明日のことは過去のこと 第三巻 第三章(9)

神はナアムとの交代の時間がきたので、設計室から医療室に戻ってきました。
「ご苦労さま!。」「交代の時間です!。」
そう神が言うと、
「はい!。今まででは、異常は見つかりませんでした。」
「ではよろしくお願いします!。」
そうナアムは言うと、会釈をしました。
神も会釈をすると、ナアムと交代したのです。

するとすぐに、ハーンが医療室に来ました。
「ふたりとも、ご苦労様です!。」
そう言って、部屋に入って来ました。
「どうですかナアム!。検査のほうは?!。」
そう訊くと、
「はい!。今までには異常は見つかりませんでした。
順調です!。」
そうナアムは、答えました。

「もう母船のほうに、帰ったと思っていました!。」
ナアムがそう言うと、
「ちょっと、時間割のことで話したいことがあったので、
あなたが交代するまで、待っていたのです!。」
と、ハーンは答えました。そして、
「この先、船団の医療器械が完成したあとの検査も考慮して、
医療任務者として来ている、
船団の医療室の医療長と、副医療長は残って、
検査を憶えてもらおうと思ったのですが、どうでしょう!。」
と、言ったのです。

「はい!。わたしもそれは考えていました!。」
「神から、遺伝子治療の異常が発生した場合の対処法は、
聞いていましたが、実際に起こっていないので、
わたしが実際に何度か経験してから、
彼らに憶えてもらおうと、考えていました!。」
「そうですか?!。しかし今の時間割では、
神の設計のほうが進まないと思います!。」
「設計のことを、考慮しなければいけません!。」
ハーンにそう言われたナアムは、

「そうでした!。申し訳ございません!。」
「神への配慮が足りませんでした!。」
と言って、会釈をしたのです。するとハーンが、
「わかってくれればよいのです!。」
と、安心したように言いました。

「ではさっそく!。
彼らに事情を話して、ここに残ってもらうことにします!。」
そう言ったあと、ハーンに会釈をすると、
現在母船としている、この中型宇宙船の医療室に向かいました。

医療室に着くと、ナアムは、
「あなた方にここに残って、遺伝子治療のやり方、及び検査の仕方を、
学んでほしいのです!。」
「お願いしたいのですがいいですか?!。」
そうナアムが言うと、彼らは快く引き受けたのでした。

「では時間割を新しく、わたしたち三人で作ります!。」
「12時間交代とします!。
神も含め全員に小型受信機を持ってもらいます!。」
「もし、遺伝子治療の異常があった場合、神を呼びますが、
私たちも、新しい医療器械が完成したときのために、
その場に立ち会って、その対処法をみにつけなければなりません!。」
「ですので!。そのつもりでいつもいてください!。」
そうナアムが言うと、
「わかりました!」ふたりともそう言い、会釈をしたのでした。

ナアムは、神との交代の時間が来ると、神にそのことを伝え、
了承してもらったのでした。
遺伝子の書き換えのときに、順調にできるときと、
遺伝子の書き換えを拒否し、抵抗されている感じのときがありましたが、
ほぼ順調に書き換えが行われました。
神も、ナアムたち三人も遺伝子治療する者や、
時間そして順番の番号などにより、
書き換えの拒否や抵抗があることを感じていました。
なぜそのようなことが起きるのか、わかりませんでした。

妊娠している者や、身長が子供の医療用ロボット以下の子供を除いた、
実際の遺伝子を書き換えた人数は、10240人でした。
10000人とした予定より、二日と12時間。
余分に時間がかかったのでした。
全体の中でいちばん書き換えに抵抗を示したのは、
1914番目から1918番目までの者と、
1939番目から1945番目までの者でした。

ほかにも書き換えを拒否し、抵抗をした感じの者は、
かなりの数に上りましたが、ほかはすべて、
それらの2分の1以下の抵抗のものでした。
時間的には、特に長くかかったり、
短くなったりした者は、ありませんでした。
ちょうど、遺伝子の書き換えが終わった頃、
ナアムたち船団の、新しい医療器械が完成したのでした。

これで、お。し。ま。い。

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