妙なこと 第四話 (2)

「じゃあ!。お母さん!。今からおふくろが入院している
病院に行くから!。」
「亮が交代で運転していかなきゃ無理だって言うんで、
あいつが一緒に行ってくれるから少しは安心だよ!。」
そう美津子に義雄が言うと、
「お父さん落ち着いてわかるように話してよ!。」
騒ぎを聞きつけてきた美加が言いました。

「お袋が、つまりお前たちおばあさんが、旅行先で倒れたんだ!。」
「それで、旅行に一緒に行った人が、連絡してくれたんだよ!。」
「その人たちも旅行の途中なので一旦ホテルへ戻って、
明日の朝9時ごろまでは病院にいるそうだけど、
飛行機の時間があるのであとのことはお願いしますと言われたんだ、
とにかく身内の人に来てもらいたいとのことなので、
今から、車で出かけるんだよ!。」
「亮おじさんに連絡したら、
夜中一人で運転していくのは大変だから一緒に行ってくれるそうだ!。」
「命には別状ないそうだから!。」
「だけど今は、集中治療室にいるそうなんだ!。」
義雄がそう話すと、それを聞いてた修二が言いました。

「おばあちゃん!。先週会ったとき、ピンピンしてたのにね!。」
「でも血圧が高いって言っていたけど!。」
「俺もついていこうか?!。」
そう言うと、
「あんたが行ったって、何にも役にはたたないわよ!。」
「ばあーか!!。」
そう美加が言いました。

「とにかく親父にはお前から連絡しておいてくれ!。」
「命には別状ないから、
よけいな心配をするなって、うまく言ってくれ!。」
「お金のほうは、銀行のカードがあれば何とかなるから!。」
美津子にそう言うと、
「じゃあ!。着替えてくるから。」と言って、
義雄は、夫婦の部屋に行ったのでした。

「とにかく、お父さんのところに連絡を入れなきゃ!。」
美津子はそう言うと、
すぐに義雄の父”義久”のところに電話をかけたのでした。

義久のところに電話をしながら言いました。
「だけど変ね!。何でうちに電話がかかってきたのかしら?!。」
電話が通じるとメッセージが聞こえてきました。
「今、留守をしております!。」
「御用のある方は、
”ピー”という発信音のあとにメッセージをお入れください!。」
「これだわ!。」美津子が思わず言いました。
「おじいちゃん!。留守電にしてあるのよ!。」
美加と、修二に向かって言いました。
二人は一緒に「プッ!」と、笑いました。

「相変わらず、おじいちゃんやってくれるわね!。」
美津子がそう言って電話を切ると、
「修二ね!。おじいちゃんに留守電の設定の仕方を教えたのは!。」
美加が言いました。
「だって!。おじいちゃん!。
くだらない電話ばかりかかってくるって言ったんだもん!。」
「だから丁寧に、わかりやすく教えてやったんだ!。」
「”ホー!。便利だな!。”って喜んでいたよ!。」
「ばかね!。おじいちゃんが留守電を、
再生して聞くわけ無いでしょう!。」
美加が言いました。

「困ったわねえ!。」そう美津子が言うと、
「私が学校の帰りに、おじいちゃんのところに行って来るからいいわ!。」
美加がそう美津子に言いました。
「そう!。じゃあ、そうして頂戴!。」
「一応、留守電には、入れておくから!。」
そう言うと、もう一度電話をかけなおして、
美津子はメッセージを入れたのでした。

義雄が着替えを済ませて居間に来ました。
「親父に連絡してくれた?!。」
そう美津子に訊くと、
「それが、お父さん!。留守電にしてあるのよ!。」
「一応メッセージは入れておいたけど!。」
「お父さんのことじゃあ!。
再生して聞くなんてしないでしょうから、
美加が学校の帰りにお父さんのところに寄ってくれるそうです!。」
と答えたのです。

「よく留守電のやり方ができたなあ!。」と義雄が言うと、
「丁寧にわかりやすく、設定の仕方を、
教えてくださった奇特な方がいたそうですよ!。」
「その方が今さっきまでここにいたんですけど!!?。」
と、美津子が言ったのでした。


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