5.初任者の歓迎儀式を実施する

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 初任教員を迎える最初の歓迎の儀式が大切である。初任教員は大学院を卒業したての者、ほかの学校からの転校者、及び会社や役所などからの転職者である。

初任教員を大学側のしかるべき教員が丁重に出迎えて案内する。校内で迷わないように門の受付等で待機して、控室まで道案内する。

辞令交付式をする。経営者側の学長又は学部長が辞令を読み上げて手渡しし、教員(複数人なら代表)が宣誓書を読み上げる。

学長室などでお茶を飲みながら、学長等と初任教員が懇談する。学長等は経営者側として何を提供するのか、教員側は従業員として何をするのか、具体的に簡潔に親しく会話する。相手に何を期待するかは、提供することの説明より優先してはならない。

最初のオリエンテーションをする。資料説明だけではなく、オリエンテーションという語句通りの施設案内や関係する先任教員や職員の事務室での引き合わせを含める。各部門・職員に関する説明は案内者が一カ所で行うのではなく、各所を訪問した時に先方にやってもらう。この引き合わせは先任教員や職員の動機付けや事務室をきれいに保つのにも役立つ。教員育成センターへも案内する。

初任教員歓迎会を行う。挨拶や飲食だけでもよいが、その大学や地域のことを視聴覚的に印象に残す出し物があってもよい。

教員の授業開始後も必要ならオリエンテーション、実務集会、授業参観などの初任者向けの支援を続ける。

 これらの歓迎儀式は、その大学とは何か、理念は何か、教員はどういうものかを正式に視聴覚に訴えて交換するかけがえのない効果を持つ。儀式の雰囲気が何かを伝える。学長と初任教員の肉声の会話や表情が何かを伝える。記憶する気がなくても自然に記憶に残る。資料にたくさんのことを書いて読ませることよりも、あるいは後のオリエンテーションでくどくど説明するよりも、最初の短い儀式が効果を発揮するのである。そして迎える学長側や先任教員も大学の意味や教育の意味を再確認する機会になる。

 儀式は大人としての上品さを広めるのにも役立つ。上品さ、社交性などは行動で伝達するのが効果的である。教員のだらしなさを嘆いたり、不祥事を心配する前に、事あるごとに上品さの手本を示そう。

君島浩のISD研究室 2006.4.9. [ 戻る ] [ ホーム ] [ 上へ ] [ 進む ]