ドライブは誰といっしょに(^◇^) 第十二話(8)

すぐに玲子が、
「お帰りー!」
「瑞樹ちゃん。いらっしゃーい!!?」
「上がってえー!?」
と、台所から玄関に出て来て言ったのです。

「おばさんいつもすいませーん!!?」
「デザートで食べるように!」
「ミスドで買ってきたんですけどー!?」
「こっちはおじさんと良太ので!」
「こっちの箱はおばさんとあたしのー!!?」
「はーい!!?」
と言って、瑞樹は玲子に手渡したのでした。

「ありがとうねっ!」
「気使ってもらってー!!?」
とニコニコしながらそれを受け取ると、
「先に手洗ってきてえー!?」
と言って台所に戻った玲子でした。

「はーい!!?」
と言って瑞樹は答えると、
ふたりは靴を脱ぎ上がり、
すぐに洗面所に向かったのです。すると、
「りょうた!先洗いなよー!?」
と瑞樹が言ったのでした。

「おおー!」
と良太は答え、持っていたショルダーバッグを瑞樹に渡し、
先に洗面所に入ると、
手を洗い顔を洗い、うがいをしたのでした。

「じゃあー!?」
「先行ってるからなあー!?」
と言うと良太は、台所に向かったのです。
そしてすぐ良太と入れ替わり、洗面所に瑞樹が入ったのでした。

良太は台所に来て、
「オヤジきょうは遅いんだあー!??」
と言うと、
「瑞樹ちゃんに会いたがっていたけどねっ!」
「きょうは飲むんで、どうせ代行だろう!??」(代行=代行運転を頼むことの略)
と玲子が、うれしそうに言ったのでした。

「なんかさあー!?」
「オヤジがいないほうが?」
「お袋。生き生きしてるじゃんかあー!?」
と笑いながら良太が言うと、
「亭主元気で留守がいい!!」
「みんなそういうじゃん!!?」
と笑いながら玲子が言ったのです。

「なるほどねえー!?」
「倦怠期(けんたいき)かあー!??」
と良太は言ったあと、
「スゲエー!!?」
「珍しく!”すき焼き”かよー!??」
と言って驚いたのでした。

「たまにはいいだろう!??」
「お父さんも、こんな時には来ないんだもんねえー!?」
「少し残してないとうるさいからさあー!?」
「先にお父さんの分だけ!」
「別にとっといてあるから!?」
と玲子がうれしそうに言ったのでした。

「牛(ぎゅう)はここに入っているだけだからねっ!」
「あと、食べちゃったら豚肉買ってあるから!?」
と玲子がさも当然のように言うと、
良太は苦笑いして、
「それはいつもと同じかあー!??」
と言ったのでした。

そんな話をしていると、
瑞樹がショルダーバッグを肩に掛け、
台所にやってきたのです。

「瑞樹ちゃん!?」
「最近。きれいになったねえー!?」
と言うと、
「そうですかあー!??」
と少し照れながら瑞樹が答え、
イスを引きショルダーバッグをイスに掛け、座ったのでした。

「化粧がうまくなっただけじゃないのかあー!??」
と余計なことを良太が言うと、
「お前はー!!?」
「ひとこと余計なのー!!??」
と玲子が言ったのです。すると、
「いいんですよー!?おばさん!!?」
「本当のことだから!」
と瑞樹がニコニコしながら言ったのでした。

「慶子とこの間。デパートの化粧品売り場で!?」
「お化粧の仕方を教わったんですー!!?」
「人によって!」
「合う化粧と合わない化粧の仕方があるのを教わったんです!!」
「自分でも結構うまくなったかなと思いま−す!!?」
とうれしそうに瑞樹が言ったのでした。

「そんなことより、腹減ったあー!!?」
「とにかくメシにしようぜー!?」
「いっただっきまーす!!」
と良太が言うと、
すぐ玲子と瑞樹も、
「いただきまーす!」「いただきまーす!」
と言ったのです。

「おじさんはー!??」
と瑞樹が言うと、
「瑞樹ちゃんに会いたがっていたんだけどさあー!?」
「飲み会があるんで”よろしくいってくれって”さあー!?」
と玲子が言ったのでした。

「おじさんがいないのは残念だけどー!?」
「いつもひとりだから!!?」
「みんなで食べるとおいしいねっ!!」
と言って瑞樹がうれしそうに食べたのです。
それから三人で、
いろいろな話をしながら夕飯を食べ終えたのでした。






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