本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものをたらふく用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
「でしょ!。”金だわし”だと直ぐ落ちるんだけど、
お鍋が傷になっちゃうから、こういう時困るのよねっ?!!」
と、育子は言ったのでした。
「一平ちゃん!。お風呂上りに何かいつも飲むの?!」
と訊くと、
「そーだなあー?」と言って、少し考えると、
「ウーロン茶か、缶ビールかな?!」
そう言うと一平は、椅子に腰掛けたのでした。
「いつもビールってわけじゃないんだあー!?」
「同僚と飲むようなこと言ってたから、毎日飲むんだと思ったの?!」
「ウーロン茶って少し苦味があるでしょ!?」
「わたし、最近は緑茶ばっかり飲んでるわ!」
と、育子が鍋を拭きながら、言ったのです。
「お茶っ葉は、あることはあるけど、急須もあるし、
お袋が揃えて置いてったから!」
「だけど飲まないなあー??!」と、一平が言ったのでした。
「そう!」
「嫌いなの?!」と、育子が訊くと、
「そんなことはないよ!」
「ただ!お茶っ葉を、急須に入れて、注ぐのはいいんだけど!?」
「茶殻も出るし、急須を洗わなきゃーだめだろ!?」
「面倒なだけさ!」
「コーヒーなら、茶殻は出ないからね!」
と、一平は言ったのです。
「わかったわ!これからはわたしがお茶を入れてやるからね!!?」
「そしたら飲んでくれる?!」
と、育子が言うと、
「うん!もちろん!!」
「何杯でも飲むよ!」
と、うれしそうに言った一平でした。
「じゃあ!片づけは済んだから!?」
「わたし、お風呂に入るわ!?」
「でも一平ちゃん!覗かないでよ!」
と言って、一平をけん制したのです。
「うん!そんなことはしないよ!」
「宣誓!」
「山本一平は、育ちゃんの入ってるお風呂場を覗かないことを、誓います!」
右手を上げて、そう言ったのでした。
「よろしい!」
「では、まいります!」
と育子は言うと、テレビのある部屋に行き、
着替えを持って、洗面所と脱衣所が兼用になっているところの、
防水カーテンを、閉める途中でもう一度、顔だけだし、
「覗いちゃ、やーよ!」と、念を押したのでした。
それからきっちりカーテンを閉めたのです。
足首は見えたので、着替えてる様子はなんとなくわかったのでした。
育子がお風呂に入ってるあいだ、何にもすることがないので、
一平は、冷蔵庫から缶ビールを取り出すと、
栓をあけ、ひとくち飲んだのです。
何かつまみはないかと覗くと、いろんな物が入っていたのでした。
「育ちゃんに訊かなきゃまずいなあー?!」
と言うと、自分が買っておいた、魚肉ソーセージを出し、
ビニールを歯で千切ると、ビニールを手でむいて、ひとくち食べたのです。
「これで、”洋がらし”があれば最高なんだけど!!?」
と言うと、なぜか、”洋がらし”の新しい箱があったのでした。
「育ちゃんが、買って来てくれたんだ!」と思い、
その奥に、”わさび”と”しょうが”の箱もあったのです。
そしてソースもしょうゆもあったのでした。
しかもしょうゆは、減塩しょうゆでした。
マヨネーズもカロリーが2分の1のものでした。
一平は、「いろいろと考えて、買って来てくれたんだなあー!??」
と、思ったのです。そして、
自分は何にも考えずに、今まで暮らしていたのが、よくわかったのでした。
一平は、育子が風呂から出るまでのあいだ、
缶ビールを少しづつ飲んで、気を紛らわせようとしていたのでした。
しばらくすると、育子が風呂から出たのです。
カーテン越しに、
「一平ちゃん!?このバスタオル使っていいのね?!」
と言うと、一平は、
「うん!もしよかったら、俺、拭いてもいいけど!?」
と言ったのです。
「だいじょうぶ!自分で拭くから!?」
と育子が言うと、
「残念だなあー!?」と、少し大きな声で、一平が言ったのでした。
それから少し経つと、洗濯機をまわす音がしたのです。
「これでいいわ!」
「一平ちゃん!下着洗濯したから!?」
と言うとすぐ、
「一平ちゃん!ドライヤー貸してね!?」
と言って、ドライヤーをかける音がしたのです。
「うん!いいよ!遠慮しないで使って!!?」
と一平が、言ったのでした。