ふらり京都紀行
〜2001年 春編〜

その3

ユースの食堂は100人以上収容だろう、6人掛けのテーブルが並んでいる。
以前来たときとテーブルクロスの色が赤と白のかわいいギンガムチェックに
なっていて、ちょっとラブリーな雰囲気に変身。

中央のテーブルにはセットされた、おひつに入ったご飯、漬け物、お茶がある。
それらはおかわり自由なので、思わず、おかわりなんかしてしまう。(^-^)
席に着き、「いただきまーす。」カキフライをもりもり食べはじめた。
向かいのテーブルに座っていた、アジアン系の家族が、
ビールを飲んでるのを見て我慢しきれず、思わず席を立ち、
自販でビール購入。わっひゃっひゃである。(笑)

しばらくすると、ひとりの男の人が、同じテーブルの端にすわった。
チラッと見ると、アディダスのジャージに、なんかちょっぴり暗い雰囲気の
20代後半の、一見旅人らしからぬ感じの人である。
まぁ多分仕事かなんかで、来ているだろうと気にせず、ご飯を食べて続けた。

しばらくすると「これって、カキフライですよね?」とその人から話しかけられた。
思わずびっくりして見ると、辛そうに苦笑いでこっちを見ていた。
「俺、カキフライダメなんですよ。」私になぜ言うんじゃい!?(^_^;
「そ、そうですかぁ、じゃ食堂のお兄ちゃんに言って、変えてもらったらどうです
?」
私もとっさの出来事で訳の分からないことを、言ってしまった。
「ここのユースなら、融通効きそうだし。」と付け加えて。

でもその人は結局いいといって、カキフライを残すと言った。
その後ご飯を食べながら、少し世間話をし、場を和ませた。
私がひとり旅であること、静岡から来たこということは伝えた。
彼は、話口調から関西の人、髪の毛が薄いこと、仕事でかなり悩んでいる
ことがわかった。確かに表情は暗い。

実際「人間ってどのくらいまでの辛さの仕事に、耐えられると思います?」
と質問されたのには、さすがに困った。初対面の人に、しかもこんな
カキフライを食べてる最中に、それはないでしょ!?
リビングでビールでも飲みながら話すんだったら、分かるけどね。(^_^;
「それじゃ」と軽く会釈して、食堂を後にした。

今思えば、もう少し話を聞いてあげれば良かったと、反省。
何かの縁で出逢ったのだしのぉ・・・。(^_^;

部屋に戻るとodaちゃんが中国のお姉ちゃんと、なにやら取り込み中。
どうやら中国のお姉ちゃんが、これから神戸、大阪に行くのに
odaちゃんに、一生懸命日本語で聞いていた。その熱心さにodaちゃんも
丁寧に答えていた。少し会話に加わったが、神戸、大阪に詳しくないので
しばらくしてから、お風呂に入り、ネットをしにロビーに行った。

ニュージーランドでは当たり前のように、バックパッカーやユースには
コインでインターネットできるパソコンが置いてあるのだ。15分1$位。
ここのユースにも一台置いてあり、15分100円である。
早速hotmailで今日の出来事をmailしてみる。しかしPCの調子がおかしく
送れずじまいだったよ。しゅん。

部屋に帰り、ベットに入り、明日行く場所をなんとなく決める。
嵐山でも行くかな?老舗の和菓子やさんのわらび餅、
東山のお蕎麦やさんの、うわさの親子丼をを食べることははずせないなぁ、
などど計画を練る。朝早く起きて仁和寺も行かなくちゃと、
あれこれ考えながら就寝。

そして翌日。
案の定、予想通り、早く起きれない私。(^_^;
さらにちょっと悲しい事実。

つづく

   ふらりとその1へ  ふらりとその2へ  ふらりとその4へ ふらりとその5へ


home < ふらり京都紀行