妙なこと 第五話 (2)

美津子は、急いでホタテの缶詰の空き缶を持って、
修二の後を追いかけたのでした。
「しゅうじー!!。」「待って!。」
そう言って、玄関を出て道路に出ると、
大きな声で、自転車に乗って走っていく修二に向かって、
「しゅうじー!!。」「しゅうじー!!!。」
と叫んだのでした。

その声を聞いた修二は、急ブレーキを踏み、
止って後ろを振り向いたのです。
「なにー?!。おかあーさーん??!。」
と、修二も大きな声で叫んだのです。すると、
美津子が大きく腕を振り、
”おいで!おいで!”の格好をしたのでした。
修二はそれを見て自転車をUターンさせて、
自宅へと戻ったのです。

「なに?!。お母さん?!。」
と、修二が言うと、
「よかった。間に合って!!。」
「あんたも!。
そんなに急いでいかなくても、いいじゃあないの!!。」
「この缶詰じゃあなきゃ!。だめなの!!。」
そう美津子は言うと、缶詰の空き缶を修二に見せたのでした。

「どのホタテの缶詰でもいいんじゃあ、ないのかあー?!。」
と修二が言うと、
「お母さんもいろいろ試してみたんだから!!。」
「この缶詰が一番、マカロニサラダに合うのよ!!。」
と美津子が言ったのでした。

修二はその空き缶を受け取ると、
自転車の前のカゴに入れると、飛び出さないように
ネット状になったゴムでできたカバーを、セットしたのでした。
それを見ていた美津子は、
「それなら、空き缶が飛び出ないわね!。」
「じゃあ!。頼んだわよ!。」
と言ったのです。すると修二は、

「まかせなさい!。」
と言って、自転車を方向転換させると、
ダイエーのほうに向かって走っていったのでした。
美津子は、”やれやれ”という気持ちで修二の後姿を見送ったのです。
それから玄関に戻り、台所に行き手を洗うと、
また夕食の支度の続きを、始めたのでした。

修二は、安いホタテの缶詰を買って、
お駄賃の額を増やそうと考えていたのですが、
あっけなく、無駄な考えとなってしまったのです。
「ちぇっ!。残念だなあー!!。
うまく安いのを見つければ、儲けることができると思ったのに?!。」
と、本当にくやしがった修二でした。
(実際にあったことかも知れましぇーん!!。)

修二は橋の入り口まで来ると、
「そういえば!。腹減ったなあ!!!。」
とつい独り言を、言ったのです。
修二の家から橋までは少し上り坂でした。
橋からダイエーまでは、ほとんど平らな道だったのです。
「そういえば、ダイエーにマックがあったんだあ!。」
「お釣りが200円かあー?!。」
「微妙な金額だなあー!?。」
などと考えながら修二は、ダイエーまで行ったのでした。

2階の食料品売り場のところで、
修二は、美津子がよこした空き缶と同じ、
ホタテの缶詰を買ったのです。
「お母さんやっぱりしっかりしてるなあー!?。」
「ぴったしだよ!。」
買った缶詰4個と、領収書を買い物袋に入れ、
買い物袋の口をしばったのです。
そして、持っていった見本の空き缶を、
空き缶専用のゴミ箱に入れると、
ハンバーガーの店マックの前に行ったのでした。

修二は、自分のズボンのポケットに手を突っ込みました。
500円玉が出てきたのです。それを見て、
携帯電話を取り出すと、
「700円かあー?!。」
「うーん!。微妙なとこだなあー?!。」
と、言いながらマックのサイトにアクセスしたのです。
ケータイクーポンのサイトに入会していたのでした。

もちろん誰かと似ていてしっかりしているので、
それは当然、無料のものでした。
そしてざっと見終わると、
「帰ってから、夕飯も食わなきゃならないしなあー!?。」
そう言って、サイトへの接続をやめたのでした。


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