妙なこと 第六話 (12)

「軽がなかったけど、お母さんかあー、乗ってったのは?!。」
と、修二が言うと、
「そういえば!。さっき来るときクラクション鳴らした車があったけど!。」
「おばさんかなあ?!。」そう健介がいました。
「そうかあー?!。気がつかなかった!。」と、修二が言ったのです。
「お母さん!。いつの間にいなくなったんだ!。」
「ひとこと言ってけばいいのに!。」
と、義雄が赤い顔をして言ったのです。

するとじきに車の音が聞こえたのです。
車から美加と美津子が降りて、玄関に入ってきました。
「ただいま!。」「ただいま。!」
そう言ってふたりが玄関を上がり、居間に来ました。
「お帰り!。」「お帰り!。」そう義男と、修二が言いました。
「ご無沙汰してまーす!。」そう健介が言いました。

「健ちゃん久しぶり、元気?!。」
「さっき美加を迎えに行くとき、あなたたちを見たので、
クラクション鳴らしたけど、気がつかなかった?!。」そう美津子が言いました。
「やっぱりあれは、おばさんかあー?!。」
と、言ったあと、
「みんな元気で何とかやっています!。」と、健介が言ったのです。

「もう、オネショしてないでしょうねえ?!。」と、美加が言うと、
「美加!。小さい頃のこと、いつまでも言うのはやめなさい!。」
そう美津子が言ったのです。
「ごめん!。挨拶代わりでつい言ちゃうのよ?!。」
「まあ!。家族のようなものだから。ね!。健ちゃん!。」
と、美加が、ベロを出して笑いながら言いました。
「お姉さんには頭が上がらないよ!。」と健介が言いました。
美津子は夕飯のしたくをしに台所に行きました。

小学校5年生のとき花火大会が終り、
健介は修二の家に泊まることになったのですが、
その夜にスイカを出されて、健介はスイカが大好物だったので、
みんなが食べ残したぶんまでたいらげたのでした。
その次の朝、オネショをして目を覚ましたのです。

その時に美加が、健介の面倒を見てくれたのでした。
それ以来、健介は美加には頭が上がらないのです。
健介はそれからは、修二の家には、泊まらなくなったのです。
そして、スイカを夜食べることは、もうありませんでした。
中学に入ってすぐ、健介の家は川向こうに引っ越したのです。

「お姉ちゃん!。鎌倉の七里ヶ浜で京子さんと、夏樹さんに会ったよ!。」
そう修二が言うと、
「やっぱり、鎌倉に行ったのね?!。」
「何で、あなたたち鎌倉へ行ったの?!。」
そう、美加が言いました。
「いろいろと友達を捜しまわっていたら、鎌倉まで行っていたんだよ!。」
そう修二が言いました。

「お姉さん!。ところで、きょう家庭教師に行った家の高校生の名前。
”純一”って言わない?!。」
そう健介が言うと、
「よくわかったわねえ?!。健ちゃん同じクラス?!。」
そう美加が言いました。そして、
「まったくおぼちゃまで、困るのよ!。」
「しょうがないから私が彼のお姉さんに2年間なるってことで、
家庭教師を引き受けたのよ!。」
「修二のこと言ったら、クラスが違うからよく知らないって言ってたわ!?。」
そう美加が言ったのです。

「あのやろー、ふざけやがって!。」
「俺が心配して江ノ島まで行ったのに!?。」
「お姉さん!?。ジュン!。学校行ってないの聞いた?!。」
そう健介が言うと、
「ぜんぜん!。そんなことひとことも言ってなかったわよ!。」
「でも!。私が家庭教師やるからには、
ビシバシしごくから、覚悟しておきなさいって、言っといたわ!。」

「ずっといっしょに暮らしてた、親戚のお姉さんが、
家を出てったのは聞いたけど?!。」
と、美加が言いました。すると、
「あのお姉さんかあー?!。」
「まあ!。あいつの気持ちもわからないではないけど!?。」
と、健介が言ったのです。

「ねえ!。健ちゃん。その親戚のお姉さんとわたしと、どっちがきれい?!。」
そう美加が訊くと、
「それは、お姉さんのほうがきれいだよ!。」
と、うれしそうに言いました。

「あっ、そう!。ならいいけど!。」
と美加が言うと、
「へへへ!。俺は京子さんと、夏樹さんのほうがいいね!。」
「出てるとこが出てるし、ビキニが似合っていたよ!。」
「お姉ちゃんは、出てるとこが引っ込んでるんじゃん!。」
と修二は、つい口を滑らしてしまったのです。
「何言ってるの!。確かにあの二人には負けるけど!。」
「わたしは、ふつうよ!。ふ、つ、う!!。」
「夕食のしたく手伝ってこようっと!。」
そう美加は言うと、台所に行ってしまったのでした。

健介はそれから修二のうちで夕飯をご馳走になり、8時過ぎに帰ったのです。
日曜が過ぎ、月曜日に学校に行くと、クラスに純一が来ていたのでした。

「久ぶりだなあー!。」
「土曜日に、江ノ島までお前を捜しに行ったんだぞ!。」
「修二もいっしょに行ってくれたんだ!。」
そう健介が言うと、
「悪かったな!。心配かけて!。」
「お前だけだよ!。俺のこと心配してくれたのは!!。」
「これからまじめにやるから、よろしくな!。」
「それから、きょう新しい携帯電話買いに行くから、付き合ってくれよ!。」
と、純一が言うと、
ふたりは、何事もなかったかのようにうれしそうに話を続けたのでした。

これで、お。し。ま。い。

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