妙なこと 第四話 (13)

蒜山インターチェンジから10キロほど走ると、
左に曲がる道路がありました。
「ここだな!。」
そう義雄は言うと、左に曲がりました。
しばらく走るとトンネルに入ったのです。
そこを抜けると道路は、緩やかな下り坂になったのでした。
もうすっかり日が昇り晴れていました。

「腹減ったなあ!。」
「もう山道からちらほら民家が見えてきたから、
どこかにコンビにでもないかなあ?!。」
義雄がそう言うと、亮も、
「そうだね!。腹減ったなあ!。」
と言い、二人がそう話していると、
倉吉市の表示が見えたのでした。

「市内の文字は久しぶりに見た気がするな!。」
「ほとんど、町か、村だったもんなあー!!。」
そう義雄が言うと、
「そうだね!。神戸を過ぎてからは、
大きな明るい灯りは見てないよ!。」
「虫がすごかったのが、印象に強く残っているだけだね!。」
「まして夜中走ってきたから、余計そう思うね!。」
と、亮が言いました。

「あそこに、コンビニがあるよ!。」
そう、亮が見つけて言いました。
そして、車をコンビニの駐車場に止めたのでした。
「腹減った!。腹減った!。」
義雄がそう言うと、
「俺もだよ!。」
亮もそう言うと、
二人でうれしそうにコンビニに入って行き、
食べ物と、飲み物を買ったのです。
二人は車の中でそれを朝食として、おいしそうに食べたのでした。

食事を済ませると、そのコンビニで地図を探したのです。
鳥取県の地図はあったのですが、
倉吉市内の地図は、置いてありませんでした。
その地図を見ると、主な市内の拡大図が載っていました。
「しょうがない!。これでいいかあ?!。」
「でも一応、店員に訊いてみるよ!。」
そう義雄は亮に言うと、店員に、
「すいません!。倉吉市内の地図はありませんか?!。」
と尋ねると、

「申しわけありません!。
地図は、そこに出ているものしか今はありません!。」
そう答えたのでした。
「そうですか!。じゃあ!。これをお願いします!。」
そう言うと、カウンターにもって行き、
その地図を買ったのです。

買うとすぐに亮が、地図を見ながら、
「この地図に、お袋の入院している病院が載っているよ!。」
「主な広い道だけみたいだけど!。だいたいわかるよ!。」
と言ったので、
「そうか!。だいたいわかれば!。あとは道を訪ねればいいからな!。」
そう義雄が答えたのでした。

二人は車に乗り込むと、シートベルトをしました。
義雄は、サイドブレーキを降ろすと、
コンビニの駐車場から出て、
母親の入院している病院を目指したのです。
川を渡り、車が多く走っている道路に入ると亮が、
「なんか!。鳥取だけに、走り方が”おっとり”しているね!。」
そう言いました。すると、
「うまい!。」
そう、義雄がうれしそうに、言いました。
「いや!。ホントにそう思ったから言ったんだよ!。」
「まあ!。シャレも入ってるけどね!。」
亮もうれしそうに言ったのです。

少し道路が混んでいて、ゆっくり走っていたので、
周りの景色を見ながら、義雄が言ったのです。
「やっぱり来たことがあるぞ!。」
「子供の頃な!。みんなとバスで!。小学生のときだ!。」
そう言った時に、
「兄さん!。すぐの信号を右折するんだよ!。」
と、亮が言ったので、義雄は車を右折レーンに入れたのでした。
右折すると病院はすぐにわかりました。
病院の玄関で車を止めると、亮が急いで降りて行き、
受付で病棟と、駐車場を聞いてきました。

車に乗り込むと、
「駐車場は、川沿いに道があるから行けばすぐわかるって!。」
「病棟は、駐車場のところから入ることができるってさ!。」
亮がそう言うと、
「ご苦労さん!。」
「そこの川だな!。」そう義雄は言い、
ゆっくりと車を走らせ川沿いに行くと、駐車場がありました。
駐車場に入り、二人は車を降りました。
「こっちの病棟だって!。」
そう、亮が病棟を見て言ったのです。

義雄が駐車場と病棟を見て、首をかしげました。
そのしぐさを見ていた亮が、義雄に訊いたのです!!。
「兄さん!。まさか!。子供の頃、
この病院に来たって言うんじゃあ、ないだろうね?!。」
すると義雄は腕を組み、
「うん!。お前の言うとおりだ!。」
「なぜバスで、この病院に寄ったのかわからないけど!。」
「間違いなく、この病院だ!。」
そう言うと、再び駐車場と、病棟を眺めたのでした。

これで、お。し。ま。い。

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