60cmサブミリ波電波望遠鏡製作の紹介(1・2・3号機)

某(株)研究所様に納品させていただいた後に、某国公立大学研究室や郵政省などに納められています。

60cmサブミリ波サーベイ望遠鏡3号機(ノン開閉式)
通総研に設置しテスト運転後、北極点に近いスピッツヘルゲン島に移設され、オゾン層の破壊のメカニズムを観測。
北極の極寒でも観測を可能にするため主鏡部(電波を集める鏡)のドームは、ノン開閉式になっていて電波を通す素材でできている。
トップページで紹介している写真は1号機・2号機でドームが開閉式です。
現在1号機は、野辺山国立天文台・2号機は、南米のチリに設置されていて宇宙の星や星雲などが出す電波を観測している。
地球には無い未知の物質が存在するとの事。
主鏡面の加工
星や星雲などの観測点から発せられた電波を集める為に、主鏡面は、方物曲線の凹面に作られます。
左写真の様に正面旋盤(最大加工径1.8m)と言われる機械にセットし、回転させてバイトと言う刃物で加工していきます。
NC機械ではないので、色々な工夫を凝らしています。
より面を細かいものにするため切削速度を遅くし、削りシロを少なくとり何度も繰り返し丁寧に加工します。
ゲージによる厳しいチェック
放物線の形をしたゲージを、削りだした主鏡面にあて任意の曲線に加工されているか、たえずチェックします。
ゲージと主鏡面の曲線が違う場合は、切削バイトの位置や加工治具を微妙に調整してゆきます。
加工そしてゲージチェックを繰り返し行って主鏡面加工を終えます。
加工を終えた主鏡面は、さらに手仕上げによる磨き加工をいたします。
反射鏡の加工
主鏡面で集められた観測電波を、何枚かの反射鏡(放物曲線面)の組み合わせによって受信観測器の受信位置まで反射させてゆきます。
反射鏡の製作も上記の主鏡面加工と同じ要領で正面旋盤で加工します。
この反射鏡面も機械加工後、電波の反射率を良くするため、手仕上げによる磨き加工をいたします。
電波望遠鏡の設置・調整
電波望遠鏡の設置では、レベル出し・各鏡面鏡のセンター出しが最重要で、いかに良い電波を効率良く受信器に入れることが出来るかが勝負です。
おかげさまで1・2・3号機には、大変に研究者の方たちに喜ばれています。