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  和尚までの道のり


2020/11/8UP

『 和尚までの道のりとは 』


新企画「和尚までの道のり」をお届けします。
この企画は,ある青年が和尚になるまでの記録を紹介するものです。
大法寺の徒弟(弟子)となり、住み込みでお経や作法を学びます。
そして令和3年春、修行道場に掛搭(入学)します。
数年修行したのち、ご縁あるお寺に声を掛けてもらえれば、
彼の和尚としての人生が始まるのです。
毎週日曜日に更新する予定です、宜しくお願い致します。
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11/15UP

『 断髪式・得度式 』


11月9日に断髪式・得度式(とくどしき)を行いました。
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断髪式では両親や友人・知人に髪を切っていただきました。
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その後、檀家の床屋さんにて、きれいに剃ってもらいます。
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本堂に戻り得度式を行いました。
得度式とは出家するための儀式です。
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その夜は饂飩展待で新たな旅立ちをお祝いしました。
饂飩展待(うどんてんたい)とは饂飩を供養しもてなすことです。
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11/22UP

『 朝課・坐禅 』


和尚までの道のりでの日々の生活をご紹介します。
5時起床、粥座(朝食)の準備をし6時から朝課を行います。
朝課とは簡単にいうならば本堂でお経を唱えることです。
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その後、坐禅をします。
身(姿勢)を調え、呼吸を調え、心を調えます。
次回は粥座をご紹介します。


11/29UP

『 粥 座 』


「粥座」(しゅくざ)とは朝ごはんのことです。
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修行道場では朝はお粥とたくあんを食べます。
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お湯の中にお米が混ざってる程度の水っぽいお粥です。
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お世辞にも美味しいとは言えませんが大切な食べ物です。
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感謝の気持ちを込めていただきます。
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持鉢(じはつ)という食器を使い食事をします。
音をたてないように静かに食事をします。
三黙堂(さんもくどう)といって食堂・禅堂・浴室では、
語話談笑が固く誡められています。
来週は斎座をご紹介します。


12/13UP

『 斎 座 』


「斎座」(さいざ)とは昼食のことです。
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修行道場では昼はお米とみそ汁とたくあんを食べます。
魚や肉などのおかずはありません。
ただし檀家さんからの供養などでいただいたものは食べます。
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食事が終わったらお茶とたくあんで持鉢を洗います。
そして布巾できれいに拭き取り完成です。
洗剤で洗うことはしません。余分なものは使いません。
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実際の修行道場での斎座とは違いますが動画を撮ってみました。
食事の際は声を出せないので手の動きで給仕を進めます。


次回は剃髪(ていはつ)についてご紹介できればと思います。


12/20UP

『 剃 髪 』


「剃髪」(ていはつ)とは髪を剃ることです。
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修行道場では四九日(しくにち)に髪を剃ります。
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四九日とは四と九が付く日をいいます。
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四日、九日、十四日、十九日、二十四日、二十九日です。
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寒い時期は剃髪で3ミリほどの毛を剃るだけで寒さが増します。
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私たち禅宗の僧侶は煩悩を断ち切るという想いで剃髪をします。
煩悩のように次から次へと出てくる髪の毛。
これを断ち切りたいという姿勢なのです。


12/27UP

『 作 務 』


「作務」(さむ)とは、お寺での労働をいいます。
境内の植木の剪定を行う作務です。
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大工仕事が得意なので床下の補修をしています。
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池作りの工事を業者さんと一緒にやっています。
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ブロックを切断しています。なんでも出来ます!
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池のフェンスを立てる準備をしています。
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お寺の掃除はもちろんのこと大工仕事や野良仕事も立派な作務です。
なんでも出来る器用な人はお坊さんに向いてるかもしれません。
お寺の仕事はお経を唱えるだけではなくこうした作務もあるのです。
12/27から実家に帰省したため次回は1月中旬くらいになります。
良いお年を!


2021/3/7UP

『 修行道場 』


前回からの更新が随分遅くなってしまい申し訳ありません。
和尚になる決意を固め、住み込みを始めて約4ヶ月、
お経や坐禅・食事作法などかなり慣れてきました。
あとは修行道場での実践です。3/25に道場へ掛搭(入学)します。
修行道場での生活については後々紹介していきたいと思います。
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3/3にこれからお世話になる修行道場へ挨拶に伺いました。
現在9名の雲水(修行者)がいるそうです。
寝食共にし切磋琢磨する修行仲間は一生の仲間になります。
良き巡り会わせを願います。


3/15UP

『 本山研修会 』


3月9〜10日に本山(京都妙心寺)で掛搭者研修会が行われました。
この研修会では修行への心構えや食事作法など指導をします。
質疑応答など参加者の疑問にも答えてくれるそうです。
今回は20名の参加者がいました。
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指導員に見送られ解散です。
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ホッとしたのか笑顔です。
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あと10日で掛搭です、健康管理をしっかり行い準備します。
不安でもあり楽しみでもあります!


