妙なこと 第六話 (2)

待ち合わせ場所で、修二の親友の健介が、携帯を取り出したところでした。
「おーい!。ケンスケえー!ごめん!ごめん!。」
そう言って、修二がやって来ました。
「オマエー!。ぎりぎりだぞー!!。」
「もう切符、買ってあるから!。」
「とにかく行こう!。」
そう健介は言うと、走り出したのでした。

修二もそのあとについて、走って行きました。
改札口のすぐ近くで、
「修二!。これ切符!。」
そう言って健介が渡しました。
「おおー!。サンキュー!。」
そう言って修二は切符を受け取ると、
健介の隣の改札口から入ったのです。
それから一気に階段を上ってまた降りると、プラットホームに出たのでした。

ちょうど電車が入ってきました。
電車は混んでいましたが、ふだんの日よりはるかに、空いていました。
「よっしゃー!。間に合った!。」
と修二が言うと、
「ああーよかった!。」
と、健介が言いました。
そしてふたりは顔を見合わせると、笑ったのです。

「あぶなかったなあー?!。」
「この電車に乗り遅れると、23分待たなきゃならないから!?。」
そう健介が言いました。
「えー!?。」「そんなに待つのかあー?!。」
「次の電車は5分待てば来たはずだけど?!。」
「書いた紙を忘れちゃったから、はっきりわからないけど!。」
そう修二が言うと、
「お前!。ちゃんと調べたのかよー!?。」
と、健介が言いました。

「時間はちゃんと調べたけど!。メモった紙を忘れたんだ!。」
そう修二が言うと、
「朝寝坊して、慌てて来たからだあー!。」
健介が笑って、そう言いました。
「まあ!。それはそうだけど!。」
そう笑ってごまかした修二でした。
「だけどちゃんと調べてないじゃん!。」
「だって!。次の電車だと3回乗り換えなきゃならないんだぞ!。」
「しかも余分に時間も掛かるんだ!。」
そう健介が言いました。

「さすがー?!。健ちゃん!。抜かりはないねえ!。」
そう修二が言うと、
「当たり前だい!。こちとら江戸っ子だい!。」
「抜かりはないやい!。」
そう健介が言い、
「じゃあー!。江戸っ子!!。」
「なんか食べ物はないかい?!。」
と修二が言うと、
「ちょっと待って!。」と言い、
健介はショルダーバッグから、おにぎりを取り出したのです。

「しょうがねえなあー!。」
「じゃあ!。これと、これ!。」
そう健介は言うと、おにぎり1個と、
500mlのペットボトルのお茶を手渡したのです。
「サンキュー!。」
そう修二は言うと、電車の中だったのですが、
おなかが空いていたので、周りの目も気にせず、
ゆっくりと味わって、食べたのでした。

「ああ!。うまかった!。」
「ところで健介!。なぜ、おにぎりなんか持っていたんだ?!。」
そう修二が訊くと、
「おにぎりを、海水につけて食べるとうまいんだ!。」
「だから、お母さんに言って、おにぎりを作ってもらったんだ!。」
「もう一つあるけど!。食うかあー?!。」
そう健介が言いました。
修二とおにぎりを海水につけて食べようと思って、
おかあさんに2個作ってもらったのでした。


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