妙なこと 第一話 (2)

「ああ、うまかった!!」
「久しぶりに食べたけどやっぱー、うまいなー!?」と和雄が言うと、
「たまにはお兄ちゃんおごってよ?!」
「お母さんたちばかりに払わせないでぇ!?」と、美加が言ったのです。
「お姉ちゃんだってバイトしているんだから、二人で払ったら?!」
と、修二が余計なことを言ってしまったのでした。

「お兄ちゃんは、社会人!わたしは、学生でしょ!?」
「もらってる金額も違うし、当然お兄ちゃんが払うべきよ!!」
と、美加がはすをとがらせ言ったのです。
「久しぶりに家族全員で食事したんだから、や。め。な。さい!!」
と、美津子があいだに入って言ったのでした。

車に全員が乗り込むと、
「お父さん!?買い物をして行くからスーパーに寄ってって!!?」
と美津子が言うと、
「どこのスーパーに行くんだ?!」
「いつものとこか!?」と義雄が言うと、
「うん!いつものとこ!!」と、美津子が答えたのでした。
夫婦の会話はこんなものである。

「待ってよー!?買い物行くんだったらヨーカドーにしてよー!!?」
と美加が言ったのです。
「俺もヨーカドーがいい!!」
「見たい本があるから!?」と修二が言うと、
するとすかさず和雄が言ったのです。
「どうせエロ本だろー!??」すると、
「そのとーりー!」と笑いながら修二が答えたのです。
みんなで大笑いしてヨーカドーヘ向かったのでした。

日曜日なだけに駐車場はかなり混んでいたが、
ちょうどタイミングよく出た車がいたので、そこに入れることができたのです。
「じゃあ、お父さんと地下で買い物するから、1時間したらここに来てよ!!?」
と、美津子が言ったのです。
「わかった!」
「いけねー!俺、時計忘れたよ?!」と修二が言うと、
「修ちゃん、私が時間がきたら迎えに行くから、本屋でしょ!?」
と、美加が言ったのでした。

「いいよ、美加!?俺はCDのとこだから、俺が行くよ!?」
と和雄が言うと、
「わかったわ!?」
「じゃ2時半に!」と、美加が言ったのです。すると、
「じゃあ、2時半だな!」と和雄が言ったのでした。

修二が和雄の腕を持って時計を見ながら言ったのです。
「1時間後か?!じゃあ、2時27分35秒だな!?」
それを聞いていたのは、和雄だけだった。
「おい修二!みんな行っちゃたぞ!?」
「えっ、はやー!?」
みんなそれぞれの目的のところへ出かけましたとさ。

「修二!もうそろそろ時間だぞ!!?」と和雄が言うと、
「もう、2時25分頃になった?!」と修二が言い、
「いま2時20分だけど!?」と和雄が答えると、
「車のところまで5分あれば楽勝だよ!」と、修二が言ったのでした。
「美加がいるところにまわって行こうと思ってな!?」と和雄が言うと、
「友達がバイトしているところ?!」と修二が言い、
「ああ!?」と、和雄が言ったのです。

2人で美加の友達のバイト先に向かったのでした。
「美加、来てる?!」と、和雄が言ったので、
「いまさっき、時間が来たからって言って帰ったけど!!?」
「お兄さん!こんどおごってよ?!」と、美加の友達の京子(きょうこ)が言うと、
「こいつもか!」
「研修。研修で休む暇もなかったのに!」と、和雄は心の中でつぶやいたのです。

「おお!今度な!?」と和雄が言うと、
「いつ?」と京子が言い、
「わかったよ、わかったよ!」と、和雄が答えたのでした。
「今度の日曜日、バイト6時までだから!?」
と京子が言ったのです。そして、

「朝の6時か!??」と和雄が言うと、
「ふざけないでよ!」
「新しくできたレストラン。評判がいいのよ!?」「ね!」と京子が言い、
「わかったよ!美加に言っとくから!?」と和雄が言うと、
「お兄ちゃんもう行かないと!?」「じゃーねー!?」と、修二が言ったのです。
「バイ、バイ!」と和雄と修二は言うと、
二人は駆け足で車のところへ戻っていきました。

そういえば、車から出るときに美加が耳打ちしたのでした。
「お兄ちゃん!?」
「京子のところに寄ってから車に戻るから!?」
「もし時間があったら呼びに来て!!?」
和雄が京子のことを好きなのを美加は知ってたので、
必ず来ると呼んでいたのでしょう。
美加の作戦勝ちです。

和雄と修二が車に戻ると、3人は車の中で待っていました。
車の中に入るといきなり義雄が言いました。
「修二はともかく和雄が遅れるなんて珍しいじゃないか?!」
「ああ、へんなのに引っかかっていたもんで!ごめん!!?」と和雄が言うと、
「おなじく、ごめん!!?」と、修二も言ったのです。

「へんなのって、やくざ?」心配そうに美津子が訊(たず)ねました。
「違うよ、京子さん!」と、修二が言いました。
「なあーんだ!びっくりしたぁ!?」と、美津子が笑いながら言いました。
美加は、ニコニコしてました。
「さあ、帰るかー?!」と義雄が言うと、
みんな口々に言いました。
「はい」。「いこー」。「よしゃー」。「どすこい、どすこい!」

駐車場を出て道路に入るとかなり混んでいました。
きょうは、外は風が少し強いので、
風船を持っていた、幼稚園に通っているような小さい子が、
風船を放してしまって、
空高く行ってしまい、泣いていた子もいました。
その風船を見ていた修二が言いました。






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