務課 学校の設置・管理及び廃止、学校施設の工事計画、就学援助事務、学校予算の執行調整、幼稚園補助、学童保育施設の設置・管理及び廃止、学童保育室の運営 
◇地域教育支援課 地域教育の推進及び支援、社会教育施設の設置及び廃止、青少年・成人・女性及び高齢者教育、人権教育 
◇文化財保護課 文化財の指定及び解除、文化財の保存及び管理、文化財の調査及び活用、文化財保護と開発事業との調整 
■学校教育部
◇学校管理課 児童生徒の就学に関すること、通学区域の制定及び改廃、教職員の人事・給与、教職員人事権の移譲に関すること、校種間連携教育に関すること 
◇教育指導課 教育課程・学習指導への指導助言、学習指導の評価、教育職員の研修、学校の教育活動全般への指導助言、児童生徒及び学校職員への健康診断、学校保健活動 
◇学校給食課 学校給食の計画及び調査研究、学校給食の管理及び運営、学校給食施設設備の設置・管理及び廃止、食に関する指導の計画、学校給食材料の調達、学校給食センターの指導及び連絡調整、学校給食費の調定及び収納 
■教育機関
 地方公共団体は、法律と条例に基づいて、学校・図書館・博物館などの教育活動の拠点となる施設を設置しています。
◇教育総務部所管の施設
公民館(17館1分館1分室) 図書館(4館)、視聴覚ライブラリー
博物館、川越城本丸御殿、蔵造り資料館  学童保育室(32室)  小堤集会所、福原コミュニティセンター
◇学校教育部所管の施設
小学校 32校  中学校 22校  高等学校 1校  特別支援学校 1校
教育センター、教育センター分室  学校給食センター(4施設)  学校環境衛生検査センター

教育課程規準は県教育委員会に向く仕事である。高校は県立で小・中学校は市立という分担が影響している。

学習指導の指導・助言だけでは適切ではない。県教育委員会から指導要領規準の制定の仕事を移管しないと中途半端な存在になりかねない。

「川越市立小・中学校管理規則」

(教育課程の編成、届出)
第四条 学校は、学習指導要領の基準及び埼玉県小中学校教育課程編成要領により、教育課程を定めなければならない。
2 校長は、その年度に実施する教育課程について、次に掲げるものを四月末日までに教育委員会に届け出るものとする。
一 学校の教育目標及び重点目標
二 年間授業日数、授業時数、日課表
三 各教科、道徳、外国語活動(小学校)、総合的な学習の時間、特別活動についての指導の方針及び年間指導計画
3 学校は、第一項に規定する教育課程の実施にあたつては、その配当時間を確保し、有効適切な指導を図つて教育効果の増進に努めなければならない。

教育委員会が学校を管理するための上位規則である。それに対して教育委員会自身が定義すべきことが規則になっていないことが問題である。

施行型の規則なのだから、「学校は」ではなくて「校長は」である。教育課程の制定は校長の仕事であろう。(起案は部下にまかせるとしても)

年度報告は教育実施報告が向いている。実施前は教育課程の改定ごとに報告する程度がよいと思う。

指導要領の制定は校長の仕事にせずに、教頭又は教科担当管理職の仕事にしてよいと思われる。

県教育委員会は教育課程の規準の制定(8割程度の中核科目編成と時数の規定)、学校長は教育課程の完成(全科目編成と時数の確定)という分担は明確になっているか。文部科学省の教育課程に関する仕事を減らせる力量はあるか?

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