ケッタイ小説 ふたりの会話(2)

ウルトラセブンさんと、サザエさんが道で出会ったのでした。

「セブンさん、お久しぶりですわねえー!??」

「これは、これは、サザエさん!?」
「お久しぶりです!?」
「ご無沙汰(ぶさた)しております。」

「いいえー!?こちらこそ!??」

「セブンさん!?きょうも暑いですわねえー!!?」

「ほんと!。暑いですねえー!?」

「どおー?!お元気??!。」

「まあー!?何とか暮らしてます。」

「いいですねえー!?サザエさんは!!?」

「何がですか??!」

「毎週、お仕事があって!!?」
「最近仕事がないんですよー!??」

「それはお困りですねえー!!??」
「もしよかったら、うちのディレクターに、話しましょうか??!」

「ええ!でもテレビ局が違うんで!?」
「いろいろ問題が起きても困るんで!?」
「お気持ちだけでうれしいです!。」
「ありがとうございます。」

「ところでセブンさん。」
「お仕事、最近始めましたあ??!」

「えっ?なんのことでしょうか?!。」

「セブンさんが、食事の宅配を始めたって聞いたものですから?!」

「えー!?誰ですか?!!そんなうわさを流しているのは??!。」

「ご近所の奥さんですわ!?」
「コンビニにパートで、お勤めに出ている方ですのよー!?」

「サザエさん!?。」
「それって、セブンイレブンのじゃあないんでしょうか??!」
「わたしは、ウルトラセブンですからー??!!」

「わたしの早とちりだったのかしら!??」
「ごめんなさいねえー!??」
「お、ほ、ほ、ほ、ほっ!?。」

「ところでセブンさん!?うわさで聞いたんですけど!!??」
「”外見が変わった”って聞いたんですけど!??」

そう言って、サザエさんは、
セブンの足先から頭の先までなめまわすように見たのでした。

「見たところ変わった様子はありませんねえー??!」
「へんだわねえー!??」
「確かに”外見が変わった”って聞いたんですけど??!。」

「誰ですか?!!そんな嘘(うそ)をサザエさんに教えたのは??!。」
「文句言ってやりますから、連れてきて下さい!!?」

「まあ、まあ、まあー!?」
「そんなに怒らないでください!!?」
「またわたくしの、早とちりかもしれませんからー??!。」

「ちょっと興奮(こうふん)してしまって!」
「”おとなげ”ありませんでした!?。」
「申し訳ございません!!?」

「それで、いったいそんなこと言ったのは、誰なんですかあ?!。」

「それがねえー!?」
「ご近所のおじさんですのよー??!」
「タバコ屋の!?」

「えっー!??」
「タバコ屋!!??」

「それって!7月の初めに出た。」
「新製品のタバコのことじゃあないんでしょうか??!」
「マイルドセブンのー!??」

「えっ!!?」
「そうなんですかあー??!」
「それは失礼なことを言いまして、申しわけございません!!?。」

「いいんですよー!?」
「誰にでも、カン違いはあるんですからあー?!!」

「それにしても、サザエさんらしいですねえー!??」
「たばこのマイルドセブンと!?」
「わたし。ウルトラセブンと!?」
「間違えるなんてえー??!。」

そしてウルトラセブンさんとサザエさんは、おじぎをすると、
ニコニコしながらその場から、
お互い違う方角に歩いて行ったのでした。

もしもこのふたりが会話したらの物語です。
会話の中に真実が見え隠れしています。
一話完結で、全九話です。
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