ここまで、断片的な意見や思想的な意見を出さずに、教育統治の事実を整理した。日米の教育機関にはそれぞれ次のような特徴がある。
米国:取締役兼執行役員会型 |
日本:助言委員会型 |
すべての業務責任の出発点。 定義をすることが仕事。 |
部分的な責任を持つ。一時的な仕事。 |
既存の定義の改定による改善に向く。 |
既存の定義を捨てる斬新な革新に向く。 |
考えが貧弱だと定義の擁護をしがち。 |
考えが貧弱だと学校の執行批判をしがち。 |
なお、教育統治の仕組みを変えても、教育統治が良くなるとは限らない。米国でトヨタウエイが米国トヨタや出版物を通じて有名になっても、ほかの米国企業はなかなかまねできない。全社的品質管理などで全員の質が変わらないと、組織は変わらないのである。
また、米国の教育機関は教育の専門家を採用するので、日本以上に教育学部の卒業生が多い。教育学部は法学部などと異なり、学士課程の体裁を整えていないと思える。日米は程度の差はあれ、教育学部の卒業生が教育に携わっていることが問題点の一つである。