ドライブは誰といっしょに(^◇^) 第十二話(9)

「ああー!食った食ったあー!!?」
「瑞樹はもういいのかあー!??」
と良太が言うと、
「もうとっくに終わってるよー!!?」
「よく食うなあー!??」
と瑞樹が笑って言ったのです。

「ここだけの話だけどさあー!?」
「お父さんいないから!?」
「その分。せいせいと食べれたねえー!?」
とうれしそうに玲子が言うと、
「ホントだなあー!?」
「今度から、すき焼きの時はいつも欠席してほしいかも?!」
「まあー!?冗談だけどねっ!」
と、ニコニコしながら良太が言ったのでした。

「みずきー!腹いっぱいになったし!!?」
「もう行くかあー!??」
と良太が言うと、
「ちょっと後片付けしてくよー!?」
と瑞樹が言ったのです。するとすぐ、
「いいんだよー!瑞樹ちゃん!!?」
「きょうは相談に来たんだろー!?」
「ドライブのさあー!?」
と玲子が言ったのでした。

「お袋がそう言ってるんだからさあー!?」
「とにかく早く行って決めようぜえー!?」
と良太が言うと、
「気(きー)使わなくていいからねっ!」
「はい!いったいったあー!?」
と玲子が片付けながらそう言ったのでした。

「すいませーん!おばさん!!?」
「じゃあー!?お言葉に甘えて!!?」
「ご馳走様でした!!」
とすまなそうに瑞樹が言ったのです。
すると玲子が、
「相談早く済ませて、デザート食べようねえー!!?」
とニコニコしながら言ったのでした。

「はーい!!」
「じゃあー!すいませんけどー!?」
「あとお願いしまーす!!」
と言うとショルダーバッグを肩に掛け、
先に台所を出て階段を上っている良太のあとを、
追いかけて行った瑞樹でした。
そして玲子は、楽しそうに片づけをしたのでした。

良太が部屋に入り灯りをつけ、畳に座ると、
すぐに瑞樹も部屋に入って来たのでした。
瑞樹は座ると、ショルダーバッグからドライブの雑誌を取り出し、
「はい!これっ!!?」
と言って、良太に手渡したのです。
良太は雑誌を受け取ると、ペラペラとめくって、
「もう腹いっぱいで!なんか考えたくなくなったなあー!?」
と言ったのでした。

「あたしもー!?」
「同じー!!?」
「ちょっと休憩しよーっと!」
「いい枕があったあー!!?」
とうれしそうに言うと瑞樹は、
あぐらをかいている良太の左腿(ひだりもも)の上に頭を乗せ、
右肩を下にして、横になったのでした。

「いてえなあー!?」
と良太は言ったのですが、
そのまましばらく、雑誌をパラパラとめくっていたのです。

瑞樹は気持ちよくなり、
じきに目を閉じると、スヤスヤと寝てしまったのでした。
寝たことを良太は気がつかずに、
「どこがいいかなあー!??」
などと言いながら、雑誌を見ていたのです。

しばらくしてから、
「みずきー!?」
「ここどうかなあー!??」
と良太が雑誌を見ながら言うと、
なんにも反応がなかった瑞樹でした。
すぐに良太は、あぐらをかいている左足を軽く上下に動かしたのです。
それでも返事がないので、良太は耳の中に息を吹き込んだのでした。

「いやあーん!!」
と言って瑞樹は急に起き上がり、正座をして座ったのです。
そしてすごーく大きな声で、
「何すんだよー!!」
と良太に向かって言ったのです。

その声を聞いた玲子が、
あわてて階段を駆け上がって来て部屋に入ると、
いきなり大きな声で、
「どうしたあー!!??」
と言ったのです。
ふたりがキョトンとしていると、
それを見た玲子が、
「間違いでも起こしたのかと思ったよー!!?」
と言って、膝(ひざ)から崩れるように座ったのでした。

「コイツよー!」
「寝ちまったから!?」
「耳の穴に息吹き込んでやったあー!?」
「それだけだよー!!?」
と良太は言ってから、
「なあー!みずきー!!?」と言ったのでした。

「うん!!」
と瑞樹が答えると、
「ああー!びっくりしたあー!?」
「良太!!」
「紛らわしいことすんじゃないよー!!?」
と言うと、
玲子は立ち上がり、部屋を出て行ったのでした。

「こっちがびっくりしたわあー!!?」
「ふたりともでかい声出しやがってよー!!??」
「まったくー!!?」
と言って、下を向きふくれっ面をした良太でした。

「ごめんねえー!?」
「りょーたあー!??」
と言って瑞樹は良太の顔を下から覗き込んだのです。
すると良太はいきなり瑞樹を抱き寄せ、
唇にキスしたのでした。

そしてすぐ身体を離し元に戻すと、
「これでアイコなあー!!?」
と良太が言ったのです。すると瑞樹は、
「うん!」
と言って軽く頷(うなず)いたのでした。






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