ドライブは誰といっしょに(^◇^) 第一話(2)

「じゃあ!。いくぞ!。」
「シートベルトしたな!。」「よーし!。」
そう言うと良太は、アクセルを吹かし、瑞樹のアパートを出発したのでした。

「どっち先まわるんだよう!。」と良太が言うと、
「ケイコが先に、決まってるんじゃんかー!。」
と瑞樹が言ったのです。
「もう少し、女らしいことばを、使えねえのかよー!。」
と、良太が言ったのでした。

「ああっ!。」と咳払いをすると、瑞樹は、
「そーざーますね!。ケイコさんのところが先ざーます!。」
と言うと、
「おもしれーじゃんかよおー!。」
「あっ!はっはっ!。」
と、大笑いした良太でした。

「せっかく品を良くして言ったのに!。」
と、瑞樹が言うと、
「ざーますことばを使えばいいってもんじゃあねえぞー!。」
と良太が、笑いを抑えて、言ったのです。

「良太!。今日は30度越えるって天気予報で言ってたよ!。」
「もっとエアコン利かせてよ!。」
と、瑞樹が言うと、
「お前さー!。前より太ったろ!。」
「だから、汗っかきになったんじゃあないのか?!。」
そう良太が、言ったのでした。

「えっ?!。そんなことはないよー!。」
「でも最近、体重、はかってないけど!。」
と、瑞樹が言うと、
「まあいいかー?!。」
「25度に設定したから!。これでどうだ!。」
と良太が言うと、すぐにさっきより冷たい風が吹いてきたのです。

「気持ちいいよー!。」
「これでなくっちゃ!。」
と、気持ちよさそうに言った瑞樹でした。
「その先のタバコ屋のカドを、左に曲がれば、いいんだったよなあー?!。」
と良太が言うと、
「その先の信号機を曲がっても、どっちでもいけるよ!?。」
そう瑞樹は、答えたのです。
「道はつながってるから、どこからでも行けるさ!。」
「そうじゃなくて、近い距離のほうを訊いてんだよー!。」
と、良太が言いました。

「んじゃあー!。たばこや!。」
と、タバコ屋のカドの、ほんの少し手前で、瑞樹が言ったのです。
慶子のアパートの前に着くと、
「ここだな!?。」と、良太は言うと、
クラクションを2度鳴らしたのでした。

「慶子!。今着いたよ!。」
「クラクション鳴らしたの!。わかった?!。」
と、瑞樹が言うと、
「瑞樹あんたさー、着いてっから電話しないでよ!。」
「もう直ぐ着くよーとか、いま信号機の手前にいるとか?!。」
「とにかく今降りていくから!。」
そう言うと慶子は、携帯を切って、
急いでアパートの階段を、降りて行ったのです。

携帯電話のやり取りを聞いていた良太が、
「お前さー!?。さっき、出発するとき電話してたの誰だよ?!。」
「少し遅れるからって!。」
と訊くと、
「周ちゃん!。決まってるじゃんかー!。」
と、瑞樹が答えたのです。
「あのさー!?。」
と言って、そのあとを続けて言おうとしたら、
慶子が降りてきたのでした。

「案外早く来れたのね!?。」
と、慶子が言うと、
「うん!。割とな!。」
「今トランク開けたから、荷物入れちゃって!。」
と、良太が言ったのです。
慶子は急いで荷物を放り込むと、トランクを閉めたのです。
そして、4ドアの後ろの席の、瑞樹の後ろに座ったのです。

「ちょっと待って!。」
そう慶子は言うと、良太が丁寧に埋め込んである、
シートベルトの座席の金具を取り出すと、シートべルトをしたのです。
それを見た良太が、
「何すんだよー!?。」
「せっかく丁寧に埋め込んであったのにー!。」
と、言ったのです。

「良ちゃんの運転じゃあ信用できないから!?。」
と、慶子が言うと、
「まあ!。当然といえば当然かー!。」
と、瑞樹が言ったのでした。

「ひでえなあー?!。乗かって行くくせに!。」
と良太が言うと、
「運転手さん!。早く出して!。」
と、瑞樹が笑いながら言ったのです。
慶子も笑っていました。






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