3/25UP

『 掛 搭 』


3月25日、専門道場に掛搭しました。
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網代笠(あじろがさ)を被り、草鞋を履いて旅立ちの姿です。
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新たな旅立ちです!頑張れ!!
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このあと庭詰・旦過詰(にわづめ・たんかづめ)があります。
庭詰とは最初の修行で、道場の玄関で入門を認めてもらうため終日頭を下げていなければなりません。これは二日間行われます。
庭詰が終わると次は旦過詰です。旦過詰は小部屋にて坐禅をして入門の許可を待ちます。これは三日間行われます。
この庭詰・旦過詰が終わると道場の入門が許可され修行仲間たちとの共同生活が始まるのです。
修行道場での生活は後々ご紹介致します。


5/11UP

『 再 会 』


専門道場に用事があり伺ったところ、弟子の姿を見ることができました。元気そうでなによりです。
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令和3年の春に掛搭したのは6人だそうです。
その中で一番最初に掛搭した人を新到頭(しんとうがしら)といいます。新入社員のリーダーみたいなものです。
弟子はその新到頭だそうです。大変な役目ですが彼なら大丈夫でしょう。
今は典座(てんぞ)にいるそうです。典座とは料理係です、総勢13名の食事の支度をします。
まだまだ覚えることは沢山あります、この調子で頑張ってもらいたいものです。


7/5UP

『 二夜三日 』


弟子が二夜三日(にやさんじつ)で戻ってきました。
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二夜三日とは簡単に言うと二泊三日のお休みです。
修行道場ではいろんな役職・役目があります。
その役目の交代の節目に慰労休暇として二夜三日がいただけます。
道場の役職、大きく分けて三つあります。
料理係の典座(てんぞ)、庶務係の副随(ふずい)、老師のお世話係の三応(さんのう)です。
まだまだ役職はあるのですが弟子に関係あるのはこの三つでしょう。
進展あれば随時お知らせします。


9/1UP

『 暫 暇 』


弟子が暫暇(ざんか)で戻ってきました。
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暫暇とは字の如く、しばらくの暇、休暇のようなものです。
本来は修行に休暇などはありません。
親や師匠に大事があったとき以外は許可されません。
しかし今は暫暇という休暇が年に2回もらえます。
弟子の暫暇は8/31〜9/9の10日間です。
コロナ禍なのであまり出歩くことは出来ませんが、この機会にゆっくり体を休めてもらえればいいと思います。


2022/2/19UP

『 臘八大接心 』


臘八大接心(ろうはつおおぜっしん)とは一年の修行で一番厳しい修行期間です。
今回弟子が初めての臘八大接心に挑みました!
写真はありませんが、どんな生活を送るのかお伝えします。

まず期間ですが、弟子の修行道場では1/20〜1/27です。
03:00 起床〜朝課〜参禅
参禅とは老師(道場の師匠)と一対一で禅問答を行うことです
04:30 粥座 朝食(少し硬めのお粥)
05:00 坐禅 45分坐禅して15分休憩
06:00 掃除 普段毎日行う庭や住まいの掃除
08:00 講座 老師の講義です
09:00 坐禅 
10:00 斎座 昼食(飯・汁・菜)
12:20 茶礼 おやつの時間
13:00 参禅〜坐禅
15:00 晩課 夕方のお経
16:00 薬石 夕食
17:00 坐禅
18:00 参禅〜坐禅
20:00 茶礼 夜食(うどん等)
21:00 参禅〜坐禅
24:00 開枕 (かいちん)就寝
横になって寝るのではなく壁に寄りかかり坐禅したまま寝ます

本来、臘八大接心とは成道会(じょうどうえ)お釈迦様が悟りを開いた日に合わせて行います。
12/8が成道会なので、そのまえの一週間(12/1〜12/7)を一日と考え修行を行います。
そのため横になって寝ることはしないのだと聞きました。
もちろん風呂にも入りませんし、ひげも剃りません。
精神を集中し坐禅をし禅問答で導きをいただき一週間を終えます。
そして風呂に入り剃髪をし、晴れ晴れとした気持ちで成道会を迎えるのです。

この臘八大接心を終えたことは弟子にとって大きな一歩です。
二年目・三年目になってくると、また違う気づきがあるはずです。
和尚への道、着実に歩んでいます!


2024/4/15UP

『 永 暫 』


永暫とは永久暫暇の略です。暫暇とはしばらくの暇、休暇のことです。その暫暇に永久がつくと、永久の休暇、すなわち道場を去ることを意味します。私との約束通り3年間の修行期間が過ぎたので4月1日に永暫しました。
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これからは現在お誘いのあるお寺に出入りしながら和尚としての道を歩いていきます。
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27年前に私が永暫したときの写真です。随分痩せています。


2024/4/22UP

『 最 終 回 』


一般社会から僧侶の道に進み3年、やっと和尚として歩き出す準備が整いました。仲のいい友人、お世話になった先輩を招待し、ささやかな宴を開きました。彼には今後、社会に役立ち檀信徒の皆様に好かれる和尚になってほしいと願います。これで「和尚までの道のり」は最終回とさせていただきます。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。もし次のご報告があるとしたら彼の入寺式になると思います。
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