ドライブは誰といっしょに(^◇^) 第十一話(14)

トンネルのまん中を過ぎたあたりで、
「アッ!」
「ここから新潟県だあー!!?」
と瑞樹が標識を見て言ったのでした。
関越トンネルを出ると、新潟県側に出たのです。
それからしばらく走ると、
コシヒカリで有名な魚沼地区の中を走ったのでした。

「このへんかあー!?」
「コシヒカリで有名な魚沼っていうのは?!」
と周が言うと、
「本当においしいお米って!!?」
「おいしくて!おかずいらないよねえー!?」
と慶子が言ったのです。

「そんなことはないだろー!?」
「いくらうまいご飯でも!?おかずはいるよー!!?」
と良太が言うと、
「良太は本当の魚沼産を食べたことがないんだよー!!?」
「本当においしいんだからあー!?」
と慶子が言ったのでした。

「じゃあー!?俺が食べたのは!?」
「ニセモノかなあー!??」
と良太が言うと、
「炊き方によっても違うけどさあー!??」
「でもねっ!!?」
「10キロで1万5000円もしたんだからあー!?」
と、慶子が珍しく力(りき)んで言ったのでした。

「いつも食べてるのかよー!?」
と良太が言うと、
「いつもなんか食べてるわけないじゃん!!?」
「一度しかないよー!!?」
と慶子が笑いながら言ったのです。

「それじゃあー!?違いが判(わか)るわけだー!?」
「よっぽど味が違ったんだなあー!?」
と周が言ったのでした。

そんな話をしながら、
車は順調に長岡JCT(ジャンクション)近くまで来たのでした。

「ここを左に入れば!北陸自動車道の柏崎(かしわざき)の方に行けるから!?」
と良太が言うと、
「まっすぐ行くと!どこ行くのー??!」
と瑞樹が言ったのです。すると、
「新潟へ行くんだー!!?」
と良太が答えたのでした。

そして車は北陸自動車道の柏崎方面へと入ったのです。
しばらく走ると、
刈羽村の標識が見えたのでした。

「ここ知ってるよー!!?」
「原子力発電所があるところだあー!?」
と瑞樹が言ったのです。
「よく読めたなあー!??」
「かりわ村って!!?」
と良太が笑いながら言うと、
「バカにしないでよー!!?」
「ふーん!!??」
と瑞樹が言ったのでした。

「ローマ字でも書いてあるしねっ!!?」
と慶子が笑いながら言うと、
「慶子までー!!?」
と瑞樹がほっぺたを膨らませて言ったのでした。

それからしばらく走り、柏崎IC(インターチェンジ)で、
四人を乗せた車は北陸自動車道を降りたのでした。
国道252号線に入り、そして国道8号線から海のほうに走って行ったのです。
そして鯨波(くじらなみ)海岸の駐車場に着いたのでした。

「ここかあー!?」
「瑞樹が小学校の頃よく、夏休みに来たっていう海岸は?!」
「砂浜で海水浴にはもってこいのところだなー!?」
「きょうは波静かだしー!!?」
と良太が言ったのです。すると、
「だよねえー!?」
「いいところだねえー!?」
と慶子も海岸を見て、そう言ったのでした。

「砂浜だし!?」
「釣りにもってこいのところだなっ!?」
「なんかサアー!?ヒラメが釣れそうだなあー!?」
と周は言うと、
「きょうは釣り道具持ってこなかったから、しょうがないけどー!!?」
と残念そうに言ったのでした。

「夕日がきれいなんだよー!?」
「あっちに落ちるんだあー!?」
と言うと西の方を指さし、
「沈む時に!!?」
「ジュウって!音がしそうなんだあー!!?」
と瑞樹が、懐(なつ)かしそうに言ったのでした。

知らないうちに子供の頃の記憶が蘇(よみがえ)ってきたのでしょう。
「あの頃は楽しかったなあー!??」
「パパもママも仲良くて!!?」
「なんで離婚しちゃったのかなあー??!」
そう言うと、
自然と涙があふれ出てきた瑞樹でした。

良太は瑞樹の肩に手を回し、
「泣くなよー!みずきー!!?」
「お前らしくないぞー!!?」
と言って、ハンカチを手渡したのです。

瑞樹はハンカチを受け取ると、
「うん!?」
「ありがとう!!?」
と言うと、ハンカチで涙を拭いたのでした。

慶子ももらい泣きしていたのです。
すると周が同じようにハンカチを慶子に、
何も言わず手渡したのです。
「ありがとう!!?」
と慶子は言うとハンカチを受け取り、涙を拭いたのです。
それからしばらく4人は歩きながら、静かな海を眺めていたのでした。

しばらくして腹が「グーッ!!」と鳴った良太は、
「腹減ったなー!?」
「もうすぐ11時半だぞー!?」
「店を探さなきゃー!!?」
と言ったのです。すると、
「そうだねえー!?」
「おなかすいたねえー!!?」
「じゃー!?もう行こうかあー!??」
と瑞樹が元気を出して言ったのでした。

そして4人は駐車場に戻り、そこから国道8号線に出て、
歩いている人に瑞樹が車の窓を開け、
近くに食べ物屋があるか訊いたのです。するとその人が、
「この道を10分ほど行けば!?」
「結構うまい回転寿司があるから!?」
「みんな若いから、そこに行ったら!?」
と言うので、みんなで礼を言い、回転寿司目指して車を走らせたのでした。

店はすぐわかり、車を駐車場に入れたのです。
12時に20分ほど前でしたが、その店はかなり混んでいました。
しかし並んで待たなくても、ぎりぎり入ることができたのです。
4人は腹いっぱいに寿司を食べ、割り勘で支払いを済ませたのでした。

車は店の駐車場を出ると、国道8号線から国道252号線に入り、
そこから柏崎ICに入って、北陸自動車道に乗ったのでした。






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