ブログ小説 妙なこと 第十四話(2)

修二は食べ終わると、
食べた食器を、流しの洗い桶に入れたのです。
するとすぐ居間へテレビを見に行ったのでした。
それからじきに、
風呂から義雄が出てきたのです。

「ああー!?さっぱりしたあー!??」
「お母さんビールを先飲むかー!?」
「きょうのおかずはカレーかあー!??」
と義雄は言ったのでした。

すぐに美津子がビールとジョッキを冷蔵庫から取り出し、
「ジョッキあんまり冷えてませんけどー!?」
「きょうは、冷蔵庫で冷やすの忘れたんで!?」
「冷凍室で冷やしましたから!?」
と言ったのでした。

「このぐらい冷えてれば十分だよー!?」
と言って義雄は、
美津子がジョッキへ注いでくれたビールを一口飲んだのです。
「きょうのつまみは肉じゃがだな!?」
と言うと義雄は、つまみの肉じゃがをほおばったのでした。
そして美津子は席につき、
残っているカレーを食べ終えたのです。

流しで、美津子は洗い物をしながら、
「お父さん!?きょうはお風呂から出るの早かったんですねえー!??」
と言うと、
「そうかあー!?」
「いつもより少し長ないと思ったけどおー?!」
「早かったかあー??!」
「修二にまた笑われちゃうなあー!?」
と義雄はニコニコしながらそう言うと、ビールを一口飲んだのでした。

「きょうは早かったって!?何分ぐらいだったんだあー!??」
と義雄が言うと、
「食堂に来たとき、9分でしたよー!?」
「風呂場で”風呂入るぞー!?”って言ってから!?」
と美津子が答えたのでした。
「そうかあー!?」
「きょうは頭を洗ったからなっ?!」
と言って義雄は、肉じゃがを食べたのでした。

義雄はビールを大瓶で1本空けると、
軽くカレーを食べ、居間に向かったのです。
「きょうは9分だってお母さんが言ってたぞー!?」
と居間に入ると修二に言った義雄でした。

「そうー!?」
「じゃあー!?きょうはお母さんと引き分けだあー!??」
「お母さんが10分だって言って、俺が8分だって言ったから!?」
と修二が言うと、
「いつもはもう少し早く出ているかもしれないけど!?」
「頭を洗うと、やっぱり時間がかかるんだよなあー!??」
「時間にばらつきが出るんだあー!??」(だから?何を言いたいのー??)
と義雄が言ったのでした。

「きょうは野球があるだろう!?」
「チャンネル変えてくれよー!?」
と義雄が言うと、修二は新聞のテレビ欄を見て、
野球をやっているチャンネルに変えたのでした。
「お父さん!?NHKの衛星で!?」
「ロッテ・オリックス戦やっているけど!?」
と言うと、
「じゃあー!?リターンにセットしてくれー!?」
と義雄が言ったのでした。

修二はチャンネルを切り替え、セットすると、
「きょうはドームじゃあないから!?」
「巨人戦、最後まで放送しないよー!??9時までだよー!?」
と言ったのでした。

「なんだあー!?まったく最近じゃあー!?」
「延長しないことが多くて困ったもんだあー!!?」
と義雄が言うと、
「最近そういえば、何年か前よりCMの時間長いような気がするねえー!??」
「野球に限らずさあー??!」
と修二が言ったのです。

「宣伝専門のチャンネルもあるしなあー!?」
「30分とか1時間とか!?」
「販売だけが目的の番組もあるしー!?」
「でも!?本物の商品を見ずによく買うよなあー!??」
「俺のような親父には理解できん!!?」
と義雄が言ったのでした。

「うちの家族は考えが古いのかも!?」
「テレビで商品を見ただけでは買ったことないから!?」
「インターネットでなんか買えないよねえー!?」
と修二が言うと、
「ショッピングなんてものはー!?」
「手に取って見て買うから、楽しいんだと思うけどなあー!?」
と義雄が言ったのでした。

「時間がもったいないからという発想はなんとなくわかるけど!??」
「時間てさあー!?」
「お金では買えない、貴重なもんなんだよねえー!??」
「いろいろなことをやりたい時は!?」
「1日(いちにち)24時間じゃあー!?」
「足りないと思う時あるもんなあー!?」
と修二が腕を組み、そう言ったのでした。

「でもなっ!?修二!!?」
「名古屋のおじさんの話やお父さんの不思議な話を聞くと!?」
「時間や場所の概念がわからなくなる時がないか??!」
と義雄がめずらしくまじめな顔をして言うと、
「そうだねえー!?」
「すべて実際に体験した話だから!?」
「俺も小田原にお父さんと釣りに行ったとき!?」
「不思議な体験をしてるからねっ!!?」
と修二が言ったのでした。

そして急に修二は立ち上がり、
「風呂、入るよー!??」
と言うと、居間を出て階段を上がり、
自分の部屋に向かったのでした。


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