ドライブは誰といっしょに(^◇^) 第十一話(2)

「カキフライにキャベツはいいけどよー!?」
「いっしょにイカの天ぷらはないんじゃ!ねえのかあー??!」
と玄太が、少し笑いながら言ったのです。すると、
「ちょうどイカの天ぷらが三つ残っていたからさあー!?」
「あとカキフライしか残っていなかったから!?」
と玲子が言ったのでした。

「なんかさあー!?」
「前にもそういうことあった気がするー!?」
と良太が言うと、
「そうかねえー?!」
「たまにはそういうこともあるよー!?」
と言って、笑ってごまかした玲子でした。

「まあ!?いろいろあらーな!!?」
と玄太は言うと、
天ぷらの上にだけしょうゆをかけ、
四つあるカキフライにだけソースをかけ、
キャベツにだけドレッシングを、
皿の上にあるほかのものと混ざらないように、器用にかけたのでした。

「アッ!!」
と良太は言うと、
「まあいいかあー!?」
「腹に入れば同じだから!?」
と言い、ドレッシングをかけたキャベツと、
ソースをかけたカキフライとをいっしょに箸で持ち、
口へと入れたのでした。

「おふくろー!?」
「もうひとつ皿!!?」
と良太が言うと、
「はーい!!?」
と言って玲子が中皿を手渡したのでした。

良太は、大皿に盛ってあるカキフライにだけソースをかけようとしたのですが、
ガバッとかけてしまい、
空いてるスペースにもソースが流れてしまったのでした。
空いてるスペースに天ぷらを戻し、それにしょうゆだけかけようとしたのです。
しかしそれができませんでした。

ふたりの様子を見ていた玲子が、
「まったくー!?」
「良太はお父さんと違って不器(ぶき)なんだからー!?」
と笑いながら言うとさらに、
「お父さんの子とは思えないよー!?」と言ったのでした。

すぐに玄太が、
「母さんに似たんだよー!?」
と笑いながら言ったのでした。すると、
「わたし!そんなに不器用じゃないわよー!!?」
と玲子が、はすを尖(と)がらせて言うと、
「俺はふたりの子供じゃないのかあー??!」
「知らなかった!!?」
とまじめな顔をして良太が言ったのです。

すぐに、
「そんなことない!そんなことないってばー!!?」
と、あわてて玲子が言ったのでした。すると、
「冗談だビョーん!!?」
と良太が笑いながら言ったのです。
「まったくー!!?」と玲子が笑いながら言うと、
三人で笑ったのでした。

「なんか急に冷えてきたねえー!?」
と玲子は言うと、イスから立ち上がり、トイレに向かったのです。

イカの天ぷらを食べた玄太が、
「なんだあー!?あまり温(あたた)かくないなあー!?」
「イカだけに!まあーいいかー!!?」
と、うれしそうにくだらないダジャレを言いながら食べたのでした。

「ホントー!??」
と良太は言うと、天ぷらを手で触(さわ)り、
「なんだあー?!」
と言うとイスから立ち上がり、電子レンジのところに皿ごと持って行くと、
皿を中に入れ、タイマーを2分に合わせ、
スタートボタンを押したのです。

それから少ししてトイレから帰ってきた玲子が、
「りょうたー!何チンしてるんだい??!」
と言ったのでした。すると良太が、
「イカ天がさあー!?ほとんど冷めてたから!?」
「温(あった)めてるんだよー!?」
と言うと、びっくりした玲子が、
「すぐスイッチ切らなきゃー!!?」
「爆発するよー!!?」
と言ったのです。

「ホントかよー!!??」
と言って良太がスイッチのところに手を持っていこうとした時に、
玲子が、
「あああー!!?」
と言ったのでした。
電子レンジの中で天ぷらの衣(ころも)が、
「ポン」と音をたて、飛び散ったのです。(あじゃあー!!)
すぐに良太はスイッチを押し、電子レンジを止めたのでした。

「まったくー!!?」
「ふだん何も手伝わないから!?」
「そんなことも知らないんだよー!!?」
とあきれ返ったように玲子が言ったのでした。
するとそれを見た玄太が、
「へえー!!おもしれえーなあー!!?」
と言って、大笑いしたのでした。

電子レンジを開け皿を取り出し、
「ひっでえーなあー!??」
とびっくりして言うと、
「良太!中を掃除(そうじ)しなよー!!?」
と玲子が言ったのでした。

「わかったよー!!?」
「飯を食ったらするからー!?」
と良太は言うと、皿を持って自分の席に戻ったのです。
それから三人は電子レンジの話をしながら、夕飯を済ませたのでした。

夕飯を済ませると玄太は、テレビのある部屋に行き、
すぐに良太は、
電子レンジのコンセントを抜き、中の回転する皿を取り出し、
「洗って!!?」と言うと、
それを玲子に渡し、
「取り説(とりせつ)は?」
と言ったのでした。すると玲子が、
「冷蔵庫の上!!?」と答えたのです。

良太は、”取扱説明書など”と書いてある分厚いファイルの中から、
電子レンジの取扱説明書を見つけ、それを取り出したのです。
「洗剤を使うときは台所用中性洗剤をお使いくださいだってさあー!?」
と言うと良太は、
「スゲえー!きたねえじゃんかよー!!?」
と言いながら、ふきんに洗剤を少しづつ含(ふく)ませ、
きれいに中を拭いたのでした。
そのあと、取扱説明書に書いてある通りに、
かたくしぼったぬれふきんで、洗剤をきれいにふき取ったのです。

「よかったよかった!!?」
「これでしばらくは、掃除しなくてすむー!!?」
とうれしそうに玲子は言ったのでした。(さすが主婦!)






▲Top