ブログ小説　妙なこと　第三話

　　　　　　妙なこと　第三話　（９）

「だから、そのときは突然オレンジの物体が現れたんで、
びっくりしたし、興奮したけど！。
いったいやつらは何が目的だったのかって、今でも不思議に思うよ？！。」
「そして裾野あたりから沼津インターまで、
お父さんたちは車だから、道路を走ってきてただろ！。」
「オレンジ色に輝く物体も、お父さんたちの車に合わせて、
同じように東名の少し上のところを飛んできたんだよ！。」
「沼津インターでお父さんたちの車が降りると、
一緒のようにお父さんたちと同じに東名から降りて来たんだけど、
出口から３００ｍぐらい来たところで、
お父さんたち車を追い越して天城のほうに飛んで行ったんだ！。」

「お父さんは、オレンジ色に輝く物体に乗っているやつらは、
きっと！。石川さゆりのファンだったのかもしれないと思ったんだ！。」
「”天城越え”をしてったからね？！。」
「え、へ、へ、！！！。」
そう義雄が言うと、
「それって、”親父ギャグ”って言うのじゃあないの？！」
と、美加が言いました。

「お父さんのはちょっと甘いね！。」
「だって！。天城のほうに飛んでったのは確かだろうけど！。
越えてったかは、わからないじゃあないか？！」
「８０点って、ところだね！。」
と、修二が言いました。
「きびしいなあ？！。お前の採点は！。」
そう笑いながら義雄が言うと、
「ばかばかしい！。結構わくわくしたのに！。
最後にくだらないギャグで締めくくるなんて！！。」
と、美津子が言いました。
「ほんとだよ！。」「くだらないギャグを言うなんて！？。」
と、和雄も言いました。

「でも途中からすごくおもしろかったですよ！」
「雨がやんだとたんに現れるとこなんか特に！。」
そう言ってなぐさめる京子でした。
「でも本当に体験したことだけど！。証拠がないんで、
親しい人にしか話してないんだ！。」
「証人は４人見てるんで、いるんだけど！。」
そう、義雄が言いました。

「ところで、沼津インター降りてからどうしたの？！」
修二が訊きました。
「そんなわけで、オレンジに輝く物体は、天城のほうに飛んでいちゃったので、
お父さんたちは民宿に向かったんだ！。」
「道なりにまっすぐ下っていくと、旧の２４６の道にぶつかるんだ！。」
「右に曲がって旧２４６を道なりに進んでいくと、
右にホテルがあって、左には”すかいらーく”だったかなあ？！」
「とにかくファミレス。ファミリーレストランがあって、
その交差点を左に曲がって、道なりに行くと、すぐに狭くて高さのない、
上に電車の走っている短いトンネルをくぐるんだ！。」

「バスなんか通れるのかなあ？！。」
「まあいいか！。その道を道なりに行くと橋の手前に交差点があるんだ！。」
「その道を左右に走ってるのが旧の国一なんだ！。」
そう義雄が言うと、
「旧の国一って言うと、国道一号線のこと？！。」
そう修二が訊きました。
「そうだよ！。そしてその交差点で、旧の２４６が終わりなんだ！。」
義雄がそう言うと、
「へえー？！。沼津で旧２４６って終わりなんだ？！。」
「知らなかったよー！？。」そうびっくりしたように修二が言うと、
「私も知らなかったわ！。」「私も！。」
美加と、京子が言いました。

「じゃあ！。今の２４６は？？！」と、修二が言ったのです。
「それは、お父さんたちがオレンジ色に輝く物体と一緒に、
東名を下りて来たって、話しただろう！。」
「そしてオレンジの物体がお父さんたちの車を追い越していった、
そのあたりが今の２４６の終わりなんだ！。」
と、義雄が言うと、
「じゃあ！。今の２４６の終わりのところまで一緒だったってこと！。」
そう、修二が訊いたのでした。
「そうだよ！。だから意図的にそこからお父さんたちの車を、
追い越していったとしか考えられないんだ！。」

「沼津インターからの道は曲がりくねった道じゃあないんで！。
もし一緒にくっついてこようと思えばかんたんなはずさ！。」
そう義雄が言ったあとすぐに、
居間にある時計が９時の時報を告げたのでした。
「ああ！。もう九時だ！。京子さんを送っていくんだろう？！」
と、義雄が言うと、
「うん！。」和雄がそう答えたので、
「じゃあこれで終わりだ！。」そう言った、義雄でした。

「どうもありがとうございました。」
「ごちそうになってばかりで！。」
　と、京子が言うと、
「気にしない！。気にしない！。」美加がそう言いました。
「遠慮しないでまた寄ってね！。」
と、美津子が言ったのです。
みんなで玄関まで送ると、
和雄と、京子が急ぎ足で京子の家に向かったのでした。

これで、お。し。ま。い。

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